緋沙子が愛して止まない怒濤のアメリカンV8スポーツ
沢渡 鷹の母親であり、「ふたり鷹」のセクシー番長。本作のヒロインのひとり、緋沙子の愛車がシボレー・コルベット・スティングレイ。アメリカを代表するハイパフォーマンス・スポーツカーで、男勝りな緋沙子にピッタリの1台だ。ちなみに「スティングレイ」とはアカエイ科の意味で、当時の開発担当者が釣り好きだったことから由来しているとされる。
緋沙子の愛機はC3と呼ばれる3代目で、デビューは1968年。ボリュームある前後フェンダーを持つFRPボディは車体中央を絞り込んだ抑揚の効いたボディラインで、コカ・コーラのボトルになぞらえて「コークボトルライン」と呼ばれて親しまれた。初期型はフロントにメッキのアイアンバンパーを採用していたが、緋沙子が乗るのは1973年型以降のバンパーがウレタン製に変更されてたモデル。
ボディバリエーションは、切り立ったリアウインドーとファストバック風のリアピラーを持つクーぺの他、量産車初となるTバールーフのタルガトップ、そしてコンバーチブルの3種類がラインアップされ、緋沙子のマシンはレッドのタルガトップ。エンジンは、マスキー法の施行など、排ガスによる環境問題が叫ばれていた時流に合わせ、この1973年型からは5733ccのV8エンジン1本に絞られた。パワーはスタンダードで192PS、当時オプションだった高出力バージョンのL82エンジンでも210PSだった。
この後、C3は1978年には大幅なフェイスリフトを受け、大型の5マイルバンパーや、リアの大型ガラスハッチなどが採用され、最終的には1982年まで生産されるロングセラーとなった。
協力:株式会社KADOKAWA