鋭い眼光に進化したマスクとダイレクト感ある走りが魅力

軽二輪スクーターは250㏄のフルサイズ車から150㏄程度のコンパクトサイズ車へと人気の中心が移ってきた。このクラスで高速道路に乗り入れるユーザーは少ないから、軽く小さな車体で取り回しやすく、価格も抑えられたコンパクト車に魅力を感じる堅実なユーザーが増えているということだ。

そうしたコンパクト車の中でも高い評価を得ているのがマジェスティS。18年型はLEDヘッドランプとLED導光式ポジションランプの採用、ウインカーデザインの変更などでフロントカウル回りのデザインを一新。フロントポケットにも12V電源ソケットを装備するなど、細かくアップデートされた。

画像: 最高出力:15PS/7500rpm 最大トルク:1.4kg-m/6000rpm 価格:37万2600円 発売:2018年1月25日

最高出力:15PS/7500rpm
最大トルク:1.4kg-m/6000rpm
価格:37万2600円
発売:2018年1月25日

排気量155㏄のエンジンは3000回転弱で遠心クラッチが繋がり始めるため、発進がスムーズで静粛性も高い。極低速走行でもクラッチが頻繁に切れたり繋がったりということがないのでギクシャクせず、渋滞路走行も楽だ。 そしてフルスロットルでの加速では最大トルクを発生する6000回転台をキープして15馬力とは思えない加速力を発揮する。これは自動変速の設定が巧みなだけではなく、145㎏という軽い車重によるところも大きいが、結果的に市街地での発進加速性能は250㏄フルサイズ車よりも強力。なかなか小気味いい走りを味わえる。

画像: 鋭い眼光に進化したマスクとダイレクト感ある走りが魅力

このエンジンは単気筒ながら振動が少なく、全回転域に渡って軽やかに回るのでクルージング中の快適性も秀逸。最高速は250㏄車ほどではないが、制限速度80㎞/h以下の都市高速なら余裕を持って流れに乗れ、通勤・通学だけではなく、一般道+ときどき高速道路といったツーリングも得意だ。

だが、ストリートユースで感じるマジェスティS最大の魅力はダイレクト感のあるハンドリング。高めのフレーム剛性とやや硬めのサスペンションセッティングにより、ヨーロッパや台湾ブランドのスクーターにも似たフィーリングで、クイックな操作にも遅れずに反応するし、タイヤのグリップ状態も掴みやすい。ただし乗り心地やギャップ通過時、横風を受けたときなどの外乱収束性と、ライディングポジションの余裕、車格的な押し出しの強さはフルサイズ車に分がある。

コンパクト車のメリットが光るのは、コミューター性能とスポーティ性の高さ。フルサイズ車が豪華なミニバンなら、コンパクト車はスポーツワゴン。用途と好みをハッキリさせれば迷うことはないだろう。

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 2030×715×1115㎜
ホイールベース 1405㎜
最低地上高 90㎜
シート高 795㎜
車両重量 145㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量 155㏄
ボア×ストローク 58×58.7㎜
圧縮比 11.3
最高出力 15PS/7500rpm
最大トルク 1.4kg-m/6000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 7.4L
キャスター角/トレール 26度/80㎜
変速機形式 Vベルト無段変速
ブレーキ形式 前・後 φ267㎜ディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70-13・130/70-13

DETAIL

画像: スポーツムードにあふれたスタイリングは先代同様だが、フロントの外装パネルを一新し、LEDヘッドライトを組み込んだことで、顔つきの印象は大きく変わった。

スポーツムードにあふれたスタイリングは先代同様だが、フロントの外装パネルを一新し、LEDヘッドライトを組み込んだことで、顔つきの印象は大きく変わった。

画像: きれ上がった、スポーティイメージを持つ後半のボディワークは継承。テールレンズのインナーを今回からブラック仕上げとしたことで、精悍さがますます高まった。

きれ上がった、スポーティイメージを持つ後半のボディワークは継承。テールレンズのインナーを今回からブラック仕上げとしたことで、精悍さがますます高まった。

画像: 薄型のレンズとなったLEDヘッドライト。ローがリフレクター、ハイはプロジェクタータイプとして、ウインカーも新作された。

薄型のレンズとなったLEDヘッドライト。ローがリフレクター、ハイはプロジェクタータイプとして、ウインカーも新作された。

画像: ポップアップ式の給油口など、アイデアが光るユーティリティ。今回から12VのDCソケットが増設され、利便性を高めている。

ポップアップ式の給油口など、アイデアが光るユーティリティ。今回から12VのDCソケットが増設され、利便性を高めている。

画像: リアサスにはモノクロスサスペンションを採用し高効率化と高性能を両立。リアブレーキには245㎜ディスクを装備する。

リアサスにはモノクロスサスペンションを採用し高効率化と高性能を両立。リアブレーキには245㎜ディスクを装備する。

画像: ユニークなデザインのナセルを持つメーターは、アナログ式タコメーターと反転表示液晶のスピードメーターの組み合わせ。

ユニークなデザインのナセルを持つメーターは、アナログ式タコメーターと反転表示液晶のスピードメーターの組み合わせ。

画像: 欧州仕様のフロントサスペンションに、ペータル式ディスクブレーキと、スポーツモデル顔負けの足回りを誇る。

欧州仕様のフロントサスペンションに、ペータル式ディスクブレーキと、スポーツモデル顔負けの足回りを誇る。

画像: 鍛造ピストンやメッキシリンダーを採用する155㏄水冷ユニットは15PSを発揮。パワフルで爽快な走りに貢献する。

鍛造ピストンやメッキシリンダーを採用する155㏄水冷ユニットは15PSを発揮。パワフルで爽快な走りに貢献する。

画像: 肉厚なダブルシートは座り心地もよく、タンデムも想像以上に快適。絶妙なフロント部の絞り込みで足つき性も不満はない。

肉厚なダブルシートは座り心地もよく、タンデムも想像以上に快適。絶妙なフロント部の絞り込みで足つき性も不満はない。

画像: 32L容量のトランクスペースはシティユースには十分なもの。ヘルメットを収納してもまだスペースにはゆとりがある。

32L容量のトランクスペースはシティユースには十分なもの。ヘルメットを収納してもまだスペースにはゆとりがある。

RIDING POSITION 身長:176㎝、体重:60kg

795㎜というシート高だが、停車時はシート前側に座れば身長160㎝程度のライダーでも両足が接地する。シート座面に対してステップフロアが高めなので膝位置が高く、足元の広々感もないが、不思議と窮屈さは感じない。

画像1: RIDING POSITION 身長:176㎝、体重:60kg
画像2: RIDING POSITION 身長:176㎝、体重:60kg

写真/赤松 孝 

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