カネットが前戦の雪辱を果たす好走で今季2勝目!
決勝前日に行われた予選ではアロン・カネット(Fantic Racing)がポールポジションを獲得。前戦優勝が手からこぼれ落ち悔しさを露わにしたカネットだけに、気迫が伝わる予選アタックだった。
2番グリッドにはジェイク・ディクソン(CFMOTO Inde Aspar Team)、3番グリッドにはランキングトップの小椋がつけた。両者の差はわずか0.001秒であったがディクソンが小椋を制している。
しかし、ランキング2位のガルシアが15番グリッドからのスタートということもあり、小椋にとっては上々のポジションと言っていいだろう。さらにポイント差を広げるチャンスである。
気温29度、路面温度59度のドライコンディションの中、22周の決勝レースがスタート。3番グリッドスタートの小椋が鋭い加速を見せホールショットを奪取する。しかし、オープニングラップではカネットが先頭に立ちトップで2周目に入っていった。
小椋はカネットに続き、アロンソ・ロペス(MB Conveyors SpeedUp)にも先行を許し3位でレースを進めていく。
カネットが圧倒的な速さで逃げていく中、できるだけ早くロペスを攻略したい小椋だったが、抜くことができずにいた。そこにロペスのチームメイトであるアルデゲルが小椋の背後につき、猛攻を受けることになる。
小椋はアルデゲルをいなしていたが、6周目にパスされ4位に後退。小椋をオーバーテイクしたアルデゲルは勢いそのままにロペスにも襲いかかる。
しかし、8周目のターン8のブレーキングで止まりきれなかったアルデゲルがオーバーランし大きく後退。これにより、再び小椋がロペスとの対決に臨むことになった。
ペースが上がらないロペスを先頭に、小椋、マヌエル・ゴンザレス(QJMOTOR Gresini Moto2)、ダリン・ビンダー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)の4台が2位集団として形成される。
こう着状態が続く中、13周目に小椋がついにロペスをオーバーテイクすることに成功し2位に浮上。しかし、この時点でトップのカネットとの差は6秒となっていた。しかも、後方ではライバルのガルシアが転倒リタイアしていたため、小椋はリスクを犯さず2位でチェッカーを受けるために切り替えてゴールを目指した。
トップのカネットは十分なギャップを築いていたため、終盤にはペースを落としながら走行。ペースをマネジメントしたカネットは慎重にマシンをゴールまで運び、トップチェッカーを受けた。
前戦ではコントロールライン上での逆転という悔やみきれない負け方をしてしまったカネットだったが、今回は影をも踏ませぬ走りを見せ、今季2勝目を達成。
後方では小椋も後続に対しリードを築き単独の2位でフィニッシュ。ガルシアがノーポイントに終わる中、20ポイントを獲得した小椋はチャンピオン争いにおいて42ポイントのリードを築いてみせた。
3位にはゴンザレス、ビンダー、アルデゲルとのバトルを制したロペスが入っている。
次戦は10月4日から6日にかけて行われる日本GP。母国GPとなる小椋はランキングトップとして凱旋を果たすことになる。また、佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)にとっても母国戦であり、ファンの前でMoto2での自己最高位を目指す。
2024 Moto2 第15戦インドネシアGP 決勝結果
レポート:河村大志