談:Ruriko/写真:Ruriko、webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼
オートバイ女子部
兼、ツーリング宿泊アドバイザー Ruriko
スズキ・ハヤブサやトライアンフ・デイトナ675を乗り回し、バイク旅系YouTuberとして活躍する一方、webオートバイの生配信の裏方や動画制作などを担当。
今回は特別に、“ツーリング宿泊アドバイザー”として、「宿泊施設のちがい」や「選び方」を案内する。
宿選びのススメ|Rurikoに聞く、宿泊施設のちがいと選び方
ススメ1.宿泊のきほん
──Rurikoさんがいつも宿泊している施設は?
Ruriko 基本的には皆さんもご存じの通り、駐車場がある場所であればどこでも宿泊できます。キャンプをされる方であれば、バイクの乗り入れが可能な場所が良い、とか、いろいろあると思いますが、私の場合は宿泊施設に泊まることが多いので、ここでは「ビジネスホテル」「ライダーハウス」「ゲストハウス」を挙げておきたいと思います。
温泉旅館に泊まる場合もありますが、それはどちらかというと、「その旅館目当てのツーリング」ですから、ここでは紹介しません。
──宿には基本停泊? それとも都度変える?
Ruriko 行きたいスポットをピックアップしてから宿を決めるので、基本は1泊したら次の目的地まで行って、そこに近い別の宿に泊まります。
ですが、雨が降っていたり、いくつかの目的地の中心地で宿が見つけられた場合は、2~3泊、最大5泊ぐらいするときもありましたね。荷物が多いので、できることなら移動は控えたくて(笑)。
同一県内のスポットを巡るツーリングであれば、訪れたい各所の中間地点の宿を探してみるのもアリかもしれません!
──1回の宿泊費用はだいたいどのくらい?
Ruriko 場所とか時期にも寄るんですけど、素泊まりでだいたい3000円~8000円の範囲で探しています。週末だと、どこも料金が上がってしまうので、そういったときこそ、ビジネスホテルよりも安価なライダーハウスやゲストハウスに泊まってコストを抑えたりしています。
ススメ2.「ホテル」「ライダーハウス」「ゲストハウス」のちがい
──ライダーハウスとゲストハウスは何がちがう?
Ruriko 設備的には、どちらもほとんど同じだと思います。ゲストハウスの中で「ライダー歓迎だよ!」ってなったのが「ライダーハウス」と呼ばれているだけで。ライダーズカフェに近いイメージですね。
ただ、ゲストハウスと違ってライダーハウスは間違いなくバイクの駐車場が用意されています。屋根付きのガレージに停めさせてもらえることも多く、何かとバイク乗りにやさしい場合が多いです。宿泊するお客さんもバイク乗りが多いので、話が合いやすい、というのも特徴ですね。
──ビジネスホテルとライダーハウス(ゲストハウス)は何がちがう?
Ruriko ライダーハウスはビジネスホテルに比べて宿泊者同士が共用で使うスペースが多いです。例えば、お手洗いやお風呂、洗面所なんかは、ホテルだと各部屋に設置されていますが、ライダーハウスでは宿泊者同士が譲り合って使います。シェアハウス的なイメージですね。ですから、お値段はライダーハウスの方がホテルよりもリーズナブルな価格に設定されていることがほとんどです。
また、寝室が個室のライダーハウスもありますが、ドミトリーといって、ひとつの大部屋にベッドがいくつも並んでいて、そのベッドの上が自分のテリトリー、みたいな場合もあります。ドミトリーのときは、自分の区画をカーテンで仕切ることができることが多いので、それでプライベートを確保します。
(ちなみにドミトリーって2段ベッドが多かったりするんですけど、私は出入りがラクな下の段を積極的に選んでいます!)
ビジネスホテル | ゲストハウス・ライダーハウス | |
---|---|---|
料金(素泊まり) | 平均6000円 | 平均3000円以下 |
駐車場 | △ | 〇(ゲストハウスは△) |
WiFi | 〇 | △ |
お風呂 | 〇 | ✕(シャワーのみの場合が多い) |
アメニティ | 〇 | ✕ (タオルや歯ブラシもないので注意) |
洗濯 | 〇 | △ |
交流 | ✕ | 〇 |
プライベート | 〇 | △ |
ススメ3.宿泊施設を選ぶときのポイント
──「ホテル」「ライダーハウス」「ゲストハウス」の選び方は?
Ruriko 一番は予算です。1泊2日のツーリングであれば大した差にはならないかもしれませんが、はじめて長期間旅に出たとき、ライダーハウスの存在を知らなかったので、すべてビジネスホテルに宿泊していたんですよ。それがまあ、いま考えるととんでもない金額になってしまって(笑)。
ライダーハウスってとってもリーズナブルで、その地域のビジネスホテル相場の半額くらい、3000円以下とかで泊まることができるんです。ですから、なるべくライダーハウスに泊まりたいんですよね。
あとは、翌日の目的地との兼ね合いやその日の疲れ具合によって決めています。
ライダーハウスって、あまりアクセスの良くない場所にあったりするので、翌日目指すポイントまでちょっと行きにくい場合も多いですし、疲れたからゆっくり湯船に浸かってリラックスしたい! なんていうのも叶わないんですよね。
そういうときは、ちょっと高いお金を払ってでも、ビジネスホテルに宿泊しています。結果、1カ月旅の場合だと、だいたい半々ずつくらいの割合で、ビジネスホテルとライダーハウスに泊まっていますね。
Ruriko流・「ホテル」「ライダーハウス」選び方の指針
ビジネスホテル
・疲れている時
・湯船に浸かりたい時
・洗濯物をしたい時
・PC作業をしたい時
・ひとりの時間を過ごしたい時
ライダーハウス
・リーズナブルに泊まりたい時
・人と話して、地域の情報を収集したい時
──事前に確認しておくことは?
Ruriko ライダーハウスは問題ありませんが、ビジネスホテルとゲストハウスはバイクが停められるのかを確認しておいた方が良いです。
あと、どこに泊まる場合でも、周りに飲食店やコンビニエンスストアがあるかどうかは調べておくべきですね。施設に到着したあとはしっかり休みたいので、近くにお店がないときは再びバイクに乗らなくても良いように、予め夕食を済ませておくとか、必要になりそうなものを買っておくとかしています。
あと、ロングツーリングに限ってなんですが、宿泊施設に乾燥機能付きの洗濯機があるかどうかも調べておきましょう。コインランドリーに行くのもひとつの手段ではあるんですけど、宿で休んでいる間に洗濯を済ませておいた方が効率的じゃないですか。先に話した通り、ライダーハウスは多くの場合、洗濯機が使えませんし、仮に洗濯機があっても濡れた服を干す場所がないんですよね。ですから、3泊〜4泊に1回くらいのペースで、乾燥機能がついた洗濯機があるビジネスホテルに泊まるのが良いと思いますよ。
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冬場は温泉のある宿に泊まるべし!!
Ruriko 冬場のツーリングって、どんなに防寒対策をしていてもやっぱり寒い! 長距離移動と寒さのせいで、疲労がダブルパンチで溜まります。
そんなときは、お風呂でゆっくり湯船に浸かってホッと一息つくのが一番! なんですが、ライダーハウスやゲストハウスでは、おおかたシャワーしか浴びることができません。近場に銭湯がある場合もありますが、バイクに乗らないといけない距離だったりすると、せっかく身体が温まっても湯冷めしてしまいます。
ですから、冬場のツーリングはホテルや温泉旅館に宿泊するのがおすすめ。もっと言うと、数週間~1カ月規模の長期の旅は控え、2泊3日くらいで温泉を楽しみつつツーリングをするプランがおすすめです。
──ライダーハウスに宿泊するときに確認しておくことは?
Ruriko ライダーハウスって、個人的な最初のイメージは「大部屋にみんなで雑魚寝」だったんです。さすがに見ず知らずのひとと一緒に寝るのはちょっと……でもお値段はホテルに比べて断然安いし……と思って探してみたら、個室で寝られる場所もたくさんあるってことを知ったんです。
旅慣れてきた今でこそ、ドミトリー式のライダーハウスでも不安なく過ごせますけど、はじめてで心配な方や、周りの人の生活音が気になる方は、個室があるライダーハウスを探してみてください。探せば結構多いんですよ!
あと、ドミトリー式でも、男女がしっかり分かれているかどうかは確認した方が良いかもしれません。私は個室が第一希望で、ドミトリーならできるだけ男女別のところに泊まるようにしています!
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雨の日は屋根のある駐車場を選んで!
Ruriko 雨予報のときの宿泊場所は、できるだけ屋根の下にバイクを停められる宿泊施設を選ぶのがおすすめです。 一見、屋根のところに停められそうだな、と思っても、確認してみないと本当にその場所に駐車できるかはわからないので、電話で問い合わせてみるのが手っ取り早いかもしれません。
(個人的観測ですけど、ホテル・ルートインは、比較的屋根の下に停めさせてもらえる率が高い気がします……!)※あくまでも個人の経験によるものです。
Ruriko ただ、近くに必ずそういった宿泊施設があるとは限りません。探したけど、屋根付きの駐車場がなかった……結果、バイクは野ざらし! なんてことにならないよう、持ち運べる「バイクカバー」を携行するのがおすすめです!
雨の日にバイクが濡れずに済むほか、人目も気にならなくなるので、いたずら防止だったり、ちょっとした防犯対策にもなりますよ。
談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼