以下、文:ノア セレン/写真:関野 温
ホンダ「GB350 C」VS ロイヤルエンフィールド「クラシック350」|深堀りチェック
1.ホイール
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(左)GB350 C|(右)クラシック350
ルックスのスポークか、性能のキャストか
2台ともタイヤサイズは全く同じ。ただロイヤルエンフィールドのスポークに対してGBはキャストホイールだからパンク問題を考えるとGBが有利かも。
ハンドリングは2台とも質量があって若干切れ込み傾向があるけれど、尻ステアリングを理解すればそれもナチュラルに感じられる。タンク容量はGBが2L多い15Lだからツーリングに有利か?
2.フレーム
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クラシック350
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クラシック350
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GB350 C
ダブルクレードルかと思いきや違った! 独特なフレーム哲学は整備性優先か?
ロイヤルエンフィールドは車体づくりにフレーム制作で有名な「ハリス」とタッグを組んでいる。へ〜ぇ、だからGBはセミダブルクレードルなのに、ロイヤルエンフィールドはダブルクレードルにこだわっているのかなぁ? なんて思っていたら違うじゃないか! エンジン前方部分でダブルクレードルが寸断されてる! こんなの見たことない。
ダウンチューブが途中でエンジンへのボルト締結となってるのは、エンジンを真下に降ろしやすくするためでしょう。それでいてちゃんと強度を出すためのダブルクレードル形式なんだろうな。
さらにネック部は外側からガセットが追加されているので、ここもすごい剛性。これがハリス流か? またピボット部からリアまわりも独特な高強度フレームワークを採用。重量物の積載やタンデムを考慮しているのか? ただ各部の溶接痕や塗装はGBの方が上質。
【ノア セレンが選ぶ2台の“極品” ポイント】
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GB350 C
同じロングフェンダーでも、細部に宿るジャパン・クオリティ!
ディープフェンダーはオシャレアイテムでもあるんだろうけど、実用的にバイクに乗る僕からすると「雨の日は良さそうだな」と、本来の「ドロヨケ」としても好印象。アクスル部のチェーン引きもしっかりした作りで高級感アリ。細かいところは「さすがホンダ!」。
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クラシック350
重量増をいとわない各種の便利装備品
センタースタンドを立てやすいように、わざわざハンドルをつけてくれるなど使い勝手の配慮も素晴らしいロイヤルエンフィールド。またセンスタがとっても軽いのも素晴らしい! 堅牢なステー類は荷物の積載にも便利だろう。
ホンダ「GB350 C」VS ロイヤルエンフィールド「クラシック350」|総合評価
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どっちを選んでもOKだけど、ホンモノはどっち~??
味わいと抑揚のロイヤル、どこまでも優等生のGB
例えば竹細工とか、染め物とか、そういった「手仕事」って今でもあって、そこには独特の良さがあるでしょ。商品としては必ずしも量産品に敵わなかったり、バラツキがあったりもするけれど、そこには作り手による味わいがあって、そうなるとそれは「商品」ではなく「作品」となっていくと思う。この2台に乗ってそんなことを思いました。
GBはどこまでも優秀でスキのない「商品」、ロイヤルエンフィールドは作り手の顔が見えるような「スキ」がチラホラ見えるけど、それも良さとして受け止められるレベルにちゃんと完成された「作品」。そのニュアンスを理解し、楽しめるかどうかが2台を選ぶポイントになると思いますね。
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Honda GB350 C
重量増によるものなのか規制対応によるものなのか、エンジンは非常にマイルドで、ロイヤルエンフィールドと比べるとパンチも爽快感にも欠ける感はあった。マフラーは上質でいて静か、ハンドリングも上々。優等生だよね。
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ROYAL ENFIELD CLASSIC 350
実力ではGBに譲ると思うけれど、それでもエンジンの肌触りはより活発で楽しかった。マフラーは深い鼓動感の中に破裂音が混じるタイプ。ブレーキレバーが太くて握りにくいからブレーキが上手くかけられないのが△
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ホンダ「GB350 C」VS ロイヤルエンフィールド「クラシック350」|スペック・燃費・製造国・価格
GB350 C | クラシック350 | |
全長×全幅×全高 | 2205×790×1105mm | 2145×785×1090mm |
ホイールベース | 1440mm | NA |
最低地上高 | 165mm | NA |
シート高 | 800mm | 805mm |
車両重量 | 186kg | 195kg |
エンジン形式 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 | 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 348cc | 349cc |
ボア×ストローク | 70.0×90.5mm | NA |
圧縮比 | 9.5 | NA |
最高出力 | 15kW(20PS)/5500rpm | 14.9kW(20.2PS)/6100rpm |
最大トルク | 29N・m(3.0kgf・m)/3000rpm | 27N・m/4000rpm |
燃料タンク容量 | 15L | 13L |
変速機形式 | 5速リターン | 5速リターン |
キャスター角 | 27°50′ | NA |
トレール量 | 120mm | NA |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク | シングルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-19・130/70-18 | 100/90-19・120/80-18 |
乗車定員 | 2人 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 38.6km/L(クラス2-1)1名乗車時 | NA |
製造国 | 日本 | インド |
メーカー希望小売価格 | 66万8800円(消費税10%込) | 69万4100円~72万8200円(消費税10%込) |
文:ノア セレン/写真:関野 温