完全にバイクを走らせる環境じゃなかった……
無駄を削ぎ落した125ccのピュアスポーツ『GSX-R125』に跨り、すっかりタルんだ自分を鍛えるため真冬の早朝に朝駆けを敢行!
この修行の果てに、私(北岡)は生まれ変わるのだッ!
そう意気込んで出かけたワインディングロード。さすがに冬だし寒いねぇ。指もかじかんで痛いし。何を好きこのんで朝からこんなところにいるのやら……
なんて考えつつも、バイク乗りってのはおかしなもので『普通ならやらない行為』にすこしテンションは高め!
バイクって本当に不思議です。一般的に考えれば楽しい要素が何もない気がするんだけど、なぜか気分的に楽しい(笑)
しかし……
これは流石に無理じゃねぇ?
冬の峠の現実を突きつけられました。幸い天気は快晴で路面凍結のような雰囲気は感じなかったんですが、相手は追い込むとシビアなコントロールを求めてくる『GSX-R125』です。タイヤが温まるもへったくれもありません。
自販機で買った缶コーヒーを片手に軽く絶望……
それにしてもGSX-R125よ……キミはカッコいいな。
機能美の塊というか『本物のスポーツバイク』としての貫禄みたいなものすらある……私はこれをワインディングで乗ってる人を見ると、いつも『アイツはきっと手練れに違いない』と思ってしまいます。
だって、このバイクを選んだという時点で「わかってる人」っぽい感じがするじゃないですか。
さておき、とりあえず冷えた身体をほぐす&温めるために準備体操など。すこしでも路面温度が上がるのを待つため……という狙いもありましたが、そんな簡単に冬の峠は気温が上がったりしません。
コーヒー飲んだら、帰ろうかなぁ……
それでもいい気がするけど、せっかく来たしナァ。環境的に『修行』は無理な気がするけど、様子見でちょっとだけ走ってみるか!
ただし、あくまで様子見。さすがにスポーツバイクで思い切り走れる環境じゃないことは重々承知で走り出します。
みなさんも冬に走るときは気を付けてください。タイヤが性能を発揮できない状態というのは本当に恐ろしいものですから……
よし、ソロリと行ってみるか!?
うーん……さすがにタイヤの接地感が希薄。希薄っていうかほとんど感じられん(笑)
これはGSX-R125のせいではありませんが、バイクを寝かせること自体に気持ち的な抵抗があるような状態です。この寒さじゃ仕方ないよねぇ……
だけど、あれぇ?
GSX-R125ってこんなに『しっかり感』があるバイクだっけ?
タイヤの性能を頼れない環境だったこともあり、体内のスズキセンサーの感度をMAXに引き上げてリスクヘッジしながら走っていたのですが……逆に車体全体の剛性感がいつもより鮮明に感じられるような?
バイクは深く寝かせられないけどブレーキも加速も『大丈夫!』って感じられる……ひょっとしてコレ、わりとイケるんじゃないの!?
こういうところでGSX-R125の『素性の良さ』を感じます。
GSX-R125のフレームはガチガチ系ではなく、どちらかといえばしなやかなタイプだと個人的には感じているのですが、それもあってライダー側へのインフォメーションがたくさん感じられます。私的には「これ以上は危ないよ」をバイクが教えてくれることがありがたい。
シンプルなバイクだから、ひとつひとつのパーツの性能、あるいは設計の『技術』が如実に出るんでしょうね……そこにおいてGSX-R125には「手抜き」が感じられません。
(下に続きます)
タイヤや路面温度とは要相談な感じだけど、これなら走れる!
なんならワインディング貸し切り状態だし!(←寒すぎて誰も来ない)
諦めかけていた気持ちを切り替え、自分自身を再起動。しかし、数多の苦難がその先には待ち構えていました。
特に大型バイク乗りの人は【続編】を是非お読み頂けると面白いかもしれません……