年間販売台数1600万台を誇る巨大メーカーが日本に本格進出
ヤディアは中国の電動二輪モビリティ専門メーカー。実は世界約100カ国で展開されており、年間販売台数1600万台以上を誇る電動二輪業界で最大手のメーカーなのだという。
日本ではハセガワモビリティが総代理店として、原付一種の「回生ブレーキ」付き電動キックボード「KS5 PRO」、その特定小型原付版となる「KS6 PRO」、折りたたみ電動アシスト自転車「HNT-01」など、数多くの二輪モビリティをラインナップしている。
※特定小型原動機付自転車(特定小型原付)=原付一種の下位に新設された「16歳以上が、免許不要で乗れる電動モビリティ」のこと。

同社の電動キックボード「KS5 PRO」と「KS6 PRO」は、回生充電機構を搭載しているユニークなモデルだ。
カインズやオートバックス、イオンバイク、さらにはヨドバシカメラなど家電量販店でも取り扱ってるほか、2024年5月には国内初となる直営店舗「YADEA表参道ショールーム」をオープンするなど、日本での事業拡大に力を入れている段階だ。
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まずは特定小型原付から、今後は本格的なオートバイも導入予定
特定小型原付の電動バイクは、またがりやすい自転車ルックな「S-01T」、「CC-01T」と、バイクっぽい見た目の「TRP-01T」の計3モデルを展示。
全モデルが16歳以上は免許不要で乗ることができる特定小型原付として設定されるが、歩道走行モードはなく、車道のみの走行になる点には注意が必要だ。
スタンダートモデルの「S-01T」
海外ではシェアリング用に設定されているモデルで、日本でも2025年春以降ドコモ・バイクシェアに導入予定だ。
自転車とほぼ同じ車体形状、タイヤサイズ、サドルを備えているため、従来の電動アシスト自転車と同様の運転感覚で利用できる。

見た目はほぼ自転車だが、ペダルがなくスロットル操作で動く電動バイクである。
歩行者の安全を考慮し歩道走行モードを搭載していないので、車道走行しなくてはならない点には注意が必要。
【主要諸元 S-01T】
全長×全幅×全高 :1550×590×1050mm
重量 :28.6kg
耐荷重 :ーーー
ブレーキ :前後ドラムブレーキ
バッテリー :リチウムイオン(48V・15Ah)
モーター :350W
航続距離 :70km
充電時間 :6時間
タイヤサイズ :20インチ
防水性能 :IPX5
本体価格 :22万円
ポップな配色が特徴の「CC-01T」
スカイブルーで丸みのあるフレーム、鮮やかなオレンジ色のカゴとリアキャリアが特徴の電動バイク。低めのフレーム設計で乗り降りがしやすく、スプリング衝撃吸収サドルで快適な乗り心地を実現している。

ママチャリと同様に低床フレーム構造となっているため、乗り降りがしやすい。
また、特定小型原付としては長めの航続距離100kmを誇り、充電の頻度(手間)を減らせるため、日常使いにぴったりな一台と言えるだろう。
【主要諸元 CC-01T】
全長×全幅×全高 :1672×593×1117mm
重量 :27kg
耐荷重 :ーーー
ブレーキ :前後ディスクブレーキ
バッテリー :リチウムイオン(48V・20Ah)
モーター :500W
航続距離 :100km
充電時間 :6時間
タイヤサイズ :20インチ
防水性能 :IP65
本体価格 :28万6000円
バイクルックな「TRP-01T」
モデル元となった「TRP-01」は、2023年9月に電動アシスト自転車として発売され、極太タイヤのファットバイクとして発売1年で約1000台が販売された人気車種だ。
「TRP-01P」は、特定小型原付化に伴いペダルはステップに変更されており、フル電動バイクとしてラインナップされる。

特定小型原付としては“いかつい”見た目をしている。
48V500Wモーターの採用や航続距離110kmの実現、デュアルサスペンションフレーム、前後油圧式ディスクブレーキの採用など、バイクルックな見た目にふさわしいスペックが特長となる。
全長×全幅×全高 :1730×600×1050mm
重量 :36kg
耐荷重 :ーーー
ブレーキ :前後ディスクブレーキ
歩道走行モード対応 :なし
バッテリー :リチウムイオン(48V・20Ah)
モーター :500W
航続距離 :110km
充電時間 :6時間
タイヤサイズ :20インチ
防水性能 :IPX5
本体価格 :33万円
また、発売時期未定の電動バイクも展示されていた。

普通自動二輪の「K5」と「K2」など、今後登場予定の電動バイクも展示されていた。
ちなみに、「YADEA表参道ショールーム」では実車が展示されているほか、一部モデルには試乗することもできる。気になるモデルがある方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。(※展示車両の入れ替えにつき実車がない場合もある)
電動キックボードで日本に上陸した「ヤディア」が、電動二輪の総合メーカーとして日本市場で受け入れられるのか、今後の動向にも注目である。
レポート:黒石研仁
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