このマシンが、国内発表するのかしないのか。そんな話で、海外発表時点から盛り上がっていたオフロード界隈。いよいよ国内デビューの報をお届けできることになった。
こちらが海外発表の際の、Off1.jp記事。
120万円(税抜)は高いのか、安いのか
リリースで発表されているのは
・国内での年間販売計画台数 500台
・メーカー希望小売価格 1,200,000円(税抜)
・9月20日(木)発売
当然、これまでホンダでラインアップされていたCRF450RXやCRF250Xの「レーサー」扱いではなく、あくまで「デュアルパーパスモデル」としていることが明記されている。また、オブラートに包むことなく「モトクロス競技専用車「CRF450R」をベースに公道の走行に必要な保安部品を装備した〜」と書かれているところにも注目。90年代の2ストトレール達の中には、まさしくこのコンセプトだった車両もあったけど、それ以来の事件だと言えるだろう。
なお、前報にもあるとおり、このCRF450LはRと異なり、わざわざ6速ミッションを積むためにフレームを再設計している。
トレール、公道をレーサーべースの450で走ろうと思えば、外車の選択肢もあるけれど、120万円では到底無理。さらには、ホンダの公道用耐久テストをくぐり抜けるほどの、汎用性を持たせることは不可能に近い。CRF450Lは、現時点でオンリーワンの代用の効かないマシンなのだ。
7.6Lのチタンタンクに、R比65mmも低いシート、最適化されたパワーデリバリー
通称名 | CRF450L | CRF450RX | ||
車名・型式 | ホンダ・2BL-PD11 | ホンダ・PE07 | ||
全長 (mm) | 2,280 | 2,175 | ||
全幅 (mm) | 825 | 827 | ||
全高 (mm) | 1,260 | 1,240 | ||
軸距 (mm) | 1,482 | 1,477 | ||
最低地上高 (mm) | 328 | 299 | ||
シート高 (mm) | 895 | 960 | ||
車両重量 (kg) | 131 | 116 | ||
エンジン種類 | 水冷 4ストローク OHC 4バルブ 単気筒 | |||
総排気量 (cm3) | 449.7 | |||
内径×行程 (mm) | 96.0×62.1 | |||
圧縮比 | 12.0 | 13.5 | ||
燃料供給装置形式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> | |||
始動方式 | セルフ式 | |||
点火装置形式 | DC-CDI式 | |||
燃料タンク容量 (L) | 7.6 | 8.5 | ||
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | 常時噛合式5段リターン | ||
変速比 | 1 速 | 2.357 | 2.133 | |
2 速 | 1.705 | 1.706 | ||
3 速 | 1.300 | 1.421 | ||
4 速 | 1.090 | 1.211 | ||
5 速 | 0.916 | 1.043 | ||
6 速 | 0.793 | - | ||
減速比(1次/2次) | 2.357/3.923 | 2.357/3.846 | ||
キャスター角 (度) | 29°30´ | 27°25´ | ||
トレール量 (mm) | 127 | 116 | ||
タイヤ | 前 | 80/100-21M/C 51P | 90/90-21 54M | |
後 | 120/80-18M/C 62P | 120/90-18 65M | ||
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク | ||
後 | 油圧式ディスク | |||
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立サスペンション) | ||
後 | スイングアーム式(プロリンク) | スイングアーム式(プロリンク) | ||
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
ここでは、かなり性格の近いCRF450RXとの比較をしてみた。ここから読み取れるのは…
1.低圧縮化によりコントローラブルな特性
2.巡航に多用できる6速ギア
3.操安性を高めたキャスター・トレール
といったところ。また、燃費に関しては国土交通省届出値で31.0km/Lを確保している。実質燃費で言えば、2ストロークのトレールよりも向上するのではないだろうか。
ネット界隈で話題になっていた18kW(24PS)/7,500rpmの出力に関してだが、最高出力を抑えているにとどまり、一般に公道やエンデューロで使うことで「パワーがない!」と思うことは皆無だと思う。むしろ、圧縮比12.0のショートストロークエンジン、とてもではないけど林道ツーリングで使い切るには相応の腕が必要だ。どんなに出力を抑えたとしても、レーサーべースである以上、羊の皮をかぶったオオカミなのだ。
エアクリーナーエレメント | 6ヵ月毎に点検、3年毎に交換 |
エンジンオイル、オイルクリーナー | 1,000km毎、または4ヶ月毎に交換 |
フューエルフィルター | 3,000km毎、または1年毎に交換 |
冷却水 | 3年毎に交換 |
吸気バルブ/排気バルブ、ピストン、ピストンピン、ピストンリング | 30,000km毎に交換 |
クランクシャフト、クランクシャフトベアリング、カムチェーンテンショナー | 30,000km毎に交換 |
トランスミッション | 30,000km毎に点検 |
点火プラグ(イリジウム) | 30,000km毎に交換 |
メンテナンスは、異例のこのサイクル。