2025年3月21日に開幕した大阪モーターサイクルショー2025。各社のブースが最新モデルやサプライズ展示でにぎわっていたのですが、ヤマハブースにもサプライズ展示が。そのひとつがこの「オフロード カスタマイズコンセプト」。ただ、正式な車名も伏せられ、何の説明もなくポンと置かれている、ちょっと不思議な“隠し球”でして……。
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見た目は明らかにWR155Rなのだが……?

画像: YAMAHA オフロード カスタマイズコンセプト 大阪モーターサイクルショー2025 出展車両

YAMAHA
オフロード カスタマイズコンセプト
大阪モーターサイクルショー2025 出展車両

ヤマハのオフロードモデルで誰もが知っているモデル、と言えばセロー。残念ながら2020年モデルをもって生産を終了、あれから早5年の歳月が流れたわけです。市場はすっかり「セロー・ロス」状態となり、中古車の中には手を出すのがためらわれるような価格のものもありまして、早く「次のセロー」が出ないかなぁ、と思うヤマハファンも多いことと思います。

ヤマハ以外のメーカーに目を向けると、最近カワサキがKLX230/SKLX230シェルパをリリース、ホンダからもCRF250Lとラリーが気を吐いていますが、それでも昔に比べると、日本で買える本格トレールモデル、というのは随分と少なくなってしまったのも事実。セローみたいな、コンパクトで軽くて、手に余らないパワーで、おまけに価格が手頃なモデル……が欲しいところですよね。

画像: YAMAHA WR155R インドネシア仕様

YAMAHA WR155R
インドネシア仕様

そんな折、セローの抜けた穴を埋めるモデルになるのでは? と一時噂になっていたのが、インドネシア製のトレールモデル・WR155R。セローよりちょっと大きいですが軽量スリム、XSR155と同系統のエンジンも可変バルブタイミングシステムのVVAを搭載し、パワーも約16.7PSと十分なもの。グローバルモデルで価格もリーズナブルということで、これはいいのでは? と噂になったわけです。実際、並行輸入で日本のバイクショップでも販売されていたりしました。

画像: 見た目は明らかにWR155Rなのだが……?

そんなWR155R……によく似たマシンが大阪モーターサイクルショーでヤマハブースに展示されたわけです。しかも、ご丁寧に車名を示すデカール類は全てカバーされた状態で! これはもう、何か展開があるのでは? と期待しちゃいますよね!

国内市販されるのか? それとも単なる市場調査?

改めて、展示されている現車を見ると、シュラウドのところには車体色と同じブルーのラッピングが施されているのですが、その下には「WR」と思しきデカールの跡……。ちなみにボディデザインはWRと全く同じでありました。

画像: 国内市販されるのか? それとも単なる市場調査?

そしてサイドカバーには誇らしげに「VVA」の文字が! この機構を搭載するヤマハのエンジンには限りがありますから、もう推して知るべし、なわけです。

実車を見ても、やっぱり車格はスリムでコンパクト。シートも思ったほど高くはなさそうなので、取り回しには困らなさそうです。セローのような、のんびり、トコトコ……というキャラクターとはちょっと違いますが、手に余らないサイズとパワーの軽いトレール車、となれば、ちょっとしたダートなどで気軽に遊べそうですし、やっぱりあったらいいな、となりますよね。

早く発売してください。待ってますよ、ヤマハさん!

画像: 早く発売してください。待ってますよ、ヤマハさん!

このバイクの展示に関して、ヤマハからは何のアナウンスもありません。当然ながら、各メディアはこぞって取材攻勢をかけたのですが、ヤマハの回答は「今は何も言えません……」のひと言。

でも、売るつもりのない海外モデルを意味もなく展示することなどちょっと考えられませんし、先に述べたように、市場は気軽に付き合えるトレールモデルをまだまだ欲している状況。ライダーの反響次第ではひょっとしたら……という期待も持てるわけです。ということで、みんなで声を上げようではないですか。「早くコレ発売してください、ヤマハさん!」

このバイクのさらなる詳細は月刊『オートバイ』2025年5月号でもご紹介しますのでお楽しみに。今はさらなる展開に期待しながら待ちましょう!

文:松本正雅/写真:南 孝幸、西野鉄兵

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