アドベンチャー界の「王者」が
新エンジンを得てさらなる高みへ
お膝元であるドイツのインターモトでBMWが公開した「目玉」のひとつが
このR1250GS。ちょっと前からティーザー動画なども流れていたので、
ご存知の方も多いと思いますが、なんと言っても今回のハイライトは
新しく採用された新世代ボクサーエンジンでしょう。
新世代ボクサーエンジンに採用された
新機構、その名も「シフトカム」
従来のボクサーエンジンよりちょっとだけヘッドが盛り上がった形状となっている
この新エンジン。排気量は1254ccで、新機構の「シフトカム」を採用しています。
上のイラストはその構造を示したもので、吸気側のカムシャフトにバルブリフト量の
大きいプロフィールと小さいプロフィール、2種類の山を設定して、これを
ヘッド内に設定したアクチュエーターでスライドさせて作動させる仕組みです。
排気量アップによる効果もありますが、最高出力は125HPから136HPにパワーアップ。
トルクも全域で向上しているほか、アイドリング回転数を100rpm下げて静かになり、
おまけに燃費も4%向上と、いいことづくめのエンジンに仕上がっているのです。
もちろん、増大したパワーに対応して、アンチホッピング機構がクラッチに追加されています。
アドベンチャーの王者にふさわしい先進装備。
新グレードも登場してバリエーションも豊かに
今回の新型R1250GSには3タイプのグレードが用意されています。
最もスポーティなキャラクターとなっているのが、スポークホイールに
ブロックタイヤを採用、スクリーンをショートタイプとして、
BMWのモータースポーツカラーにコーディネイトされた「HP」、
専用ボディカラーのブラックを採用して、足回りも同様にブラック仕上げとした
「エクスクルーシブ」、そしてスタンダードです。
スタイリングは基本的に現行のものを継承。現時点で、日本に
どのグレードが導入されるのかは未定ですが、自分の好みに合わせて
3つの「個性」の中から選べるというのは大きなポイントです。
6.5インチという、タブレットに迫る大きさのカラーTFT液晶メーターは
視認性抜群。このように車両の状態もひと目で把握できるほか、
ロード、レイン、エンデューロ、ダイナミックと、走行状況に応じて
選択できるライディングモードも採用していますし、ダイナミックESA、ABSプロ
と言った電子制御ライディングアシスト群もさらに進化。
ライバルのさらに先を行く、充実進化となりました。
盛りだくさんの内容で、今回のアップグレードの内容を
お伝えしきれませんが、続きは月刊オートバイ12月号にて
たっぷりご紹介しますので、そちらもお楽しみに!
SPECIFICATIONS
全長x全幅×全高 2207x952.5xNAmm
ホイールベース 1525㎜
シート高 850/870㎜
最低地上高 170mm
車両重量 249㎏
エンジン形式 空水冷4ストDOHC4バルブ水平対向2気筒
総排気量 1254㏄
ボア×ストローク 102.5x76mm
圧縮比 12.5
最高出力 136HP/7750rpm
最大トルク 1143Nm/6250rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 20L
キャスター角/トレール NA/109mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ305㎜ダブルディスク・φ276㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70R19・170/60R17