文:キャプテン・クルーザー/写真:森 浩輔
400ccの『エリミネーター』には車検があるんだが……
我を忘れてヒートアップしちまったワインディングロード。
まさか400ccのアイアンホースにこれほど気持ちが昂るとはな。この俺(キャプテン・クルーザー)にも本当に予想外だった。街乗りやハイウェイじゃあんなに従順だったってのに……ホットだったぜ!
だが、クレバーに考えると……コイツは400ccだっていうことが気になるカウボーイ仲間もいるだろう。
つまり『車検』がある。だったら250ccのほうが……そう考えるのだって正しいと思うぜ?
ただ、きちんと『伝えておかないといけないこと』があるんだ。
それはワインディングでの熱い時間の後のこと。俺は火照ったハートをクールダウンさせるためにシーサイドラインをクルーズしていて思ったんだ。
コイツ……乗れば乗るほどにジワるな、と。
巷にあふれるポピュラーな250ccアイアンホースとは明らかに違うスタイル。それこそ『他と同じでは満足できない』というカウボーイ(←バイク乗りのこと)たちのハートを満たしてくれることは間違いないだろう。
バイクを停めて、レストタイム。
そのたびに愛馬を愛おしく思う気持ち。眺めていると、そういうものが芽生えてくる……
そして、ハイウェイや街乗りで魅せたコンフォートさはツーリングシーンでもライダーを優しく包んでくれるんだ。
エンジン回転数は5000回転以下。そこで走るエリミネーターはエンジンも足まわりも、見た目をも完全に裏切るほどパーフェクトに『クルーザー』だった。だからロングライドでも疲れない。
っていうかよ……やっぱりアイアンホースに跨ったら、俺たちは旅に出るだろう?
エリミネーターは初めから言っているとおり第一印象としては極めてスムーズだ。逆にいえば強烈なインパクトは薄い、と言えるかもしれない(←見た目は除く)
だが、ハイウェイを超えてワインディングロードを駆け抜けてきた俺にはわかる。そのスムーズさは『長い距離と時間を走るためのもの』だってことが。荒野を旅する相棒としての性能が与えられているんだ。
そしてこの余裕は……250ccクラスには絶対に真似できない。
そのうえで、どこまでも伸びていくようなクルーザーらしからぬエンジンフィール。コイツも個性だと思う。
日本の道路でそれを味わえるシーンは限られるが、5000回転から上の世界はもはやクルーザーのものじゃない。それを味わったら……ちょっとヤバいぜ?
そんな魅力がエリミネーターにはある。
だけどな……そうじゃないんだ。
乗れば乗るほどにエリミネーターは『良さ』がどんどん見えてくる。快適さも走りのパフォーマンスも飛び越えてジワジワと『好き』の気持ちが大きくなっていく。
最初に言ったとおりエリミネーターは400ccだから車検もあるし、それに付随する手間もかかるのは事実だ。
でも惚れちまったら、そんなことはどうでも良くなるのがライダーってもんだろう? いつだってバイク乗りは『ラブ イズ ブラインド』なんだから。
だから、ひとつだけ言っておく。
コイツには『ポリシー』を持って乗ってくれ!
もし250ccと迷う気持ちがあるなら、選ばないほうがいい。
だがそれを超えた先で、燃え上がる熱いパッションが消えないなら……
『オマエしかいないんだっ!』って思えるなら!
その先には400ccでしか、エリミネーターでしか味わえないワールドが待っている。それだけは自信を持って言えるぜ!
もし気になるならレンタルバイクでも何でもいいから試しに乗ってみるといいだろう。その時はすこし長い距離を走って、じっくりとエリミネーターと語り合ってみてほしい。
そしてどこかで、すこしだけアクセルを大きめに開けて突き抜けるエンジンフィールを味わってみてくれ。
その時、気持ちが加速する……飛ぶぞ!!!