文・写真:河野正士
4組のカスタムビルダーがBMW「R 12」を思い思いにカスタム!
BMW 「R 12 CUSTOM PROJECT」とは?
R nineTからR 12へと、BMWモトラッドのヘリテイジ・ネイキッドモデルがモデルチェンジしたことを受けてスタートした、カスタムバイクを製作するプロジェクト。
R nineT発売当初も、日本のカスタムビルダーを集めたカスタムプロジェクトが発足し、そのプロジェクトのユニークさや、完成車の独創性と完成度の高さは世界を驚愕させた。「R 12 カスタムプロジェクト」は、R 12ベースにした世界初のカスタムプロジェクトでもある。
日本から発信するカスタムプロジェクト
いまから約10年前、「R nineT」をベースに、メーカーがカスタムバイクビルダーに依頼してカスタムバイクを製作するという、前代未聞のカスタムプロジェクトが発表された。そのプロジェクトがR nineTの好セールスのきっかけとなり、またBMWモトラッドのブランドイメージを大きく変えることに成功。日本発信のプロジェクトで、日本市場の存在感を高めた。
今回の「R12 カスタムプロジェクト」は、BMWモトラッド・ジャパンが仕掛けた次なるプロジェクトというわけだ。
新ヘリテイジモデルの可能性を探る
BMWモトラッド・ジャパンとカスタムバイク雑誌がタッグを組んで、ハマンズ・カスタム、ムーンアイズ、トライジャ・カスタムモーターサイクル、千里浜サンドフラッツの4組のカスタムバイクビルダーおよびコミュニティを選出。
2024年4月から国内発売がスタートした新型車である「R 12」をベースにカスタムバイクの製作を依頼し、スタイルやパフォーマンスにおいてR 12の可能性を探る「R 12 カスタムプロジェクト」がスタートした。
そして8月下旬、その完成披露会が開催された。これらのマシンは12月1日に横浜で開催される「第32回ヨコハマ・ホットロッドカスタムショー2024」にも展示される予定となっている。
BMW「R 12」カスタムマシン4台を紹介
HAMANS CUSTOM
ビンテージのハーレーダビッドソンのカスタムを中心に製作しているハマンズ・カスタムが製作した「El Viento(エル・ビエント)」。
クルーザールックとは言え、走りのポテンシャルも高いR12からインスピレーションを得てカフェスタイルを採用。燃料タンク、シートカウル、デュアルヘッドライトが収まるカウル&トップブリッジカバーなどすべての外装がハンドメイド。
外装類にデザインしたエッジにピンストライプを合わせシャープなスタイルに仕上げた。
MOONEYES
ヨコハマ・ホットロッドカスタムショーをはじめとする、国内外のカスタムカー&バイクカルチャーを創造してきたムーンアイズが手掛けた「Moon Arrow(ムーン・アロー)」。
ムーンアイズがプロデュースし、製作はケイティーズ・カスタムが担当。ムーンアイズの原点でもあるランドスピードレーサーを彷彿とさせるスタイルで、ムーンディスクと呼ばれるアルミ製のホイールカバーを前後にセット。外装類はすべてアルミで製作される。
TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES
ジキルアンドハイドの排気系パーツのほか、ハイクオリティなオリジナルパーツなどを手掛けていることでも知られるトライジャ・カスタムモーターサイクルズ。
「Legal Weapon R 12(リーガル・ウエポン)」というモデル名でも分かるとおり、この完成車のまま日本の車検をパスすることができるようにすべてが開発されている。
これまでいくつものメーカーがカスタムプロジェクトを展開したが、プロジェクト完成車両で車検をパスできるものは非常に少ない。今後、これら装着パーツが販売されるだろう。
CHIRIHAMA SAND FLATS
毎年9月に石川県にある千里浜なぎさドライブウェイで開催される、短いストレートのみで争われるビーチレース「千里浜サンドフラッツレース」をオーガナイズする千里浜サンドフラッツがカスタムを担当。
ビーチレースに参戦するスタイルを構築。前後ホイールはスタンダードをベースにしながらホイールカバーなどでスタイルアップを図り、フロンフォークの延長や、リアリジット化などでチョッパー的な要素も組み込んでいる。燃料タンクはシート下に移植し、スリムなスタイルを造り上げた。
文・写真:河野正士