珍しく淡々と進む8耐です
鈴鹿8耐は15時を過ぎ、ここまで3時間半が経過。この、序盤や前半といったステージでの大きな事故や大本命脱落、などの事件がなく、セーフティカーさえ介入しない、静かな(?!)展開となっています。
先のエントリでもお伝えしたように、レースは#30TeamHRCが独走。高橋巧がスタートから2番手以下を引き離し、替わったヨハン・ザルコがさらにその差を広げ、名越哲平がその差をキープする、まったく危なげのない展開に持ち込んでいます。
3時間経過時の途中経過では、そのTeamHRCから1分20秒後方にYARTヤマハがつけています。けれどその差は縮むことなく、ジリジリと広がるばかり。ヤマハR1の爆発力を上回るほど、ホンダCBRの速さが際立っています。
3番手につけているのがヨシムラSERT。ヨシムラは、スタートの神、グレッグ・ブラックが事前テスト2回目で転倒、負傷し、大きな柱を欠いたままの状態ですが、日本人エースの渥美心が奮闘、緊急招集されたアルバート・アレナスの経験不足を補っています。事実、4ステイントまで渥美→フリット→渥美→フリットと走行。アレナスはまだコースインしていません。
その後方を走るのが、DUCATIチームカガヤマ。パニガーレV4Rは、1スティント目にトップに立つなど、さすがのスピードを見せていたんですが、1回目のピットストップからの再スタートで、エンジン始動に手間取るシーンがあり、タイムロス。このタイムロスが2回ほど続き、ちょっともったいない後退がありました。DUCATIチームカガヤマも、水野→シャリーン→水野→ウォータースという変則起用をみせ、まずはスピードのある水野で、トップから離されない戦略をとっているようです。
SSTクラスでは、ちょっと事件がありました。レース序盤、SSTクラスのトップを走っていたのはTERAMOTO@J-TRIPレーシングの村瀬健琉……だったんですが、村瀬が走行中に軽い脱水症状となり、転倒。どうやらキャメルバックに仕込んでいた水分が飲めず、それで脱水症状になってしまったようです。転んでマシン起こしてピットに戻っても、その間のこと覚えていなかったんだそうです。
かわってSSTクラスのトップ争いは、タイラプロモートレーシング、TONE SYNCEDGE 4413BMW、チームエトワールとなって、この3チームがトラブルやアクシデントなく、SSTクラスをリードしているようです。
雨も落ちない、セーフティカーも入らないクリーンでセーフティな鈴鹿8耐。この原稿を書いている間に15時半を過ぎたため、レースは折り返しに入りました!
写真・文責/中村浩史