簡単充電・簡単交換で快適にEVに乗るためのインフラを提供
台北で新たなEVスクーターの扉が開いた。キムコと言えば自他共認にめるスクーターに特化した二輪ブランド。スペイン、ドイツにおいてはスクーターの販売台数でトップを獲得しており、台湾においても、シェア率40%以上、新車販売台数は16年連続ナンバー1と、揺るぎないトップブランドだ。そのキムコが3月22日に発表した電動スクーターのトータルソリューション『ionex(アイオネックス)』を搭載したEVスクーター2機種を発表した。
今回発表されたionexの電動スクーター「KYMCO New Many 110 EV」「KYMCO Nice 100 EV」は、取り外し可能な2つのメインバッテリーと、取り外しができないコアバッテリーを搭載している。メインバッテリーは家庭での充電が可能なだけでなく、街中に設置された公共設置型急速充電器などを活用することで、メインバッテリーを充電し、予備バッテリーレンタルなども可能にしている。写真のようにプラグイン充電も可能だ。
モデルが発表されたその日に、ionexの急速充電ステーション1,500ヵ所の設置が完了する計画が発表され、更に、2019年末までには、充電ステーションを2,000ヵ所に増やす計画も発表された。これにより、ライダーは簡単に交換可能な共有バッテリーを借りて、これまでのEVモデルでは不可能だった長距離旅行にでることも可能に。更に、2年間で共用の電源スポットを30,000ヵ所以上も整備し、ライダーの航続距離に関する不安を一掃することも発表された。
急速充電ステーションでは1時間以内でバッテリーをフル充電でき、費用は僅かNT$10(約37円)。ionexエネルギー・ステーションの交換可能なバッテリーのレンタル料金は1回NT$40(約148円)。その他、ionex電動スクーターの個人レンタル・バッテリーは生涯保証で、基本走行距離1,000kmまでの月間レンタル料金は僅かNT$299(約1100円)となっている。
台湾での販売価格(政府補助金あり)の場合、【左】NEW MANY 110EV(Noodoe付)NT$47800(約17万6860円)/(Noodoeなし)NT$42800(約15万8360円)・【右】Nice 100 EV NT$29800(約11万260円)となる。
メーターパネル「Noodoe」のアプリはナビ機能も追加
今回のNEW MANY 110EVにはNoodoe搭載モデルも発表された。Noodoeはスマホと連動することができ、アップロードされた専用アプリでは専用ナビシステムも搭載と、大幅に進化。今年3月に発表されて世界的に反響が大きかった電動スクーターのトータルソリューション『ionex』。日本での導入は未定ではあるが、現実的な価格帯の実用モデル登場で、日本国内でも電動スクーターの新たな風が吹くのか。楽しみである。