トライアルに留まらず、ハードエンデューロ、ラリーと活躍の幅を広げている藤原慎也選手が、今年からトランスポーターとして使用するのが、フィアット「デュカト」をベースとしたWEINSBERG社のキャンピングカー。その輸入元であるトイファクトリー代表取締役藤井昭文氏と、「デュカト」のトランスポーターとしての可能性について、語り合ってもらいました

PHOTO/NOFPLEX TEXT/増谷茂樹

トランポにありがちだった”我慢”を解消

画像: トランポにありがちだった”我慢”を解消

藤井昭文氏(以下、藤井。敬称略):実は藤原選手とは、以前から仲良くさせてもらっていて、フィアット「デュカト」が正式に日本に入ってくるようになったタイミングで、プロライダーがどのように使うのか知りたかったので、今回声をかけさせてもらいました。

藤原慎也選手(以下、藤原。敬称略):私が以前に勤めていた会社にいた頃ですね。藤井さんのところには、ある製品を売り込みに行きました(笑)。クルマ業界に詳しい人に、キャンピングカーのことならトイファクトリーだと聞いていたので。

画像: 除幕式で正式にOUTLAWを貸与。トイファクトリー本社前にて、左:藤井昭文氏、右:藤原慎也選手

除幕式で正式にOUTLAWを貸与。トイファクトリー本社前にて、左:藤井昭文氏、右:藤原慎也選手

藤井:うちは今でこそキャンピングカーで知られるようになっていますが、はじめの頃はトランポのオーダーが多くて、お客さんだった人がいつの間にかスタッフになっていたりしたこともあってバイク乗りが多いんですよ。ハイエースのトランポもたくさん作ってきましたが、やはりどこかで我慢をしている部分がありました。どうしてもスペースが限られるので、車中泊しようとするとバイクを降ろさなきゃいけなかったりとか。

藤原:そうですね。我々がレースで使うバイクはそもそも高価で特殊なパーツが付いていたりするので、泊まるときに降ろしたくない。バイクの隙間で寝るわけにもいかなくて宿を取ると、コースまで遠くて朝4時とか5時に起きないといけなかったりします。オフロードのレースは山の中でやるから近くに宿がないんですよね。

藤井:そういう我慢を解消してくれるのがデュカトだと思っています。藤原選手に乗ってもらうのはWEINSBERGというドイツのブランドが作った「OUTLAW」というキャンピングカーです。

藤原:バイクが2台積めて、そのまま中で整備できるくらい広い。それでいてダブルベッドがあるので寝るのも快適。シャワーやトイレも付いているので、我慢を強いられるところが本当にありません。ライダーとして、良いコンディションでレースに挑めるのはもちろんですが、家族を連れて走りに行くような人にもありがたいはずです。オフロードコースにありがちなキレイとはいえないトイレを使わなくて済むだけで、家族からの評価が変わってくると思います。

藤井:トイレの問題は大きいですよね。車中泊するときも、トイレが近くにない場所も選べるようになるので、泊まれる場所の幅が広がるはずです。

藤原:シャワーやキッチンが付いているのもライダーからすると大きいですね。泥だらけになった後とか、ちょっと冷たい物や温かい物を口にできるだけでストレスは大きく減ります。普通のトランポでもがんばれば実現できるかもしれませんが、この「OUTLAW」だと全部はじめから揃っていますから。

ヨーロッパの文化を日本にも

藤井:日本でキャンピングカーとレースという組み合わせは、まだ一般的ではないですが、ヨーロッパだとバイクのレースはもちろん、F1からツール・ド・フランスのような自転車レースまで、レース会場には必ずキャンピングカーがたくさん来ています。参戦する側だけでなく、見る側もキャンピングカーが多くて、そういう文化が根付いているんですよね。

藤原:オーストリアで開催されたエルズベルグロデオに参戦したときも、会場はデュカトだらけでした。本格的なキャンピングカーから、内装をDIYしたようなものまで。

画像: デュカトの「ドンガラ」車内。身長180cmある藤原氏が立っても余裕のあるほど広く、カスタムを楽しむ余地あり

デュカトの「ドンガラ」車内。身長180cmある藤原氏が立っても余裕のあるほど広く、カスタムを楽しむ余地あり

藤井:私たちは「ドンガラ」と呼んでいますが、素のままのデュカトなら500万円台で購入できます。自分の手でトランポに仕上げていくのも楽しいと思います。そういうDIY向けのパーツやキットも作っていきたいと思っているので、藤原選手にはライダー目線でアドバイスしてもらえるとありがたいです。

藤原:国内にも正規輸入されるようになったのは大きいですね。これまでも並行輸入では入っていましたが、故障などのトラブルを考えると選びにくかった。故障でレースに遅れるとかライダーにとっては絶対に避けないといけないですから。

藤井:トイファクトリーはフィアットプロフェッショナルの正規ディーラーですので、お客様にはそのへんは安心して購入していただけると思います。

画像1: ヨーロッパの文化を日本にも

藤原:ヨーロッパでデュカトに乗っている人たちを見て感じたのは、”時間リッチ”な生き方をしているなということです。バイクだけじゃなく、自転車やサーフボードを積んでいたりして、レースのついでに別の趣味も楽しんで帰るような使い方をしている。もちろん、働き方などの違いもあるのでしょうが、スペース的な余裕が段違いなのでレースを走った翌日は家族とキャンプを楽しんだりとか、余裕を持った遊び方ができるのではないでしょうか。

藤井:走りの面でも余裕があるんですよ。パワーがあって、高速での安定性も高いので巡航できるスピードが国産のバンとは違うし、長距離を移動しても疲れない。私たちもハイエースを散々いじってきましたが、足回りを全部やってアンダースポイラーを付けてもなかなかこのレベルにはなりません。しかも燃費も良くて15km/Lくらい走ります。

藤原:それはありがたいですね。

画像2: ヨーロッパの文化を日本にも

藤井:これは私の考えですが、ハイエースが好きな人はデュカトが好きになると思います。サイズが大きいと言われることもありますが、100系ハイエースが200系になったときも「あんな大きいの乗れない」という声を聞きました。でも、何年かしたら皆んな200系に乗り換えていましたからね。デュカトはコインパーキングにも入りますし、見切りもいいので乗ってみれば困ることは少ないはずです。ライダーの人にもどんどん乗ってもらいたいので、藤原選手にも色々アドバイスいただければと思っています。

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