日立Astemoブースには二輪の安全性・快適性を向上させる最新技術がずらり!
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日立Astemoってどんな会社?
日立Astemo株式会社は、東京都千代田区に本社を置く日本の大手自動車部品メーカーです。
日立製作所の自動車部品事業であった日立オートモティブシステムズが、サスペンションブランドで知られるSHOWA、キャブレターやガスケットなどの二輪車部品を販売するKEIHIN、ブレーキ部品製造・販売の日信工業と経営統合し、2021年に誕生しました。
エンジン部品からブレーキ、電子制御部門に至るまで幅広い事業を展開しており、世界中に拠点を置いています。
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最新技術の展示に加えてレーサーも来場&マシンも展示
EICMA2024では、二輪車の安全・安心やカーボンニュートラルの実現に貢献するADAS(先進運転支援システム)やEVなど、最新技術と製品を出展しています。
日立Astemoはさまざまなメーカーやレースチームの活動を支援しており、2024年のブース出展では、カワサキのファクトリーチームであるKawasaki WorldSBK Teamのアレックス・ロウズ選手※が登場。サインや写真撮影に応えるなど、手厚いファンサービスが印象的でした。
※2025年から、アレックス・ロウズ選手はbimota by Kawasaki Racing Team (BbKRT)に所属しています。
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アレックス・ロウズ選手
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アレックス・ロウズ選手
ブースでは、後に紹介する最新技術のほか、彼が乗ったファクトリーマシン「Ninja ZX-10RR」が展示。
ホンダのファクトリーチーム・Team HRCの「CRF450R」やモトクロス・イタリア選手権にてMX1クラスのタイトルを獲得したドゥカティのファクトリーチーム・Ducati Corse Offroadの「Desmo450MX」も展示されました。
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Kawasaki WorldSBK Teamの「Ninja ZX-10RR」
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Team HRCの「CRF450R」
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Ducati Corse Offroadの「Desmo450MX」
日立Astemoの注目の展示を紹介
▶SHOWA&NISSIN共同開発のサスペンション・ブレーキシステム
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SHOWAとNISSINの共同開発による新しいサスペンション&ブレーキシステム。倒立フォークのフォークパイプから伸びるアクスルホルダーとブレーキキャリパーを連結しており、アクスルホルダー下の空洞とキャリパーのフィンにより冷却効果を備えているとのこと。
機能協調デザインをコンセプトとしており、フォークとキャリパーが一体化。締結部品の削減により、重量の低減と剛性も確保されています。
また、SHOWAとNISSINのロゴマークが変更され、両ブランドのフォントが統一されました。
新シンボルマーク発表 in EICMA2024ーNew Symbol Mark Announced in EICMA2024- YouTube
youtu.be▶新たに「路面感知機能」を備えた新型ADASを発表
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ADAS搭載のデモ車で展示されたホンダ「CRF1100 アフリカツイン」
ADASとは「Advanced Driver-Assistance Systems」の略称で、カメラやセンサーを用いて前方車両や障害物を検知して自動でブレーキ操作を行ったり、車線からはみ出しそうになった際に警告してくれたりするアシスト機能のこと。
日立Astemoは同社ステレオカメラによる四輪車向けADASで培ったカメラ技術を応用し、カメラとECUを一体化したシステムを二輪車に搭載しています。
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ブースではADASを搭載したデモ車がカメラから来場者を検知し、車体前を行き来する様子をモニターしながら車体と来場者の距離をリアルタイムで表示していました。
ADASの技術は2022年のEICMAにて発表しましたが、今回新技術として立体視活用による路面感知機能を追加。
路面の凹凸などを2つのステレオカメラが検知し、必要に応じてライダーのブレーキ操作をサポートしたり、ディスプレイに情報が表示されます。
ライダーが注意を払うとともに、バイクもカメラとコンピューターで路面状況を確認することで、走行時の安全性向上に期待できそうです。
▶NISSIN製ブレーキキャリパーの進化を体感
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オフロード用競技車両のブレーキの進化を体感できるコーナーでは2026年以降のモデルに搭載予定の新型キャリパーも展示されました。
各メーカーの最新モデルにNSSIN製のブレーキキャリパーとマスターシリンダーがそれぞれ組み込まれており、実際にブレーキを握ることで各モデルごとの違いを確かめることができます。
▶停車を検知して自動で車高を下げる「HIGHTFLEX」が進化!
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シート下にあるボックスがギアポンプ。車高が上下する際の作動音はエンジンをかけていればほぼ気になりません。
日立Astemoが誇る電子制御サスペンション「SHOWA EERA」に搭載されている「HEIGHTFLEX」は、バイクの停車や発進に合わせて自動で車高を調節するシステムです。
ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250」にすでに搭載されている機能で、走行中は最適な車高を維持しつつ、停止時には自動的に車高が下がり足つき性が向上します。
ブースでは「HEIGHTFLEX」を搭載したデモ車が用意され、来場者は実際にまたがって車高の違いを体感できました。
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デモ車では固定された緑のラインからどれだけ車高が上下したか体感できました。
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SHOWA独自の電子制御サスペンションシステム「SHOWA EERA」第2世代
今回新しくなった「HEIGHTFLEX」は、従来型はギアポンプ式スプリングアジャスターがリアショックのみのところを、フロントフォークにも採用されました。
さらにABSモジュレーターをオイルポンプとして流用する方式をとることで、従来型の欠点であった車高の上昇に必要な走行距離や路面の影響の問題が解消。車高の上昇スピードを大幅に短縮し、コスト削減にも成功しています。
▶二輪車のEV化に欠かせない電動パワートレインシステムがより小型に
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最新型の電動パワートレインシステム「E-Axle」
日立Astemoが2023年のEICMAにて発表した、モーター・ギアボックス・インバーターを一体化した電動パワートレインシステム「E-Axle」。
本体の搭載には EV専用のフレームを必要とせず、内燃機関を搭載する既存のオートバイにも使用できるので、開発および製造コストの削減にも期待できます。
今回のアップデートでは、パワートレインの下からモーターの軸方向に対し横置きに配置し、インバーターの搭載位置を変更。これによりインバーター内に回転角センサーを内蔵することが可能となり、ユニットのさらなる小型化を実現し、部品点数の削減に成功しました。
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「E-Axle」を制御する「EMU」とバッテリーを制御する「BMS」
動力源である「E-Axle」を制御し、ソフトウエアのアップデートと機能変更を担う「EMU」と、バッテリーの充放電を管理し、パフォーマンスを最大限引き出すシステム「BMS」の研究開発も進行中。
同社のBMSは四輪車のEV化で既に高い搭載実績を得ており、そこで培われた技術を二輪車に転用することで、開発コストの削減とスピードの短縮ができるのは自社開発ならではの利点といえます。
2024年の日立Astemoブースも、昨年に引けを取らず多くの新技術が披露されました。ここから次世代のバイクにつながっていく想像が膨らみ、期待が高まります。
まとめ:八橋秀行