青木タカオ
フラットトラック全米選手権の最高峰クラス「AFT Twins」を席巻しているワークスマシン・スカウトFTR750のDNAを受け継いだバイクだから、喉から手が出るほど欲しいというのがファンの心情だろう。独自のクロモリパイプ製トラスフレームや、狭角53度ではなく60度のVツイン、マフラーが左出しではないなど、細部を見るとピュアレプリカではないものの、雰囲気はどう見てもワークスFTR。こんなにもフラットトラックレーサーの匂いがするモデルは他のメーカーにはない。スポーツスターの人気が絶頂だった頃、XRレプリカも流行ったが、今度はライバル・インディアンでその再燃があり得るかもしれない!! 名門復活を強く感じる。
アオキシン
この車輌を見たときはときめいた。カッコイイではないか!
トラッカースタイルは、とかく懐古的だったり、コンベンショナルだったり、あるいは近年流行りのチョッと尖ったストリートカスタム(個人的にこれのほとんどは見た目だけだと思う)である場合が多いのだが、これは違う。メーカーが、現代の技術をもって本気でビッグトラッカーを作るとこうなる、というもの。メーカーのやる気が漲っている。高品位な作りで美しい仕上げなのはもちろんだが、単にそれだけではない本物感が漂っている。走りを追求した結果生まれる機能美を感じるのだ。
AMAでナショナルチャンピオンを取るまで一切公表しなかったところも、実直でカッコイイ。
※記事は月刊オートバイ2019年2月号より
SPECIFICATION
●水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒1203cc
●120HP/8250rpm
●11.7kg-m/6000rpm
●222kg
●805mm
●13L
●120/70R19・150/80R18