アルデゲルが混戦から抜け出し今季2勝目！
フロントーからスタートし、序盤で先頭にでたアルデゲル。
前日に行われた予選ではセレスティーノ・ビエッティ（Red Bull KTM Ajo）がポールポジション獲得。2番グリッドにジェイク・ディクソン（CFMOTO Inde Aspar Team）、3番手グリッドにはフェルミン・アルデゲル（MB Conveyors SpeedUp）がつけた。
小椋は7番グリッド、ジョー・ロバーツ（OnlyFans American Racing Team）は11番グリッド、ランキング首位のガルシアは12番グリッドとランキング上位勢は中団からのスタートとなった。
25周の決勝レースは2番グリッドスタートのディクソンがホールショットを奪うも、切り返しでビエッティが首位の座を奪い返した。
トップの座をキープしたかったビエッティだが、アルデゲルとトニー・アルボリーノ（Elf Marc VDS Racing Team）が先行し、トップ集団から抜け出していく。
昨年ランキング2位の実力者ながら今季成績が振るわなかったアルボリーノ。ここにきて本来のスピードを発揮し、7周目にアルデゲルを抜きトップに浮上する。しかし、こちらも本調子になりつつあるアルデゲルが10周目にトップに返り咲いた。
接近戦を繰り広げていたアルデゲルとアルボリーノだったが、残り8周の時点でアルボリーノが大きく挙動を乱し後退。アルデゲルの独走を許すことになってしまった。
一方、7台による接近戦となった2位争い。この集団の中、少しずつポジションを上げていった小椋はビエッティやディオゴ・モレイラ（Italtrans Racing Team）と熾烈な3位争いを展開。
持ち前の速さで今季2勝目を挙げたアルデゲル。昨年同様、後半戦から怒涛の連勝となるのか。
小椋はファイナルラップの最終コーナーで3位に上がり、連続表彰台を獲得。チームメイトでポイントリーダーのガルシアは7位に終わったことで、小椋とガルシアのポイント差は7にまで縮まった。
アルボリーノのミスにも助けられ、2秒のギャップを築いたアルデゲルが優勝。2位にはディクソンが入っている。
2024 Moto2 第9戦ドイツGP 決勝結果
小椋は連続表彰台を獲得し、ランキング2位でシーズンを折り返した小椋。
悲願のチャンピオンへ！ 小椋藍の後半戦に期待
ランキングトップのガルシアに対し、7ポイント差に迫った小椋藍。
2024年シーズンも前半戦が終了し、MT Helmets - MSIの2台が選手権をリードしている。今季から同チームに移籍したガルシアは第3戦アメリカズGPでMoto2クラス初優勝を挙げると、常に上位でのフィニッシュを重ね、一躍ポイントリーダーに躍り出た。
また、長年所属していたIDEMITSU Honda Team Asiaを離れ、こちらも今季からMSIに移籍した小椋藍も尻上がりに調子を上げている。
小椋はMoto2クラスにおいて、2022年にチャンピオン争いを繰り広げた実力者だ。しかし、昨年は開幕前のトレーニングで負傷したことが響き低迷。満足のいくシーズンとはいかなかった。
心機一転、MT Helmets - MSIに移籍するも、ボスコスクーロの車体に加え、ピレリタイヤという全く新しい組み合わせでの戦いは小椋にとって困難なチャレンジだったはずだ。
特に予選では苦戦し、後方からのスタートが多かったが、決勝では持ち味の勝負強さを発揮し、第6戦カタルーニャGPで今季初優勝を挙げた。
MotoGP昇格が決まっているアルデゲルの独壇場になると思われた2024年シーズン。しかし、MT Helmets - MSIに移籍した2人が力強いパフォーマンスをみせている。
今年初優勝を挙げ勢いに乗るガルシア、マシンとタイヤに順応し本来のパフォーマンスが戻った小椋に加え、チャンピオン大本命のアルデゲルに、タイトル争いの一角を占めるジョー・ロバーツ（OnlyFans American Racing Team）など激戦必至の今シーズン。
今年のMoto2クラスは最後の最後まで目が離せない展開になることだろう。サマーブレイク明けの初戦は8月2日開幕の第10戦イギリスGPとなっている。
レポート：河村大志
