2か月ぶりのJSB1000

灼熱の鈴鹿8耐から1か月。6月16日に筑波サーキットで行なわれた第4戦・筑波大会ぶりに、今度は全日本ロードレースの後半戦が始まります。2か月ぶりですね、全日本ロードレース。インターバル空きすぎで、ちょっと前半戦のことを忘れがちなので、ここで事前情報を。
筑波大会もJ-GP3とJP250クラスのみの開催でしたから、8月24-25日の「もてぎ2&4レース」で行なわれるJSB1000クラスに至っては、第3戦・スポーツランド菅生大会ぶりです。

そう、このもてぎ2&4ではJSB1000のみの開催で、J-GP3/ST600/ST1000クラスは、また次戦の第6戦オートポリス大会まで開催がありません。
そのもてぎ2&4は、二輪のレースとしてはJSB1000クラスが1レースのみ開催されます。JSB1000クラスのほかには、クルマのスーパーフォーミュラ第5戦とフォーミュラリージョナル第4戦、それにN-ONEオーナーズカップ第7戦が行なわれます。2&4は、こうやってバイクとクルマの最高峰レースが1枚のチケットで見られる、って楽しみがありますもんね。

画像: ここまで3戦5レース、この3人しか表彰台に立っていません 左から岡本、中須賀、水野です

ここまで3戦5レース、この3人しか表彰台に立っていません 左から岡本、中須賀、水野です

さてそのJSB1000ですが、ここまで3戦5レース、ヤマハファクトリーレーシングの中須賀克行が4勝、そのチームメイトの岡本裕生が1勝と、ヤマハYZF-R1が全勝しています! このふたりがランキング1-2で、このふたりに続くのがDUCATIチームKAGAYAMAの水野涼。水野は2位3回、3位2回で、つまりはこの3人しか、まだ表彰台に立っていないんです!

熟成されまくったYZF-R1をヤマハワークスチームが運営して、絶対王者・中須賀が走っているわけですから、これは速いマシンに強いライダーが乗ってワークスチームが運営している、という必勝の法則です。岡本にしても、打倒・中須賀のNo.1ですから、このふたりが日本のトップレースの頂点にいる、というのもうなづけます。

画像: 鈴鹿8耐では4位フィニッシュとなったDUCATIチームKAGAYAMA 水野は大会のベストラップをマーク

鈴鹿8耐では4位フィニッシュとなったDUCATIチームKAGAYAMA 水野は大会のベストラップをマーク

そして、ここで注目したいのがランキング3位の水野涼です。
ご存知の通り、チームKAGAYAMAは2024年シーズンから、全日本ロードレースにドゥカティワークスマシン・パニガーレV4Rを投入するという離れ業をみせ、絶対王者の牙城を崩そうとしています。そこで水野が全戦表彰台登壇を続けているわけですが、2024年開幕戦でホールショットを決めたのをはじめ、レース中も常にトップグループにいるなど、今か今か、という走りを見せながら、なんだよバウティスタのマシンで勝てないのかよー!って声があるのも事実です。

そのチームKAGAYAMA、鈴鹿8耐にも参戦し、4位フィニッシュ。惜しくも表彰台を逃したレースとなりましたが、パニガーレV4Rでの初めての8耐、耐久用パーツも、装備も何も存在しないマシンでの耐久レースでのこの結果は、充分に驚くべきものだと思います。

画像: 菅生大会のレース後には「ちょっと今回のレースで新しいこと、見つけた感じ」と言っていた水野

菅生大会のレース後には「ちょっと今回のレースで新しいこと、見つけた感じ」と言っていた水野

「悔しいですね、4位と2位ってレースじゃ一番悔しい」と言ったのは水野です。鈴鹿8耐の決勝レース後にコメントをもらっていたら、水野は終わったばかりの8耐よりも、もっと先のことを見ていたのが印象的でした。
「今回の8耐、結果は4位でしたけど、それ以上にすごい収穫があったレースでしたね」
――それは走行時間?
「そうです! 2回の事前テストを含めて、ものすごくパニガーレに乗る時間があった。これが大きいし、僕のマシンを、ジョシュとハフィスが乗ったのも大きかったです。チームメイトが、僕がやらないライディングポジションを試したり、走りかたが違っていたり、すごい勉強になった」
――ここまでヤマハの牙城を崩せていないよね。やっぱりまだマシンを理解できていない感じはあるの?
「ありますあります。まだ初年度、ってゆーか半年、ってゆーか乗り始めて3か月ですよ? 中須賀さんのマシン、もう何シーズン全日本走ってるんですか(笑)。時間を言い訳にしちゃいけないけど、時間がまだまだ足りないですよ」
――菅生のレース2終わった時に、マシンの新しい作り方みつけた、って言ってたよね。
「そうなんです。それも含めて、8耐の走行時間がすごく身になった。今は、走る度に新しい発見があるんです。それがモチベーションになってるし、バイクの作りこみに伸びしろがたくさん。走る度に、たとえば制御がどんどんレベルアップしてる感じなんです。もてぎがすごい楽しみ!」

画像: 鈴鹿8耐でYARTヤマハ、TeamHRCを抑えてトップを走るシーンもあった水野+パニガーレV4R

鈴鹿8耐でYARTヤマハ、TeamHRCを抑えてトップを走るシーンもあった水野+パニガーレV4R

ついさっき走り切ったばかりの8耐の話題よりも、もてぎ2&4を楽しみにしているのが分かったインタビューでした。ちょっと全日本ロードレース後半戦は、これまで以上に水野+パニガーレV4Rに注目するといいかもしれませんね!
さらに鈴鹿8耐で最多優勝記録を更新した高橋巧(日本郵便ホンダドリームTP)、高橋のチームメイトとして優勝経験を得た名越哲平(SDGホンダレーシング)も注目です。ホンダCBRは、鈴鹿8耐あとのレースでグレードアップしたり、新しいスペックで登場したりすることがあるので、ヤマハのふたりはもちろん、ホンダCBR勢に注目です。

もてぎ2&4のJSB1000クラスのタイムスケジュールは以下の通り。
8/24(土曜日)
11:45 ピットウォーク
12:45 公式予選
8/25(日曜日)
08:30 ウォームアップ走行
11:15 ピットウォーク
12:40 決勝レース

えーと、JSB1000だけの取材だと、14:00には仕事終わっちゃうのか(笑)。新装なったコレクションホールでも行ってみようかなー!

写真・文責/中村浩史

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