文:山ノ井敦司/写真:K-SPEED
W230を最大限に活かしたK-SPEEDカスタム
製作したのは微笑みの国タイが産んだ世界的ビルダー「K-SPEED」のタナディット氏。スッキリとシンプルな見た目に、ブラックアウトされた車体はK-SPEEDならではないだろうか。今回のカスタムはいつものような派手な加工や追加パーツなどを装着せず、カワサキの最新モデルW230という素材を最大限に活かし製作され、低くくポジショニングされたハンドルに、極太の足まわりにすることでボバースタイルへと変貌させた。
ヘッドライトは純正よりも、奥まった部分にマウントすることで凝縮感をアップ。それに合わせてウインカーやテールランプなども小振りなサイズに変更済み。低くマウントされたハンドルは、スイッチ類をトグルタイプに変更し、小径のスロットルなどで極力シンプルに仕上げられた。
タンクはノーマルのようだが、ツヤあり、なしで塗り分けることでタンクのディティールを引き立たせる仕上がりに。さりげなく入るKAWASAKIロゴもセンス抜群。これは今後のカスタムする時の参考にしたい部分。その他にも純正のサイドカバーの前側には無数の穴を入れるなど細かな芸も光る。
フロントは突き出し量を変更しローダウン、リアにはショートタイプのDiabolusオリジナルリアショックを装着。ホイールは純正がフロント18インチ、リア17インチに対し、前後17インチに換装し、フロント4.00-17、リア4.50-17サイズのタイヤを履かせたことでムッチリとした極太な足まわりを作り上げた。
シートはフラットな見た目で、純正よりも短いオリジナルのDiabolus製。真横から見た際にテールランプが飛び出ないようにスモールタイプに変更。ウインカーはリアショックマウント部に移設。
マフラーはW230の持つ丸いフォルムに合わせた綺麗な曲線を描くエキパイに、ブラックのメガホンサイレンサーを合わせたオリジナルのDiabolusシリーズ。純正よりも短く、テーパーコーンエンドでよりカスタムライクな見た目に。
このマシンを見て一時期のストリートカスタムシーンを賑わせたカワサキ250TRやスズキのグラストラッカーなどを思い出したという人もいるのではないだろうか。無論、筆者もその一人で、久しぶりにドキドキ・ワクワクさせられた。W230、MEGURO S1が国内で正式発表された際には同じようなカスタムをしたいという人もいるのではないだろうか?
文:山ノ井敦司/写真:K-SPEED