コンマ029秒差での決着!三つ巴のバトルを制したヴィエッティが優勝
前日に行われた予選ではアロン・カネット(Fantic Racing)が前線に続きポールポジションを獲得。2番グリッドにジョー・ロバーツ(OnlyFans American Racing Team)、3番グリッドにトニー・アルボリーノ(ELF Marc VDS Racing Team)という並びだが、この3台のタイム差がわずか0.010秒差という超僅差の予選結果であった。
ポイントリーダーとなった小椋は7番グリッドからスタート。一方、ライバルでありチームメイトのセルヒオ・ガルシア(MT Helmets - MSI)は13番グリッドからのスタートとなる。
気温21度、路面温度28度のドライコンディションの中、22周の決勝レースがスタート。ホールショットを奪ったのは3番グリッドスタートのアルボリーノだった。
オープニングラップの順位はアルボリーノ、ヴィエッティ、カネット、そして小椋の順。トップのアルボリーノは早くも後続との差をひらきにかかる。
ヴィエッティ、カネットのペースもよく、トップ3台が抜け出す形となり、小椋は徐々に離されてしまう。
その後方では、小椋のライバルであるガルシアとジェイク・ディクソン(CFMOTO Inde Aspar Team)が6周目に相次いで転倒。小椋としては無理に上位を追うのではなく、確実に4位でフィニッシュすることが求められた。
しかし、その背後にはともに来年の最高峰クラス昇格を決めているフェルミン・アルデゲル(Beta Tools SpeedUp)が小椋に接近してきていた。
レース中盤まで均衡状態を保っていたトップ争いだったが、残り8周となったところでヴィエッティがアルボリーノとのギャップを詰めていく。しかし、残り6周というところでヴィエッティがターン2で挙動を乱し3位に後退してしまった。
これで2位に上がったカネットは残り4周でアルボリーノを捕らえトップに浮上。2位に落ちたアルボリーノはヴィエッティとのバトルを展開しながらも再度カネットにアタックしていく。
カネットの背後についたアルボリーノは残り2周のターン8で再び首位に浮上。ファイナルラップではアルボリーノが懸命に逃げるも、ターン14へのブレーキングでギヤがニュートラルに入ってしまい、大きくコースオフしてしまう。
これでカネットがトップ、ヴィエッティが2位で最終コーナーへ。最終コーナーでインを締めたカネットに対し、ヴィエッティはきれいなライン取りでスピードを乗せ加速。コントロールライン上で逆転したヴィエッティが見事な逆転劇を演じ、今季2勝目を挙げた。
0.029秒差に泣いたカネットが2位、3位にはアルボリーノが入るも優勝を逃してしまう悔しい結果となってしまった。
そして小椋はアルデゲルを振り切り4位でフィニッシュ。ガルシアがノーポイントに終わったことで両者のポイント差は22点にまで広がった。
今大会でヨーロッパラウンドが終わり、次戦からはアジアでの戦いになっている。次戦は9月27日から29日にかけて行われるインドネシアGPだ。小椋にとって母国グランプリである日本GPも10月4日から6日に控えている。
まだ6戦残っているが、今最もチャンピオンに近い位置にいる小椋。まずはアジアラウンドの初戦であるインドネシアでの戦いに注目だ。
2024 Moto2 第14戦エミリア・ロマーニャGP 決勝結果
レポート:河村大志