バイクってたくさん種類があるけど、「快適にツーリングができるモデル」って何だろう? 普段、スズキのスポーツツアラー「ハヤブサ」で日本中を旅しているRurikoさんに、長距離でも疲れにくく快適に乗れるバイクの特徴を尋ねました!
談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼

オートバイ女子部 Ruriko

スズキ・ハヤブサやトライアンフ・デイトナ675を乗り回し、バイク旅系YouTuberとして活躍する一方、webオートバイの生配信の裏方や動画制作などを担当。

【プロフィール・おまけ】

自宅で作ったバレンタインのカップケーキ。クマや猫をつくったそうですが、見本の写真と見比べられて、なぜかみんなに笑われるんだそう。

画像: 左上のやつ、クマ……?

左上のやつ、クマ……?

「ツーリング楽々~」なバイクってどんな車種?

これまで様々なバイクに乗ってきたオートバイ女子部のRurikoさん。原付からはじまり、中型バイクから大型へとステップアップ、現在ではビッグバイクのハヤブサを相棒に、日本一周までしてしまうほどです。

そんなRurikoさんであれば、「このモデル、ツーリングがラクだわ~」なんていうバイクのことを知り尽くしているハズ。

ということで、ツーリングを快適にこなせるバイクは一体どんなバイクなのかをお聞きすることに。 ご自身の愛車・ハヤブサのようなビッグバイクのメリット・デメリットも深掘りしつつ、選び方のポイントも含めて解説してもらいました!

Rurikoのバイク遍歴

①はじめてのバイク:ヤマハ「ドラッグスター250」/排気量:248cc

画像: 足つきが最優先! 可愛らしいカラーがお気に入りだったのだとか。

足つきが最優先! 可愛らしいカラーがお気に入りだったのだとか。

②中型で乗り換え:カワサキ「Ninja400」/排気量:398cc

画像: 峠を走ることに目覚めてスポーツバイクに乗り換え! ここからフルカウルモデルが大好きに。

峠を走ることに目覚めてスポーツバイクに乗り換え! ここからフルカウルモデルが大好きに。

③はじめての大型:トライアンフ「デイトナ675」/排気量:675cc

画像: 雑誌で一目ぼれしたデイトナ。このバイクに乗るため大型二輪免許を取得したそう。

雑誌で一目ぼれしたデイトナ。このバイクに乗るため大型二輪免許を取得したそう。

④現在所有する旅の相棒:スズキ「ハヤブサ」/排気量:1340cc

画像1: ツーリングに適したバイクってどういうの? ハヤブサ乗りRurikoが「ラクに旅できる」モデルを考察【Rurikoの長旅ガイド】

※③と④の間に林道ツーリングにはまって、ホンダ「CRF250L」を買ったよ!

Ruriko ニンジャ400に乗っていたときまでは普通二輪免許しか持っていませんでした。その後、大型二輪免許を取得したので、現在も大切にしているデイトナ675に乗り換えたんです。で、YouTubeを始めたんですけど、動画の企画で試乗させていただいたハヤブサが、なんだかとってもしっくりきたんですよね。

デイトナ675までの3台はどれも見た目一択で、試乗なんてこれっぽっちもせずに決めて愛車にしていたんです。けれどもハヤブサだけは、見た目はもちろん、実際に乗ってみてその性能面に惹かれてお迎えしたんですよ!

Q.どの排気量のバイクが一番ツーリングに向いている?

──バイクの排気量によって、ツーリングの向き不向きはありますか?

Ruriko どんなバイクでも乗っちゃえば楽しいんですけど、やっぱり個人のツーリングのスタンスによっては、この排気量帯の方がラクかも! というのはあると思います。

例えば、一度の移動距離が多くて、各地のスポットにびゅーんと旅したいタイプの方であれば、少なくとも排気量250ccクラス以上のバイクを選ぶのがおすすめです。

というのも、休みの日に目的地までバイクで行って、その周辺の観光スポットや美味しいご飯なんかを満喫する……ってメジャーなツーリングプランを考えると、ゴール地点までの移動をスムーズに行える方が効率的じゃないですか。そう考えると、高速道路を使えた方が断然ラクなんですよね。

画像: Q.どの排気量のバイクが一番ツーリングに向いている?

──150cc以上であれば高速道路に乗れますが、やっぱり250ccくらいのバイクの方が良いですか?

Ruriko 長時間の移動に耐えるなら、最低でも250ccくらいの排気量はあった方が良いのではないかな、と個人的に思っています。というのも、周りの車の波に乗って走るとなると、ちょこっとパワー不足を感じたり、アクセルをずーっと全開にする必要があったりで、何かと疲れてしまうんですよ。

無理のない快適走行を視野にいれるのであれば、排気量400ccクラス、可能であれば大型車の方が快適です。大型モデルでも、デイトナよりハヤブサの方が断然ラクですから、高速道路上での走行に限っては、やっぱり排気量のあるバイクが最高ですね。

(ちなみにオフロードバイクはタイヤが特殊ですから高速走行には不向きです。選ぶ際は、そのことを踏まえるといいと思います!)

画像: ※高速道路のイメージ

※高速道路のイメージ

Ruriko 逆に、海沿いのシタミチをぐる~っと周って日本一周したいタイプの方や、散策がてら小道や脇道に入っていきたいタイプの方であれば、高速道路に乗らないことを前提に125ccクラスのバイクを選んでも困らないと思います。

取り回しも楽ですから小道や砂利道も難なく進んでいけますし、維持費も安いのでカスタムにも費用を割きやすいと思います。ただ、たまには遠出したい! というとき負担が大きいのも事実ですから、1台選ぶとしたら排気量250cc~400ccのバイクは万能かもしれませんね。


Q.大排気量のバイクに乗っていて感じるメリット、デメリットは?

画像: Q.大排気量のバイクに乗っていて感じるメリット、デメリットは?

──やっぱりハヤブサみたいな大排気量バイクの方がツーリングが楽なのでしょうか?

Ruriko 正直、高速道路の走行に限っては、排気量が大きければ大きいほど楽だなあ、と感じています。

はじめに250ccから400ccへと乗り換えたとき、大型バイクのお友達とのツーリングも全く無理せずついていけることに気がついて、それまで以上に友達とのツーリングを楽しめるようになりました。で、大型二輪免許を取ってデイトナ675に乗り換えると、400ccよりも更に快適性が上がって、このころから遠くまで旅に出るようになったんです。

現在、ハヤブサをお迎えして、最終的に日本一周なんかしちゃったりして(笑)バイクを乗り換えていくたびに高速道路を使って遠くへと走っていくのが楽しくて、行動範囲がどんどん広がっていったんです。排気量の大きなバイクのメリットはそんなところではないでしょうか(所有欲が満たされる、というのも大きな魅力ですけどね)。

画像: 笑顔で押しているけどめちゃめちゃ重いです↑(ハヤブサの車重264kg+シートバッグ約20kg)

笑顔で押しているけどめちゃめちゃ重いです↑(ハヤブサの車重264kg+シートバッグ約20kg)

Ruriko デメリットをお伝えしますと、やはり取り回し性能が悪いことですね。「ハヤブサだからここまで来れた!」というのもありますけど、逆に「ハヤブサじゃなければこの道も入っていけたのにな……」なんてことも、旅をしてると多かったです。

やっぱり砂利道とか、先がどうなっているのかわからない道に突っ込んでいく勇気がないんですよ。足場が不安定な場所で万一ハヤブサを倒してしまったら、ひとりでは起こせないし、誰もいないしで怖いんですよね。愛車遍歴を振り返ると、そういった場所に心起きなく入っていけるのは、やっぱり250ccのドラッグスターだったかな、と思います。

Q.Rurikoさんが欲しい旅バイクは?

画像2: ツーリングに適したバイクってどういうの? ハヤブサ乗りRurikoが「ラクに旅できる」モデルを考察【Rurikoの長旅ガイド】

──250ccから1300ccまで、いろいろ乗ったからこそイマ乗りたい旅バイクは何ですか?

Ruriko 一周回って原付二種のCT125・ハンターカブですかね! 見た目とかちょっとアクティブなイメージ含めて素敵だなあと思います。未知の場所に冒険に出たいなあという想いが強くて、ハヤブサだとできないことができるバイクって良いなあ、と思ってしまうんですよね。

とはいっても、高速道路を走れないのは旅のスタンス的につらいので、「乗り換え」ではなく「増車」でお迎えしたいです(笑)。

こんなバイクは夢のよう~♪ 快適にツーリングができるバイクのポイントまとめ

ここまでRurikoさんにお聞きしてきたことを踏まえ、「快適に長距離をツーリングしたい!」というライダー向けに、バイクの選ぶときのポイントを紹介します。ツーリングの相棒としてどんなバイクを選ぼうか迷ったとき、ひとつの指標としてみてください。

(以下で紹介するポイントに当てはまらなかったとしても、見た目やカラーが気に入っていればどのモデルを選んでもバイクライフは楽しめますから、気に入ったモデルを選ぶようにしてくださいね!by Ruriko)


その1.防風性能

画像: その1.防風性能

Ruriko 防風性能は高速道路を走る時にはかなり重要だと思っています。というのも、走行風ってかなりライダーの負担になるんですよね。普段ネイキッドのバイクに乗っている方は、スクリーンのあるモデルに乗り換えると、その違いがよくわかるはずです。

これを踏まえると、アメリカンやネイキッドスタイルのバイクよりも、大きなスクリーンのついたアドベンチャーモデルやスポーツツアラーの方が良いかと思います。


その2.ポジション

Ruriko 長時間移動することを踏まえると、ライポジがかなり前傾なスーパースポーツモデルは、ちょっとしんどいかもしれません。ちゃんとニーグリップをしていたとしても、長い距離を乗ると遅かれ早かれ首や背中、手首といった身体の節々が疲れてきます。もし、カウルのあるバイクが好みなのであれば、フルカウルのスポーツツアラーなんかを選択しに入れて考えるのも良いかもしれません。

「スポーツツアラー」と「スーパースポーツ」
似ているけれど、ライディングポジションは大違い!

画像3: ツーリングに適したバイクってどういうの? ハヤブサ乗りRurikoが「ラクに旅できる」モデルを考察【Rurikoの長旅ガイド】

Ruriko カウルのついたスポーティなモデルは「すべて前傾がきついバイクだ」とお思いの方もいらっしゃると思いますが、意外とそんなことはないんです。

私のデイトナやYZF-R1、CBR600RRなんかはサーキット走行も重視していて前傾姿勢での運転を強いられるバイクなんですけど、ハヤブサやCBR650R、Ninja650なんかは、ツアラー要素が強めで、ポジションもラクにつくられているんですよ!

イベントやバイク屋さんで実際に展示車両に跨ってみると、その違いが良くわかると思うので、一度体験してみてください!


その3.排気量・重さ

画像: その3.排気量・重さ

Ruriko 先に話した通り、排気量が大きいバイクは高速道路は楽ですし、走行中の安定感は抜群です。しかし、車重が重いことが多く、倒したら起こせないとか、細い道が苦手とか、Uターンがしにくいとか、デメリットも多々あります。

そういった面も含め、現実的な扱いやすさを考えるとミドルクラス(600~700㏄)くらいまでのバイクの方が、シタミチや近場への外出から高速道路を使った遠くへのツーリング、ワインディングなども不自由なくこなせ、駐車場や足場の悪い場所での取り回しも比較的ラクかと思います。


おまけ.燃料タンク容量と燃費、積載性能

Ruriko バイクに燃費を求めるのはちょっと違うかもしれないので、「おまけ」として扱わせていただくんですけど、やっぱり燃料タンク容量が大きくて燃費が良いモデルの方が、給油回数が少なくなりますから楽ですよね(笑)。

ハヤブサの場合は燃料タンク容量が20Lでスペック公表値の燃費(WMTCモード値)は15.4km/Lなので、一回の給油でだいたい300kmくらいは走れるんですけど、例えばスーパースポーツモデルのCBR1000RR-Rは燃費は同じでもタンク容量が16Lなので、ハヤブサよりも航続距離が短いんです。私自身、タンク容量はそこまで気にかけてバイクを選んでいないので、シビアになることはないと思うんですが、ご自身が乗りたいバイクが航続距離が短めのモデルであれば、適度な給油を心がけた方が良いかもしれません。

画像: おまけ.燃料タンク容量と燃費、積載性能

Ruriko 積載性能についてですが、元からラゲッジボックスやリアキャリアが付いているモデルも存在しますが、基本的にはどのバイクも後からツーリングバッグやサイドバッグ、パニアケースを付けるなどして積載性能をアップさせられるので、特に気にして選ぶ必要はないと思います。

けれど、バイクによってはラゲッジフックやナンバーステーなんかを取り付けないと、荷物を積載しにくい車両もあります。(私のハヤブサは、純正アクセサリーの「ラゲッジフック」を購入時に付けてもらいました!)ですから、いいな!と思ったバイクがあれば、「どんな風に積めば良いのか」、または「どんなパーツを取り付けた方が積み込みしやすいのか」などを、一度店舗のスタッフさんに相談してみるのが良いかと思います。

画像: Rurikoさんが付けているスズキ純正アクセサリーパーツ「ラゲッジフック」(税込2200円)。

Rurikoさんが付けているスズキ純正アクセサリーパーツ「ラゲッジフック」(税込2200円)。

Ruriko's セレクト
ツーリング・ベスト・オブ・バイク
これまで乗ったバイクの中で、最もツーリングが楽しめそうなモデルは……

画像: スズキ「Vストローム250」 です!

スズキ「Vストローム250」 です!

Ruriko ライディングポジションがきつくなく、防風性の高い大きなスクリーンも備えていて、積載性能も高いモデルって、やっぱりアドベンチャーバイクですよね。

ただ、シート高が高かったり、車体そのものが大柄だったりと、なんとなく小柄なライダーには扱いにくいイメージがあります。

でも、Vストローム250は全くそんなことはなくて。身長161cmの私がしっかり地面を踏みしめられるくらい足つき性が良好で、しかも車体が軽いので取り回しも楽なんです。排気量も250ccなので充分高速道路のクルマの流れに乗れますし、背中が直立するラクなポジションにも関わらず、走行風が体に当たらないので快適なんです!

実際に乗ってみると、大型二輪免許を持っているライダーでも“あえてこのモデルを選んでいる”という理由が良くわかると思うので、気になる方はぜひ試乗してみてください!

画像: シート高は800mmですが、跨るとサスペンションが沈んで足つきがとてもよくなります。

シート高は800mmですが、跨るとサスペンションが沈んで足つきがとてもよくなります。

談:Ruriko/写真:webオートバイ編集部/まとめ:大冨 涼

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