電動キックボードに代表される小型モビリティだが、最近は「四輪原付」とも言える「ミニカー」にも注目が集まっている。 一般原付と自動車のいいとこどりを狙える電動ミニカーは、一人乗りモビリティの普及促進につながるだろうか。
レポート:スマートモビリティJP編集部
※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2024年4月30日に公開されたものを一部編集し転載しています。

「原付の維持費」×「屋根付きのクルマ」といういいとこ取りが可能!

前項にて「ミニカー」は道路交通法上は普通自動車、道路運送車両法上は第一種原動機付自転車として扱われると紹介したが、保険については普通自動車と第一種原動機付自転車のどちらで扱われるのだろうか。

結論としては、自賠責保険では車両区分について道路運送車両法を適用しているため「第一種原動機付自転車」として扱い、任意保険でもほとんどの場合「第一種原動機付自転車」として扱われるため、自動車税は3700円/年、かつ任意保険もファミリーバイク特約の対象になるなど、普通自動車と比較して維持費を安く抑えられることになる。(一部の保険会社では異なる可能性があります)

第一種原動機付自転車ミニカー軽自動車
運転免許原付免許普通免許普通免許
最高速度(一般道)30km/h60km/h60km/h
ヘルメット必要××
シートベルト××必要
二段階右折必要××
車検××必要
車庫証明××保管場所の届け出が必要
高速道路××通行可能
ファミリーバイク特約適用適用×
自動車税2000円3700円10800円
自動車重量税なしなし3300円(1年分)
自賠責保険(2年分)8560円8560円17540円
乗車定員1名1名4名
最大積載量30kg90kg(2021年に緩和)350kg

また、道路運送車両法上では原動機付自転車ということで、車検や車庫証明が不要で重量税もかからず、 道路交通法上は普通自動車に区分されるため、普通免許が必要な代わりに、二輪タイプの原付に存在している上限速度30km/hや二段階右折などの制約がないという、原動機付自転車の維持費の安さ自動車としての交通ルールの利便性を両立している。

ただし、自動車税額は第一種原動機付自転車と異なり3700円/年がかかることに加えて、道路運送車両法上では原動機付自転車扱いのため、高速道路や自動車専用道の走行ができない点には注意が必要だ。

こうしたメリットに着目して、KGモーターズの「mibot」(現在開発中、100万円以下が目標)やアントレックスの「EV- eCo」(65万円)など、ミニカー区分の電動モビリティが次々と登場している。

両モデルとも、家庭用のAC100V電源で充電できるためEV充電用の追加設備投資が不要であることも踏まえると、EVとしては初期投資・維持費ともに最安で乗れることになり注目度は高い。

画像: 左が「EV-eCo」で右が「mibot」

左が「EV-eCo」で右が「mibot」

コンパクトで1人乗りに特化したことで車両価格と維持費を抑えた「ミニカー」は “四輪版原付”として普及していくのだろうか。今後の展開から目が離せないモビリティと言えそうだ。

【主要諸元 KGモーターズ mibot】
全長×全幅×全高     :2450×1090×1500mm
最高出力        :5000W
航続距離        :100km
本体価格        :100万円(予定)

【主要諸元 アントレックス EV-eCo】
全長×全幅×全高     :2400×1125×1619mm
ホイールベース     :1610mm
重量          :310kg
最高速度        :50km/h
ブレーキ        :前後ディスクブレーキ
バッテリー       :鉛(60V・58.2Ah)
モーター        :590W
航続距離        :40km
充電時間        :8〜10時間
タイヤサイズ      :125/65R12
本体価格        :64万9000円

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