レポート:山ノ井敦司
2018年7月12日|モンキー125が新登場!!
2017年7月21日(金)に発売(商談受付)されたモンキー・50周年スペシャルを最後に生産終了となってしまったモンキーだが、翌年の2018年7月12日(木)には大柄な車体に125ccエンジンを搭載し、前後ディスクブレーキ(フロントのみABSを採用)、12インチホイールを採用したモンキー125となって見事復活を果たした。
型式 | 2BJ-JB02 |
全長×全幅×全高 | 1710×755×1030mm |
ホイールベース | 1155mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 775mm |
車両重量 | 105[107]kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 124cc |
ボア×ストローク | 52.4×57.9mm |
圧縮比 | 9.3 |
最高出力 | 6.9kW(9.4PS)/7000rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/5250rpm |
燃料タンク容量 | 5.6L |
変速機形式 | 4速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 82mm |
ブレーキ形式(前・後) | 油圧式ディスク/油圧式ディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/80-12 65J・130/80-12 69J |
燃料消費率 WMTCモード値 | 67.1km/L(クラス1) |
製造国 | タイ |
メーカー希望小売価格 | 39万9600円[43万2000円](消費税8%込) |
車体まわりは1967年のZ50M、1974年のZ50Jと思えるような形状のタンクを採用し、車体の左側に採用されたサイドカバーの形状などはモンキー好きにはたまらない作りとなっていた。モンキーといえば折りたたみ式のハンドルがアイデンティティの1つとなっていたが、車体が大きくなった分、強度的にも耐えられないということでバーハンドルを採用。シートもサイズこそ大きくなっていたが、モンキーらしくふかふかで座り心地抜群のシートを採用(このあたりは1978年あたりの通称5Lモンキーのような形状)するなど、50年の歴史を持つモンキーシリーズのいいとこ取りをしたような仕上がりとなっていた。
豪華な足まわりはフロントにバネ下重量を軽減する倒立フォーク、強度を確保した専用設計のスイングアームを採用。なんといっても前後ディスクブレーキというのが嬉しい装備だった。リアはオートバイ、モンキーらしくツインショックで、タイヤにレジャーモデルらしくブロックパターン(Vee Rubber製)が採用された。
モンキー125とモンキーのサイズの違いを数値で比較
モンキー125/モンキー・50周年スペシャル | |
---|---|
全長×全幅×全高 | 1710×755×1030mm / 1365×600×850mm |
ホイールベース | 1155mm / 660mm |
シート高 | 775mm / 660mm |
車両重量 | 105kg / 68kg |
数値的にはなかなかの違いとなっており、実際に2台の車体を目の前にすると一回りは違う印象を受けた。このサイズ感の違いは、それまでのモンキーユーザーのほとんどが「大きすぎる」、「モンキーならではの可愛さがなくなった」、「モンキーじゃなくキングコングだよ」など、否定的な意見をしていた。それとはうってかわりモンキーを知らなかった新規ユーザーや他のオートバイユーザーからは「小さくて可愛いバイク」、「ちょうどいいサイズ感」など好印象となっていた。さまざまな意見が飛び交っていたが、歴史ある一台、モンキーが復活したということでかなり話題となった。
カラーリングのモチーフは2000年のニューイヤースペシャル?
タンクのカラーリングとパターンだが、2000年に登場したモンキーニューイヤースペシャルエディションと瓜二つではないだろうか? 例えばモンキー125のヘッドライト・メーターケースをレッドにし、前後フェンダー・ホイールをホワイトにすればモンキー125ニューイヤースペシャルエディション的なマシンが作れたりして!?
2019年7月26日|ニューカラーが仲間入り!!
新たにパールグリッターリングブルーが仲間入りし、パールネビュラレッド、バナナイエローの既存色を合わせ3色ラインアップとなった。
2020年4月3日|ニューカラーが仲間入り、価格は改定
発売から2年が経過するが、車体に大きな変更はなく、新たにパールシャイニングブラックが仲間入りし、パールネビュラレッド、バナナイエロー、パールグリッターリングブルーの既存色を合わせ4色ラインアップに。この年、消費税が10%になったことから車体の価格が39万9600円から40万7000円、ABS付き43万2000円から44万円となった。
2021年9月27日|新エンジンを搭載して登場!!
型式 | 8BJ-JB03 |
全長×全幅×全高 | 1710×755×1030mm |
ホイールベース | 1145mm |
最低地上高 | 170mm |
シート高 | 776mm |
車両重量 | 104kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 123cc |
ボア×ストローク | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 6.9kW(9.4PS)/6750rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/5500rpm |
燃料タンク容量 | 5.6L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 82mm |
ブレーキ形式(前・後) | 油圧式ディスク/油圧式ディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/80-12 65J・130/80-12 69J |
燃料消費率 WMTCモード値 | 70.0km/L(クラス1) |
製造国 | タイ |
メーカー希望小売価格 | 44万円(消費税10%込) |
新たに搭載されたエンジンは、ロングストローク化を図り圧縮比が高められ、力強い走りを実現しながら最新の排出ガス規制に適合。さらにはそれまでの4速ミッションから5速ミッションに変更されたことで、街中での走行でよりスムーズな加速を実現し、様々なシチュエーションでレジャーバイクとしての操る楽しさをより高めた車体となった。
実際に乗ると4速から5速となったミッションの変化は大きく、同じシチュエーションで乗り比べると加速感や減速時からのリカバリーなどがスムーズとなった。ものすごく大雑把に説明するとミニバイクからオートバイへと進化したような印象を受けた。
その他にもカラーリングも一新され、タンクのパターンやそれまでフロントフォーク、スイングアームが同色だったものが、フロントフォークのみとなり、スイングアームはブラックとなった。前後ホイールもブラックとなったことで見た目にも引き締まった仕上がりに。車体のカラーは3色用意。前年まではABSなし、ありの2種類がラインナップされていたが、ABSの装備が義務化となったことでABS車のみのラインアップとなった。
2023年9月21日|カラーチェンジで登場したチェック柄シート
まるで旧モンキー時代に発売されていた限定モデルのようなチェック柄のシートと、ニューカラーで登場した2023年モデル。タンクのカラーリングは2009年にフルモデルチェンしてインジェクションとなって登場したモンキーのようなパターンを採用し、スイングアームも2018年モデルのようにフロントフォークと同色となった。
一番のポイントとなっているシートは座面をチェック柄にすることで可愛らしい仕上がりに。カラーリングも2018年モデルで人気となっていたバナナイエローが復活し、ホンダのカラーであるレッド、シックなブラックの3色となり、モンキーという存在、キャラクターを色濃くしたような2023年のラインアップとなっていた。
歴代モデルにもあったチェック柄のシート
はじめにチェック柄が採用されたモデルと言えば1967年に登場した初代モンキーことZ50M。前後5インチホイールに薄々な折りたたみ式シートを採用したコンパクトな車体がなんともキュートな仕上がりだった。
次にチェック柄のシートで登場したのはモンキーが誕生してから30年後の1997年に登場したモンキースペシャル。その次が2006年に登場したモンキー40周年スペシャルで、2009年にはモンキーリミテッドが登場した。色こそ違うが、2011年のモンキーリミテッドでがグレーのチェック柄も登場し、2013年にはチェッカーフラッグ柄のシートを採用したモンキーリミテッドも登場していた。
2023年モデルとして発売されたモンキー125ではスペシャルでもリミテッドでもない、通常モデルとして登場したことに少し驚いた。ある意味お買い得車両だったも言える。
2024年7月25日|ニューカラーとなって登場!!
2024年7月に登場した最新カラーは、ホワイト、ブラックの単色のカラーリングにエンブレムのみというシンプルな見た目のタンクにチェンジ。車体周りの配色に変更はないが、新たにパールカデットグレーを採用。モンキーシリーズにはなかったグレーというカラーリングは時代の流行りに合わせて登場。レッドはこれまでと変わらずフォークもスイングアームもレッドとなっていたが、グレーはフォークがブラック、ブラックはスイングアームがシルバーになるなど、車体のメインカラーに合わせた配色となっているのもポイント。その他に様々な物の価格高騰の影響か車体価格が1万1000円アップの45万1000円となった。
型式 | 8BJ-JB05 |
全長×全幅×全高 | 1710×755×1030mm |
ホイールベース | 1145mm |
最低地上高 | 175mm |
シート高 | 776mm |
車両重量 | 104kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 123cc |
ボア×ストローク | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 6.9kW(9.4PS)/6750rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/5500rpm |
燃料タンク容量 | 5.6L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 82mm |
ブレーキ形式(前・後) | 油圧式ディスク(ABS)/油圧式ディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/80-12 65J・130/80-12 69J |
燃料消費率 WMTCモード値 | 68.7km/L(クラス1) |
製造国 | タイ |
メーカー希望小売価格 | 45万1000円(消費税10%込) |
アイデア次第で出来るかも!? 57周年スペシャル? 6周年アニバーサリー?
このカラーリングと言えば1997年に登場したスペシャルモデルと瓜二つ!! ということは1つ上で紹介している2023年モデルのパールネビュラレッドの車体に装着されるシートを流用すれば、モンキー125スペシャルが作れたりして? 自分オリジナルのモンキーシリーズ57周年記念モデル? モンキー125 6周年記念モデル? なんていかがですか?
純正アクセサリーにクロック&ギアポジションメーターが登場
その他に大きな話題となっているのが純正アクセサリーパーツで追加となったクロック&ギアポジションメーター。今自分が何速で走っているのか? 何時なのか? というのがすぐに確認できるというのは大きなポイント。スピードメーターの左上に追加することで視認性も抜群。
モンキー好きの小言
125として6年、シリーズとして57年となったモンキーシリーズ。まだ少し先の話になるが、3年後の2027年には60周年を迎える。上でも紹介しているように〜周年記念モデルや〜スペシャル、〜リミテッドなど、これまでは様々な限定モデルが用意されていたが、発売から6年が経過したモンキー125にはまだなく、2027年の60周年を記念したモデルの登場を期待したい。ゴールド? メッキ? それともFTR? CB? CBX? 名だたる名車をリリースしてきたホンダだけに期待したいぞ!!
レポート:山ノ井敦司