文:キャプテン・クルーザー/写真:森 浩輔
巷じゃ『レブル250』が人気らしいが……
ナイス トゥ ミーチュー!
俺の名前はキャプテン・クルーザー! 荒野の旅とアイアンホースをこよなく愛するカウボーイ(自称)だ。よろしくな!
なんでも今はホンダの『レブル250』っていう250ccクルーザーが人気なんだって?
アイツは確かにサイコーのバイクだぜ……クルーザーLOVEな俺は、このバイクが日本で発売になる前に本場アメリカで乗ったこともある。その時から『コイツはクルぜ!?』って予感がしてた。
でもな?
今日のターゲットはレブル250じゃないんだ……すまねぇ。いま俺が気になっているアイアンホースはコイツだ!
カワサキの『エリミネーター』を知ってるか? 俺はコイツが気になってる。
今回、乗ったのはその上級バージョンとなるエリミネーターSE。このSEっていうのは『SPECIAL EDITION』の略で、直訳するとスペシャルなエディションってことだ。わかるよな? つまりスゴいやつだ。
ツートーンの洒落たシートに、前後2カメラのドライブレコーダーやらUSBタイプC電源ソケットまで標準装備。まったく時代も変わったもんだぜ……
だが、俺が気になってるのはそこじゃない。
エンジンだ。
このエリミネーターっていうバイクはレブル250と違って400ccなんだが、排気量がデカいだけあってホースパワー(←馬力のこと)が半端じゃねえ。MAXホースパワーはなんと48馬力! レブル250が26馬力だからパワー差は歴然だろう?
※当記事内の「ホースパワー」は英馬力(hp)のことではありません
しかもな……このエンジン……
グリーンモンスターのカワサキがラインアップしている400ccフルカウルスポーツ『ニンジャ400』のエンジンをそのまま搭載してやがる……いいか? そのまま、だ。
ニンジャ400のエンジンパフォーマンスは2気筒エンジンながらMAXホースパワーの48馬力を10000万回転という高回転域で叩き出し、最大トルクは8000回転で3.8kgf・mで発生する。
400ccフルカウルスポーツとして十分と言えるスペックだろう。
それでな? 問題はここからなんだが、今回のエリミネーターは『エンジン本体』のスペックを見る限り、基本的にはニンジャ400と『まったく一緒』なんだ。クルーザー仕様としてファイナルギアがアレンジされているとは言え、
コイツはきっと……
バッファローだぜ?
ちなみにクルーザーにおいてパワーとは「ゆとり」であり「正義」であると俺は思っている。荒野を旅する時にゆとりがあるのに越したことはないし、パワーは単純に楽しいからな!
※画像はカワサキ公式HPより引用
だが不思議なことにカワサキの公式サイトではエリミネーターは「街乗りバイク」みたいなニュアンスで紹介されている。
フフン……そういうことか……だが俺はダマされねぇぜ。本当は『羊の皮を被ったウルフ』ってことなんだろう?
この俺、キャプテン・クルーザーが暴いてやるぜ。さぁ行こうか?
イッツ・ショウ タイム!
しかし、アンラッキーなことに今日は雨上がり直後(すこし小雨状態)で超バッドなコンディションだ。暴れ馬を御するには少々不安が伴う……
だが、そんな中でもエリミネーターのスタイルはクールすぎる。こいつはライダーが跨るとスタイルが完成するバイクだ。他とは違うと言うべきか……さすがはカワサキってところだろう。『排除するもの(=エリミネーター)』を名乗るだけはある。
ひとしきりショーウインドウに写り込む自分に酔った後にエンジンを始動。サウンドは思ったほど荒々しくはない。どちらかといえばジェントルだ。そうしてクラッチをミートさせ……
な……んだとッ!?
信じられねぇ。エリミネーターって『こう』なのか?
まさかの展開……裏切られた気分……だぜっ!?
(中編へ続きます)