2強に挑むライバル続々
この週末は、栃木県・モビリティリゾートもてぎで全日本ロードレース開幕戦「もてぎ2&4レース」が開催されています。例年になくゆっくり目の開幕ですが、3月のうちに開幕すると、天候が崩れると寒くて危ない、なんてことありますからね。事前テスト、開幕と天気に恵まれて、4月中旬の開幕も悪くないのです。
そして、このもてぎ2&4は、2輪はJSB1000クラスのみの開催。ST1000/ST600/J-GP3/JP250の開幕は6月下旬のスポーツランド菅生大会を待たなければなりません。むー、こっちはちょっと待たされすぎかもしれませんね。2&4だから仕方ないのかなぁ。

2シーズン目を迎える水野は事前テストからトップタイムを連発! 優勝候補の最右翼!
さて、その開幕戦ですが、今年の見どころがギッシリ詰まったレースとなっています。昨年チャンピオンの岡本裕生が世界スーパースポーツ600に転出したため、ゼッケン1不在のシーズンとはなっていますが、ランキング2位の中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)とランキング3位の水野涼(ドゥカティTeam KAGAYAMA)の2強に挑みそうなメンツも出揃っているからです。
2強に挑む1番手は野左根航汰(AstemoPROホンダ SIレーシング)でしょう。昨年からホンダCBRに乗り換えて日本復帰を果たした野左根は、マシン乗り換えにもかかわらず、順当に速さを見せ、ついに最終戦では表彰台に立って見せました。2年目を迎える2025年シーズンは、表彰台の常連、そしてホンダでの初優勝を狙ってくるはずです。
2番手は昨年ランキング10位に終わったものの、ワールドクラスのスピードを持つ長島哲太(ダンロップレーシングチームwithYAHAGI)。長島の場合、昨年の開幕戦、あの雪がちらつくほどのコンディションでトップタイムをマークし、開幕戦ポールポジション発進をしたのも記憶に新しいのですが、長島はトップチームでは唯一ともいえるダンロップユーザー。ブリヂストン勢に対して劣勢続くダンロップタイヤの開発もかねての参戦だけに、まだまだタイヤのパフォーマンスに課題がありました。
それが2025年は公開事前テストの段階から好タイムをマークし「今年はマシンもタイヤもずいぶんよくなりました!期待してて」(長島)という状態で開幕を迎えています。

予選2番手はHRCテストチームから開幕戦にスポット参戦の高橋巧。このマシンと体制でフル参戦してよー
さらに新顔として、昨年までスペインスーパーバイクを戦っていた浦本修充(オートレース宇部レーシングチーム)もトップグループに食い込んできそうです。昨年までスズキGSX-R+津田拓也のコンビで戦ってたオートレース宇部ですが、今年から使用マシンをBMWにスイッチ。参戦するは、M1000RRで、ワールドスパーバイクの2024年チャンピオンマシンであるM1000RRと同等のスペックを持つエンジンを供給されています。昨年の水野涼+ドゥカティ・パニガーレV4Rに続く、強豪外国車の日本来襲ですね。
公式予選1列目に浦本見参!

ひときわズ太い重低音で走る浦本+BMW 今大会、今シーズンのダークホースです
そして4/19(土曜日)開幕戦の公式予選が終わりました。ポールポジションは2年目を迎えるパニガーレV4R+水野のコンビで、ひとりだけタイムを1分46秒台に入れる快走! コースレコードまであと0秒36の激走でした。もうね、コースサイドで見ていても、ド迫力のパニガーレサウンドがスッ飛んでくるんです。昨年はすべて初コースからスタートしたパニガーレ+水野ですが、2回目のレースとなる夏のもてぎで初優勝、それから鈴鹿8耐で走り込んだ鈴鹿の最終戦でダブルウィンと、走り込んだコースでは負けていないんですね。……ということは初めてのコースがない2025年は全勝しちゃう?って勢いなのです。
予選2番手は、鈴鹿8耐をにらんで開幕戦にスポット参戦するホンダHRCテストチームの高橋巧。高橋は昨年、オートポリスで3位表彰台に上がってランキング5位を獲得しているんですが、2025年は鈴鹿8耐に照準を合わせて、シリーズフル参戦はナシ。この速さを見ると、フル参戦してチャンピオン狙ってくれないかなぁ、って思っちゃうんですけどね。

予選4番手はゼッケン1じゃないのが不思議な感じがする中須賀。ん?2列目?調子悪いの?と思わせておいて決勝では快走を見せるのが中須賀パターンです
そして予選3番手は、ワークススペックのBMW M1000RRを駆る浦本! ものすごいマシン持ってきたな、でも浦本は全日本に8年ぶりだし、どこまでやれるかな…と思ったら、いきなりのヨセンフロントローです! もちろん、これがこのまま決勝レースまで続くのかはわかりませんが、まずはBMW+浦本のロングランパフォーマンス、つまり20周のレースでタイヤを持たせられるか、っていうところに注目したいです。

予選中にもかかわらずバトルを始めちゃった3水野と31浦本 同世代のふたり、負けらんない!
2列目には中須賀、長島、野左根が並び、正直いってここまでが優勝候補であり、チャンピオン候補なんだと思います。レース展開としては、水野と野左根、そして長島が逃げるか、そこに中須賀と高橋はどう追いついていくのか、浦本はどの位置から仕掛けていくのか--そんな開幕戦になると思います!
決勝レースは20日(日曜)12:55から。昨日きょうと初夏を思わせるコンディションでスケジュールが進んでいますが、日曜は夕方ごろに崩れてくるかも、って予報のようです。
もてぎにいらっしゃれない方は、MFJ公式youtube「モトバトル」を検索してご覧ください!

写真・文責/中村浩史