見るからに本格派の『Vストローム800DE』が実はツーリングにいちばん優しい
ここ数年のスズキは本当に毎年、目が覚めるようなニューモデルラッシュです。
新型『隼』が登場した2021年あたりからでしょうか……GSX-S1000シリーズが大刷新され、カタナまで復活。その後にはエンジン&車体ともに完全新設計の800シリーズの投入。さらには今年2024年に400ccモデルを発表しています。
そして、ここまで毎年猛ラッシュを繰り出されると我々『スズキのバイク!』としては若干の悩みが出てくるんです。
その悩みとは『気に入ったバイクを深く掘り下げられないこと』でして……私(北岡)は昨年2023年の「スズキ個人的ベスト3」の2位にVストローム800DEをランクインさせているにも関わらず、2024年が終わろうとする今日まで1回乗っただけに留まっています。
もう一度乗りたい! と思っていても、その前にまたすごい新型が出てきちゃう。でもって、そちらを優先せざるを得なくなる訳です。贅沢な悩みですが。
ですが、こうして新型800シリーズが出揃い、4モデルすべてに乗れたことによりひとつの結論を得ました。
基本的にツーリングが趣味のいちライダーである私として言います。
新型800ccシリーズで実はいちばん普通のツアラーとして乗れるのは、ダート走行ガチ勢にしか見えない『Vストローム800DE』である、と!
みなさまもご存じのとおりですが、Vストローム800DEはラフロードの走りを重視したフロント21インチホイール装備のリアル・アドベンチャーバイクです。
現在のスズキバイクラインアップにおける未舗装路の走破性能にかけては(新発表DR-Z4Sを除く)Vストローム250SXか、この800DEか……ということになると思っています。
250ccで軽量コンパクトな250SXのほうが有利でしょ? と思うかもしれませんが、Vストローム800DEは実際に乗ると「なんだか250cc気分でダートを走れる」という恐るべきバイクなので……
Vストローム800やGSX-8Rと比べてみると……
でもここで『いやいやキャストホイール仕様のVストローム800のほうが快適でしょ!?』とか『GSX-8Rはツーリングも得意だって聞くけど?』と思う人がいるでしょう。
だがしかしっ!
ダマされてはいけません。実はやつらこそが……ガチ勢だ!
まず最初にフロント19インチ&前後キャストホイール仕様のVストローム800ですが、このバイクこそ峠においては『刺客』そのものです。
私の脳内バトルでは自分がリッタークラスのバイクに乗っていても、Vストローム800に背後からやられるイメージしか持てません。まさしくリッターキラーというに相応しいツーリングバイクに見せかけた戦闘機です。
まぁ実際、ツーリングも快適なんですけどね……
お次はGSX-8R。
セパレートハンドルだけどライディングポジションは優しくて、コンパクトで扱いやすさも抜群のフルカウルスポーツですが、私的に8Rの正体は『自分の全力の8割のペースで延々と峠を走り続けられるナンバー付き耐久マシン』です。
ここで言う『全力』とは自分がサーキットなどで特攻をかけるレベルのペースのことを指しています。
言うなれば『ワインディングの鉄人』といったところ。
あ、ちなみにネイキッドGSX-8Sもありますけどね……あれはヤバいやつなので除外してます。
(下に続きます)
それらに比べて……という見方をすると『Vストローム800DE』は優しさの塊のように感じられるんです。
オフロードに突撃すれば別の顔を見せますが、普通にオンロードを走るぶんにはシリーズ中でいちばん安心感があって長距離で疲れないと思う。
なぜそうなるかって?
その理由をこの後の続編でご説明差し上げます……きっとご納得いただけるはず!