大波乱のステージ8 ホンダのトップランカーが無念のリタイア
現地1月15日、サン・ファン・デ・マルコナ~ピスコ間の575km(内、スペシャルステージ360km)でステージ8が行われました。現在日本では冬真っ直中ですが、南米ペルーは真夏。ステージ中、ペルー独特の柔らかい砂と、40℃に達する気温が参加者たちを苦しめます。
このエリアはラリー序盤にも通過した場所ですが、そのルートやコース設定は前半のものとは全く異なるフォーマットで行われました。このステージ8では通常の2輪、4輪、トラックと分かれてスタートをする方式ではなく、2輪、4輪両カテゴリーの上位10台が混合してスタートする方法が取られました。
このステージを先頭でスタートを切ったのは、ホンダのホセ・イグナシオ・コルネホでした。コルネホは終始先頭でステージを切り開きます。終盤、このステージで4輪カテゴリーの8位に入るステファン・ペテランセル(ミニ)に追い抜かれるものの、フィニッシュ直前には砂丘でスタックしたペテランセルを再び追いこしました。
総合1位がまさかのリタイア。ダカールラリーは何が起こるか分からない
しかし、これまで総合1位だったホンダのエース、リッキー•ブラベックをこの日、不運が襲います。リーダーボードで2位に8分近い時間差をステージ7までに築いたブラベックは、力強い走りでそのマージンをさらに稼ぐ決意でこのステージに臨みました。しかし、ブラベックのマシンはウエイポイント1を通過してまもなくマシントラブルに見舞われ、ラリーの継続ができず無念のリタイアとなってしまいました。マシントラブルの原因は今のところ不明ですが、主催者の発表ではエンジントラブルでストップしたとのことです。
レース後のインタビューでリッキー•ブラベックは次のようにコメントしました。
「とても残念です。なんと言えばいいのか分かりません。しかし、総合でトップになったのはすごいことでした。チームが私たちをサポートしてくれて本当にうれしいです。いい雰囲気と私への信頼が感じられました。それが、私がこのレースですばらしい日々を送れたことの助けになりました。実力を示すことができた戦いに満足しています。来年は今回以上のモチベーションを持って次のダカールに戻ってきます」
ステージ8 リザルト
1. M.ウォークナー(KTM)03:55'25
2. P.クインタニラ(ハスクバーナ)03:56'10 +00:00'45
3. T.プライス(KTM)03:56'38 +00:01'13
4. A.ショート(ハスクバーナ)04:05'16 +00:09'51
5. A.ファン・ビファレン(ヤマハ )04:07'13 +00:11'48
【暫定総合順位】
1. T.プライス (KTM)28:53'08
2. P.クインタニラ(ハスクバーナ)28:54'11 +00:01'03
3. M.ウォークナー(KTM)28:59'43 +00:06'35
4. A.ファン・ビファレン(ヤマハ)29:03'02 +00:09'54
5. A.ショート(ハスクバーナ)29:32'35 +00:39'27
ダカールラリー2019も、残すステージは2つ。明日のステージ9はピスコ周辺に設定されたループルートであり、競技区間313kmを含む409kmで行われます。最終日の競技区間が112kmと短いことを考えれば、明日のステージ9は今回のラリー最大の山場となるでしょう。そのスタート方式は、ステージ5でも行われた、モトクロススタイルの一斉スタートが予定されています。いよいよ2019のダカールラリーも最終章。最後まで目が離せません!