文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
形状・素材にこだわり抜いたKADOYA×RIDEコラボウォレット
仕上がりはもちろん、使いやすさにもこだわっています
オートバイユーザーだけでなく、様々な人が普段から毎日使う、使って欲しいという思いを込めたウォレットは、パッと小銭が出しやすい作りやカード入れ、ポケットからハミ出さないサイズ感など使い勝手にも拘った仕上がりに。
表面にはカドヤのコーポレートマークとRIDEロゴを組み合わせたスペシャルな刻印が施され、内部にはゴールドで刻印。ステッチやファスナー、化粧箱など細部までこだわり抜いた仕上がりとなっている。
カドヤが作り上げるアイテムなのだから使用する素材、使われる革にも拘っている。すでにカドヤ製のレザージャケットを愛用しているというユーザーさんには是非とも使って頂きたい。
KADOYA×RIDE ウォレットについてカドヤスタッフ・長尾さんにインタビュー
月刊誌で100号、別冊付録で100号続いたRIDEを記念するSPコラボアイテム
今回のコラボについてお話しを聞いたのは、近年のカドヤブランドを支えるスタッフの一人でもある長尾さん。長尾さんは大人気のバッグブランド「BROSKI AND SUPPLY」とコラボした「METIN BACKPACK」の立案者。
「東本先生はもちろん、多くの読者の皆様が弊社の製品を愛用してくださっており、2024年春にRIDEが別冊付録としても100号を迎えたということもあり、何か記念にコラボアイテムが作れないか、と思ったのがきっかけです。
今回のウォレットのベースとなったのは百貨店バイヤーからも信頼の熱い、財布ブランド様のラインナップがベースとなっており、素材にはカドヤの革、そしてRIDEロゴをあしらったコラボアイテムとなっています。カドヤではメディア様とのコラボというのは久しぶりの試みでした。
ひとつの本が100号まで続けられたというのはとても素晴らしい、すごいことだと思います。今回の
ウォレットをきっかけにRIDEの新しいカタチ、ステップとして100個のコラボアイテムが出せたらな~なんて勝手に考えてます(笑)」とウォレット製作の意図や夢のようなお話しもいただきました。
ウォレット以外はまだ真っ白なキャンバスを広げたばかりですが、読者の皆様、RIDE愛好家の皆様に喜ばれるプロダクトをカドヤさんと提案しますのでお楽しみに。
カドヤならではのこだわりの革
今回使用される素材、カドヤこだわりの革についてもお話を聞いてきました。(以下、長尾さん)
「ウォレットボディの革は、カドヤヘッドファクトリー(浅草本社工場)製のレザージャケットにも使用されているヴィンテージステアを使用しています。一見ただの黒い革と言ってしまえばそれまでなのですが、他にはない、皮革好きを唸らせるこだわりの風合いを実現することに成功しています。
このヴィンテージステアは、化学薬品を使用したクロムなめし革の耐久性や柔軟性に富んだ性質に加え、あえてクロム成分を半分除去した後にコシの強さと独特のきしみ感のある植物タンニンなめしを施し、仕上げに少量のオイルを含ませるといった多工程製法となっており、気兼ねなく使用できる高い信頼性とステア(去勢された牡牛)原皮の持つワイルドさを楽しめるはずです。
仕上げのオイル追加によるコンディショニングにより、重厚な中にも程良い柔軟性を持つので、植物タンニンなめしのレザーウォレットと比べ手馴染みが良く、使用にあたってのハードルはかなり低いと思います。
ウォレットという性質上皮革を使用するパートが多く、本来ならば厚さや重量に影響が出るものですが、緻密な表面繊維&表情をしっかり残し適度な革の厚みに調整しているので、システムを考えるとトータル的に薄く、ビジネススーツでも使用できるほど日常使いにも適した軽さに仕上がっています。
カラーはブラック単色ですが、植物タンニンなめし革と相性の良いアニリン染料を用いりコート材で仕上げるので、深く透明感があり、光の入り方や屈曲で様々な表情を見せてくれるのも楽しみのひとつかもしれません。
今回、通常の製品と異なる最大のポイントといえるのは、生体時の傷やシワ等が入った部位も敢えて使用し、革(なめし工程を経て皮が革になります)が皮であること、命のあった自然由来のものであることを再確認出来るアイテムにしました。表面の端から端まで全域に渡りクオリティが均一化された工業製品と異なる皮革には、傷跡や血管跡、シワや虫食い跡等々があり、通常製品では省かれる部位がかなりあるのです。
しかし、このコラボウォレットには、それぞれ世の中に一つしかない表面表情と捉え、生体時の傷等の部位を使用したいと考えました。もちろん、全てに傷等があるワケではありませんが、そういった部位があった場合は、「世界に一つの表情」や「唯一の個性」と受け止め愛用いただきたいです。
熟練のライダーだからこそ理解が得られると信じ、新しいお供に選んでいただけたら幸いに思います」
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍