※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2025年2月11日に公開されたものを一部編集し転載しています。
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搭載するバッテリーの容量は前述のとおり、航続距離40kmを実現する約3.5kWh。小さいと思うかもしれないが家庭用AC100V電源から充電できるという大きなメリットがある。
一般的なEVでは、購入しようとしたとき、自宅にEV専用の普通充電器(200V/3kWもしくは6kW)を設置しないと、電気代の安さというEVの持つメリットは享受できない。つまり新規導入のために追加のコストが発生するのだが、一方で「EV-eCo」は駐車スペースに100Vコンセントがある、もしくは自宅内から延長してきたコードを繋ぐだけで簡単に充電できてしまうため、設備面での導入コストをゼロに抑えることができる。
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車体後部に充電口がある。家庭用電源で充電できるため、追加の設備投資は不要だ。
また、コンパクトな車体と後方視界の良さから駐車は非常にやりやすいことに加えて、バックカメラという秘密兵器も搭載しているため、運転に自信がないという方でも安心して利用できることだろう。
なお、バックカメラは、ドライブセレクターを「R(後進)」に入れると自動で起動し、メーター画面に表示される方式を採用している。
ちなみに、エンジン車でいう「スリープ現象」は再現されておらず、自動ブレーキ機構も搭載していないので、バックする際はアクセルペダルの踏みすぎには注意が必要である。
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コンパクトな車体+バックカメラ搭載による後退のしやすさ、駐車のしやすさは大きな武器になるはずだ。
運転席の後ろには後部座席にシートベルトまで装備されているが、日本国内の法律でミニカーは「1人乗り」と定められているため、あくまでも荷物専用のスペースとなる。幸いなことに、真っ平らで横に広い座面なので、たくさん荷物を載せてもシートベルトで固定することにより安定して運ぶこともできるはずだ。
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中国では後部座席として利用されているため、シートベルトを装備している。日本では一人乗りなので荷物をたくさん載せられる平たいスペースとしてうまく活用しよう。
バッテリーはこの後部座席の下に搭載されているが、簡単に交換できる仕様にはなっていない。航続距離を延長するために予備の電池を持ち込んで電池交換するという使い方はできないため、あくまでも自宅や事務所周辺の近距離特化型モビリティとして利用することになる。
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鉛蓄電池は車体後部の荷物載せスペース下に搭載している。
「ボディが小さいクルマ」ではあるものの、一般的な軽自動車やコンパクトカーなどとは使い勝手も運転の勝手も異なる。車両価格をはじめとするイニシャルコストの低さ、税金や燃料代(電気代)などのランニングコストの安さ、そして雨風をしのいで移動できる最小のモビリティというメリットを比較して、自分の生活ニーズにあっているかどうか想像しながら検討してみると良いかもしれない。
【メリット】
・車両価格が64万9000円と低価格に設定されている
・維持費は、原付一種に近い
・コンパクトで小回りがきく
・バックカメラやUSB端子、ルームライトなど便利機能を標準搭載する
・家庭用AC100V電源で充電できる
【デメリット】
・航続距離40kmで、近距離移動に特化している
・坂道が連続すると充電電力を大きく消費する
・1人乗り(ただし荷物用スペースはある)
現在、車両の展示・試乗体験会が東京都三鷹市の「スーパーオートバックス MITAKA」にて行われているため、実車を見てみたい、試乗してみたいという方はぜひ足を運んでみよう。(試乗希望者は事前に店舗への問い合わせが必要)
ほかにも、茨城県土浦市のカスタマーサービスセンターや宮城県亘理郡亘理町の宮城工場でも試乗を受け付けているそうなので、興味がある方は最寄りのスポットで試してみてはいかがだろうか。
【主要諸元 EV-eCo】
全長×全幅×全高:2400×1125×1619mm
ホイールベース:1610mm
車両重量 :310kg
最高速度:50km/h
定格出力 :0.59kW
バッテリー総電力量 :3.492kWh(鉛バッテリー)
充電時間:8〜10時間
航続距離 :40km
タイヤサイズ :125/65R12
車両価格 :64万9000円
【展示場所】
■名称:スーパーオートバックス MITAKA
所在地:東京都三鷹市野崎 4-1-10
【その他の試乗可能なスポット】
■名称:株式会社アントレックス カスタマーサービスセンター
所在地:茨城県土浦市本郷字原山20-27
■名称:株式会社アイーダ 宮城工場
所在地:宮城県亘理郡亘理町逢隈高屋堂田42-4
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