2台のSがエキサイティングにする日常。
SUZUKI のハイエンドモデルに許される「R」の称号を与えられたGSX-Rシリーズと、その兄弟車と言えるGSX-Sシリーズ。主戦場は違え、それぞれのステージで求められる性能が異なる事で、キャラクターだけではなくその凄みが受け取れるほどに進化を遂げている。そして、GSX-S1000 ABSとGSX-S1000FABS、ストリートスプリンターが見せる横顔とは! ?
エクササイズがてらの超距離トリップ。
退屈な週末にケリをつけ、舵を向けた先が目的地。
トラベルプランを立てるのは得意ではない。情報が溢れる世の中だけど、敢えてそれらを見ないで、その瞬間瞬間の出逢いにハッとして心を熱くしたい。行き先だって決めないで走りだすのが私流。私流とはいうものの、ただドーンと一気にワープ出来ちゃう様な、日常から飛び出す様な、そんな唐突感が刺激的だったりする。
無計画? ノープランこそ旅の醍醐味じゃない? 行って来いの時間さえ計算出来れば、万事オッケー! のはず。でも、それも、ロングトリップを苦もなく誘う相棒がいてこそだと思う。体力的に自信があっても、集中力や体力は知らず知らず削られてしまうもの。しょうがないよね? でも、私が選んだFなら、ドーンと身体を預けているだけで良い感じ! 高速巡航でもハードさを感じる事無く、むしろ大きなチカラを浴び続けることが出来るから、とっても贅沢な時間を過ごせるんです。その頼もしさに、すっかりトリコになっている私がいた。
往く道も帰りもある 快適さは最大の武器に
ストリートでの走りに磨きを掛け、アップライトなライディングポジションに絶対的な扱いやすいGSX -S1000 ABS。そして、高速巡航を快適に、一気に行動範囲を拡大させてくれるフロントカウル装備のGSX -S1000F ABS。同じ車体を共有する2台は、似ている様で似ていない、似ていない様で似ている。
Fは、滑らかなラインを基調とし、大きく前方へスラントしたフロントカウルが最大の特徴で、アップライトなハンドルポジション設定にも対応するスポーツモデルと異なるデザインとなっている。もちろん、その効果は絶大で、ツアラーの様な大型フェアリングではないものの、起き気味の乗車姿勢をカバーするほどの防風効果を発揮する。
窮屈な姿勢を強要する事もなく、それでいてコンパクトでスタイリッシュ、ベストバランスで最大の効果が得られているといえよう。しかも、このサイジングにデザインは、クラスを越えた軽快なステップワークをスポイルする事なく、集中したマスのバランスを崩す事がないのだ。
快適な居住空間を生むフェアリング効果は、高速巡航時に疲労軽減に貢献するのは言うまでもないが、さらに、重厚なトルクを発生させるエンジンにより長時間走行に於いてもストレスを受けづらくなっている。街乗りから、一気にロングトリップを苦もなくこなす、同じSでもフルカウル仕様のFという選択もおススメだ。
SUZUKI GSX-S1000F ABS
価格=118万5,840円(税込)
GSX-S1000F ABSは、サーキット生まれのGSX-RのDNAを受け継ぎながら、ストリートで豪快な走りが楽しめるビッグネイキッドとして人気のGSX-S1000をベースに開発された。GSX-S1000の基本メカニズムやワイルドなイメージを受け継ぎながら、デュアルヘッドライトと大型スクリーンを備えるフルカウルを装備することで、長距離の高速走行などの快適性を大きく向上。スポーティな走りからツーリングまでをカバーする、オールラウンドな性格を与えられた。
ネイキッドのGSX-S1000から一転、デアュアルヘッドライトを備えたフルカウルでイメージチェンジしたGSX-S1000F ABS。しかしシリーズ共通のワイルドさは変わらず、狩りをする野獣をイメージしてデザインされているという。
全長×全幅×全高 2115㎜×795㎜×1180㎜ ホイールベース 1460㎜ シート高 810㎜ 車両重量 214kg エンジン形式 水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ 総排気量 998cc ボア×ストローク 73.4㎜×59㎜ 最高出力 148PS/10000rpm 最大トルク 10.9kgm/9500rpm 燃料供給方式 FI 燃料タンク容量 17L 変速機形式 6速リターン タイヤサイズ前・後 120/70ZR17・190/50ZR17 価格 118万5840円(税込)
撮影:柴田直行 モデル:国友愛佳 文:小松信夫/編集部
ウエア協力:AraiHelmet / KADOYA / Alpinestars