ホンダの本社・青山ビル建て替えのため、2025年3月31日をもってHondaウエルカムプラザ青山が休館する。その最後のイベントとして、ウエルカムプラザ内にて39年の歴史を振り返る特別展示とビル建築ツアーが開催される。

青山本社ビルの建て替えに伴いクロージングイベントが開催

Hondaウエルカムプラザ青山が39年の歴史に幕を下ろす

ホンダ2代目の本社ビルとして東京都港区南青山に建てられた青山ビル。業務の効率化を図るため1985年に旧八重洲ビルから同ビルに移り、1階にはショールーム「Hondaウエルカムプラザ青山」が新設された。新製品の展示はもちろん、人と人とがコミュニケーションを取れる空間として運営されてきた。

2023年、同社は「イノベーションを生み出す変革と発信の拠点」としてグローバル本社としての機能を構築することを目指し、現ビルを取り壊し、新しいビルへと建て替えることを発表した。

これにより、1階のショールーム・Hondaウエルカムプラザ青山は2025年3月31日をもって休館する。2030年頃の新ビル完成まで、同ビルの従業員は東京都港区の虎ノ門アルセアタワーと埼玉県和光市のHonda和光ビルにて業務を行う。Hondaウエルカムプラザ青山に代わるショールームや、そこで行われてきたイベントの移行に関しては、現在検討中とのことだ。

画像: 青山本社ビルの建て替えに伴いクロージングイベントが開催

現ビルの取り壊し、Hondaウエルカムプラザ青山の休館に際して、現在クロージングイベントが開催されている。

Hondaウエルカムプラザ青山では、ビル創業年である1985年から現在までで注目を集めた同社製品を順次入れ替えつつ展示中。ニューモデルとあわせて、二輪・四輪の往年の名車が並ぶ特別な機会となっている。

2025年2月23日には「ホンダ青山ビル 建築ツアー」が開催される。

ビルの外観や内部のつくり・形状に配された工夫など、本社ビルの見どころを大阪公立大学の教授でもある建築史家・倉片俊輔氏が隅々まで解説してくれる。

普段見ることのできない応接室や備蓄庫なども案内してくれるほか、ウエルカムプラザで提供されている「宗一郎の水」を蓄える、地下3階の「ヒバの大樽」も見学できる。

ツアーは定員75名となっており、25名ずつ3部に分けて開催。参加費無料で、応募者多数の場合は抽選となる。申し込みはホンダのクロージングイベント特設サイトから、2月9日まで受付中。

ビルのつくりを知れば知るほど、創業者・本田宗一郎氏の「モノづくり」と同じ「人間尊重」の理念が感じられる。青山ビルを探検できる滅多にないチャンスであり、現ビルでの最後のイベントだ。

★ツアーの内容を一部を紹介

メディア向けの見学ツアーが2月5日に開催された。以下ではツアーで紹介された、青山ビルの見どころを一部紹介する。

画像: 丸みを帯びたビルの外装は車や人の見通しを良くするほか、心理的にゲストを迎え入れやすくする効果があるそう。歩道と敷地との境目がほとんどないのも同様の理由とのこと。

丸みを帯びたビルの外装は車や人の見通しを良くするほか、心理的にゲストを迎え入れやすくする効果があるそう。歩道と敷地との境目がほとんどないのも同様の理由とのこと。

画像: 万一窓ガラスが割れた場合、破片の飛散を防止するため、各階にバルコニーが設けられている。

万一窓ガラスが割れた場合、破片の飛散を防止するため、各階にバルコニーが設けられている。

画像: エントランスの前にある太い2本の柱は、円柱状ではなく小判型。これは、ビルの完成直前本田宗一郎氏が円柱状の柱を見て「権威の象徴に見える」と激怒したため急遽変更されたそう。

エントランスの前にある太い2本の柱は、円柱状ではなく小判型。これは、ビルの完成直前本田宗一郎氏が円柱状の柱を見て「権威の象徴に見える」と激怒したため急遽変更されたそう。

画像: 1階のHondaウエルカムプラザ青山では「宗一郎の水」を無料で飲める。気軽に出入りできる場所にしたいという本田宗一郎氏の想いから、地下にある「ヒバの大樽」に貯められた美味しい水が振舞われている。

1階のHondaウエルカムプラザ青山では「宗一郎の水」を無料で飲める。気軽に出入りできる場所にしたいという本田宗一郎氏の想いから、地下にある「ヒバの大樽」に貯められた美味しい水が振舞われている。

画像: 「宗一郎の水」を貯蔵しているのは、地下3階にある35トンのカナダ産ヒバの大樽。災害時に配るための飲料水としての役割も果たす。

「宗一郎の水」を貯蔵しているのは、地下3階にある35トンのカナダ産ヒバの大樽。災害時に配るための飲料水としての役割も果たす。

画像: 地下2階には、災害時に備え食料や飲み水などがたっぷりと蓄えられている。約1500人が3日間不足なく過ごせるだけの物資が常に備蓄されている。

地下2階には、災害時に備え食料や飲み水などがたっぷりと蓄えられている。約1500人が3日間不足なく過ごせるだけの物資が常に備蓄されている。

画像: 応接室は赤坂御所を望める景色の良い場所に位置。芸術に明るい藤沢武夫氏の意見が多く取り入れられ、柔らかなクリーム色やグレー、あたりの良い茶色が使われ、威圧感なく居心地の良い空間となっている。

応接室は赤坂御所を望める景色の良い場所に位置。芸術に明るい藤沢武夫氏の意見が多く取り入れられ、柔らかなクリーム色やグレー、あたりの良い茶色が使われ、威圧感なく居心地の良い空間となっている。

画像: 会議室に置かれているテーブルは、創業当時から使われているもの。奥に飾られている大きな額縁には、トーンの違う白色で描かれた現代アートが飾られている。これも藤沢氏のセレクトで「白はすべての原点」という考えから置かれているそう。

会議室に置かれているテーブルは、創業当時から使われているもの。奥に飾られている大きな額縁には、トーンの違う白色で描かれた現代アートが飾られている。これも藤沢氏のセレクトで「白はすべての原点」という考えから置かれているそう。

まとめ:大冨 涼

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