※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年2月11日に公開されたものを一部編集し転載しています。
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素朴なクルマゆえに「ダイレクトな運転フィーリング」を味わえる
試乗前に一番気になっていたのは動力性能。その理由は、4輪版原付とも言える「ミニカー」は法律の定めにより原付一種と同じ出力規制がかけられており、定格出力0.6kW以下の電動モーターでバイクよりも重たい車体を駆動しなければならないという制約があるためだ。
ちなみに、この「定格出力0.6kW以下」という条件は、街中を走る電動キックボードのシェアリングサービスなどが採用している「特定小型原付」でも同じ。
実際には車体価格との兼ね合いもあって、特定小型原付は0.25kW〜0.5kWモデルがほとんどで、0.6kWを出力するのは一部のハイエンドモデルに限定されるが、ミニカーには「原付バイクや電動キックボードのハイエンドモデルと同じ出力でどこまでクルマとしての走行性能を確保できるか」という課題がつきまとっているのである。
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ミニカーなのでEVらしい圧倒的な加速力はないものの、平坦路であればカタログどおり50km/hを出して走行できる。
「EV-eCo」の場合は、一般的な電動キックボード(15〜20kg)の約15倍の重量となる310kgの車体を定格出力0.59kWのモーターで動かすのだが、平地の直線区間であれば公称スペックの最高速50km/hはすんなりと出せる。
交通量の多い幹線道路を走行するには加速力や車格に不安があるものの、同車のターゲット層となる郊外での近距離移動ツールという観点では十分なスペックを発揮していると言えるだろう。
肝心のドライビングフィールについては、自分で運転していることを実感する「ゴーカート感覚」という印象が強く、原始的な「運転する楽しさ」を満喫することが可能だ。速度を上げていくにつれて路面からの振動やタイヤノイズがダイレクトにドライバーに伝わってくるようになるため、ゆっくりと「ドライブ」するイメージで運転すると、乗り心地も確保しながら快適に移動できるかもしれない。
また、急な坂道を登る際などパワーを必要とする場面では、メーター画面にあるバッテリー電圧と残量の表示が減っていく様子がはっきりと見てとれるほどで、電力消費を意識させられることになる。走行ルートの選定や充電電力の残量など、航続距離の短いEVを使う上で必要なマネジメント能力は同様に求められるだろう。
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メータ画面の右部分にバッテリー電圧と電池残量が表示される。
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