ビッグツインならではの迫力と高級感を巧みにミックス

情熱的なショッキングピンクのカラーに彩られたこの「R20コンセプト」は、2024年5月にイタリアで開催された「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」でBMWモトラッドが世界初公開したコンセプトモデル。巨大なボクサーツインエンジンが見る者を圧倒する、インパクト十分のビッグロードスターです。

富豪や有名人の邸宅が並ぶ、イタリア有数の高級リゾート地で開催されるこのイベントに、BMWモトラッドは過去にもコンセプトモデルを公開してきましたが、今回の「R20コンセプト」もそのひとつ。過去にはR18のカスタムや、R1250Rの原型になった「コンセプト・ロードスター」、新型F900XRの原型である「9cento」なども登場しています。

巨大なエンジンに負けない、迫力あるサイズのタンク。上面には「R20コンセプト」のロゴが入ります。ハンドルは車格の割には短めのフラットバー、メーターは非常に小ぶりなカラーTFTモニターが装着されています。

ヘッドライトはリング状のDRL(デイタイム・ランニング・ライト)の中央にLEDユニットを組み合わせたもの。LEDプロジェクターユニットの上部にはBMWのエンブレムがあしらわれており、未来的で非常に凝った造りとなっています。
2000ccボクサーの圧倒的カタマリ感!

ひときわ目を惹くのは、やはり巨大なボクサーエンジンでしょう。R18のものよりさらに排気量を拡大した、なんと2000ccユニットを搭載。コンセプトモデルなのでエアクリーナーボックスは装着されず、かわりにスラッシュカットデザインを与えられた、極太のアノダイズド仕上げのアルミファンネルが組み合わされています。

フレームはクロモリ鋼製のダブルループタイプ。キャスター角は27.5度、ホイールベースは1550mmと公表されており、同系統のエンジンを持つクルーザーのR18よりはショートな車体(それでも十二分に大きいのですが…)となっています。

フロントの倒立フォークはオーリンズ製のブラックライン。ホイールはクラシカルなブラック仕上げのワイヤースポークで、ブレーキキャリパーはスウェーデンのISRというメーカー製のラジアルマウント6ポット! タイヤはメッツラーのスポルテックMS RRで、サイズは120/70ZR17です。

スラッシュカットのマフラーは2into2の左右2本出し。スイングアームはクロモリ鋼、パラレバーアームはアルミ製で、リアのブレーキキャリパーはラジアルマウントの4ポット! これもフロント同様、スウェーデンのISR製です。リアタイヤサイズは200/55ZR17。

駆動方式はシャフトドライブで、R18と同様、シャフト部分を露出させた構造となっています。ホイールベースがR18よりも短縮されている関係で、シャフト自体もショート化されている模様。リアホイールは6.25インチ幅のディッシュタイプを装着しています。
市販化の可能性はあるのか? 今後の展開に注目

イタリアで初公開されたコンセプトが今回東京モーターサイクルショーへとやってきたわけですが、やはり気になるのは市販されるのかどうか。過去の例をひもといてみると、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステに登場したコンセプトモデルたちは、数年以内には市販型が登場しているので、ユーザーの反響次第では市販もありえるかもしれません。
とはいっても、市場の反響次第でしょうし、このロードスターのスタイルのままではなく、クルーザースタイルになっての市販化の可能性もありえるでしょう。いずれにしても、今後の展開に期待しながら見守りたいところです。詳細は月刊『オートバイ』2025年6月号でも紹介しますのでお楽しみに!
R20コンセプト・プロモーションムービー
The new BMW R20 concept | #BoldInStyle
www.youtube.comR20コンセプト写真
文:松本正雅/写真:赤松孝、BMWモトラッド
