文:丸山淳大/写真:関野 温/モデル:せんちゃん
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年3月号に掲載したものを一部編集して公開しています。
実践! バイクスタンド活用術
機能的スタンドで気分もバイクもアガる!

昔々は原付からリッターバイクまで、ロードモデルならばほぼ間違いなく装備されていたのがセンタースタンドだった。しかし、現代のバイクは省略されてしまうケースがほとんどで、それを非常に残念に思っているのが、オートバイ編集部・ハチ黒のような首までどっぷり昭和に漬かりきったライダーである。
たしかにセンタースタンドはメンテナンスから荷物の積載時、駐車や保管のときにまで様々な場面で役立つのは間違いない。だが「センタースタンドが無ければデイトナのスタンドを使えばいい」と、私、マルー・アントワネット(丸山淳大)は提案したい。
デイトナには、後ろから前から横から真ん中からどうぞとばかりに、ありとあらゆるバイク用スタンドが揃っており、リアタイヤをちょっと浮かせてチェーンメンテをしたいという初心者向けから、レースでも使えるような本格的なものまで、よりどりみどり。
今回はメンテ超初心者のせんちゃんと共に、実際にデイトナのスタンドを使ってバイクを上げまくったぞ!

メンテスタンドを掛ける前にフロントブレーキのロックを忘れずに!
1.スイングアームを持ち上げてリアをかんたんリフトアップ(初級)

スイングアームを下側から持ち上げ、前輪とサイドスタンドの3点で車体を支えることでリアタイヤを浮かすことができる「イージーリフトアップスタンド」(下写真)。その名前通り力やテクニックが必要なく誰でも簡単に使えるので、初心者にオススメ!
チェーンメンテや洗車時に便利なのはもちろん、保管時にサイドスタンドと反対側にバイクが倒れるのを防ぐのにも役立つ。デイトナでは現在4種類をラインアップしており、予算や車両に合わせて選ぶことができる。

片方が正ネジ、もう片方が逆ネジになっており、真ん中の本体部分を回転させることで、全長が伸び縮みする。写真のラウンドタイプは260~370mmの範囲で可動する。

スイングアーム形状によって2種類を用意。ホンダ レブルなど丸パイプのスイングアーム用のラウンドタイプ(4950円)とその他、角スイングアーム向けのL字型(4620円)となる。

フロントブレーキをロックして、スイングアーム下にセット。あとは本体を回転させればリアタイヤが浮いてくる。あくまで簡易的なものなので、タイヤを外したりなどはNG。

通常タイプよりも上げ下げがもっと楽でスムーズなのが「イージーリフトアップスタンド べべルギアタイプ」(9790円)。275~340mmの範囲で伸び縮みする。

軽い力でハンドルをくるくる回すだけでスピーディに上げ下げできる。これにはせんちゃんも驚き! 4種のイージーリフトアップスタンドの中でも最も気に入ったそうだ。

イージーリフトアップスタンド2(4620円)は、本体が19mmの六角形状になっており、スパナで回せるし、本体穴にドライバーなどを挿して回すこともできる。

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デイトナ「イージーリフトアップスタンド」
2.車高の低いアメリカン専用スタンドもある!(中級)

車高だけでなくマフラー位置も低いアメリカンはスイングアームにかけるメンテナンススタンドが使えないことが多い。そこで役立つのが「アメリカン用メンテナンススタンド」だ。フレームのダウンチューブを下から持ち上げるので、非常に安定性が高く、重量車にも使える。
ただし、フレームより下にエンジンやマフラーが出ている場合には使えないこともある。高さは165mm~210mmまで15mm刻みに4段階調節可能でハンドルは取り外し式。価格は7700円。

車体を起こしつつスタンドのハンドルに体重をかければ重量級のハーレーをいとも簡単にスタンドアップできる。スタンド位置で前後どちらかのタイヤを浮かせられる。

デイトナ「バイク用メンテナンススタンド アメリカン専用」
amzn.to3.幅広い機種に対応するリアスタンド(上級)

リア用のスタンドを使えば車体を直立させられるのはもちろん、リアホイールが浮くのでチェーン調整やホイール脱着などもできる。
ただし、スタンドをかけるのは慣れが必要。デイトナのリアスタンドアジャスタブルIIIは豊富なアタッチメントが用意されており、車種や用途、作業レベルに合わせて選ぶことができる。
また、バイクを乗り換えて適合しなくなっても、愛車に合うアタッチメントを購入すれば、スタンド本体は使い続けられる。
原付二種モデルにはこっち!

リアスタンド アジャスタブル ミニ
税込価格:1万5400円
※写真下がミニ
amzn.toリアスタンドはミニ用もラインアップ。原付二種モデルはこっちを選びたい。アタッチメントによって対応幅が変わるが、L型で155~315mmのスイングアーム幅に対応。



選択したアタッチメントで使い方は大きく変わる
アタッチメントは最もベーシックなL型、スタンドフックボルト装着車用のU型、マフラーが低い車種用のオフセット型、スタンドがスイングアームから離れず、上げやすいバンド付きL型、バネクランプ機構付きのU型など多種多様。
それを受け止めるアームホルダーは良くある角パイプの溶接品ではなく、強度の高い鋳物となっており、コストや手間のかかる造り込み。スタンドアップ時の剛性感を生んでいる。


アタッチメントの高さは左右にあるボルト位置で調整
アタッチメントの高さは208~309mmの範囲で可動し、9段階に調整できる。高く上げれば整備しやすいが、それだけスタンドアップに力が必要となる。スタンド本体のカーブの部分にはスチールプレート補強が入っており、カスタムバイクっぽい見た目に昂ぶる。

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スタンドフックを掴んで固定するU型は一人でも扱いやすい
U型のアタッチメントは通常のタイプとバネクランプ式の2種類をラインアップ。バネクランプ式はスタンドフックを挟み込んでロックする構造で、一人でもスタンドアップしやすい。U型アタッチメント使用時はスイングアームに養生しておくのがオススメ。

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バンド付きL型アタッチメントならスイングアームに固定できる
L型のアタッチメントにゴムバンドを追加した初心者向けのアタッチメント。バンドをスイングアームに巻き付けることで、アタッチメントを固定。一人でスタンドアップがしやすくなる。スタンドから降ろす際に、車体に接触するようなアクシデントも防げる。

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スイングアームにマフラーがかかっているバイクの場合
ダウンマフラーの車両は、スイングアームにマフラーがかかっており、リアスタンドが使えないことも少なくない。そこで、デイトナではオフセットアタッチメントを用意。マフラーの隙間を狙ってスイングアームにリーチする丸型用と角形用をラインアップ。

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アクスルシャフト貫通型は固定が確実で使い勝手バツグン
リアアクスルシャフトが中空タイプの車種にオススメなのが、貫通アクスルシャフト用アタッチメントだ。構造上ホイールを外すことはできないが、洗車やチェーンメンテには非常に便利。スタンドの受けが外れる心配がないので、初心者でもスタンドの上げ下ろしが容易なのはもちろん、スタンドを上げた状態でゴムバンドで車体のグラブバーなどと固定すれば、そのまま車体の押し歩きもできる。

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