KTM AGは27日、自主管理による法的再建手続き(※)の申請を2024年11月29日に行うと発表しました。この決定は、高額な資金調達要件と暫定融資の確保困難が背景にあります。申請は、KTM AG、KTM Components GmbH、KTM F&E GmbHを対象とし、KTMは90日以内に債権者との再編計画合意を目指しています。
再編計画による生産規模の縮小により、在庫を2年かけて段階的に調整、これにより2025年と2026年にオーストリア拠点の営業実績が合計10億ユーロ以上減少する見込みとなっています。また2024年度にも高額の純損失を予想しており、必要な減損(資本化開発費など)や人員削減費用などの一時的な費用、ならびに営業実績の低下による固定費の不足、および再編プロセスから生じるその他の費用などが要因となっています。
※自主管理による法的再建手続きは日本の法律で規定されている破産とは異なります。破産とは、債務超過や支払不能に陥った債務者が、裁判所の清算手続によって財産を換価処分し、債権者に配当することで債務を整理する法的手続きにあたり、今回の手続きは破産には該当しません。
KTM AGのCEOであるステファン・ピエラは「過去30年間で、私たちはヨーロッパ最大のモーターサイクル・メーカーに成長しました。我々の製品は、世界中の何百万人ものライダーを元気づけています。そして今、私たちは未来に向けてピットストップしています。KTMブランドは私のライフワークであり、私はそのために戦います」と力強いコメントを発表しました。
KTMジャパンの広報担当増岡氏によれば「この件について、日本のKTMジャパンの活動、およびKTMグループブランド正規ディーラーの活動には今のところ影響はありません。部品や車輌も継続して供給されます」とのことです。