高速走行で発揮される運動性能の良さ
というわけで、今回乗ったのはVFR800Fだったんですが、もともと自分は、同じVFRでも1200Fを気に入っていて、国内仕様と海外仕様の2台を持っていたんです。高速走行に余裕があって、タンデムでも安全に走れるモデルなので、仲間と行く北海道ツーリングにも1200で行ってたほど。ホンダのリッターモデルは他にもありますが、いくら体力的に余裕があっても、CBR1000RRでタンデムの長距離ツーリングはさすがにキツイ。大きさ的にはCB1300も良かったけど、トルクの出方がVFRの方が自分の好みだったんです。結局1200は人に譲ってしまったんですが、じつは今、もう一度買おうかと悩んでいるほど、気に入ってるツアラーバイクなんですね。
800に対しても、同じVFRだし、最初はもっとツアラー寄りのバイクだと思ってたんですよ。でも実際に乗ったらコレ、思いきりスポーツバイクですね(笑)。
正直、街中で乗っていた時は、足まわりもゴツゴツしてるし、ステップ位置が微妙に感じたりで、いまいち良さが伝わってこなかったんです。それは作りが安いとか、ダメなバイクという意味ではなくて、高級な感じはキチンとする。ただサスペンションの設定はスーパースポーツ並みに硬いし、エンジンももっとトルクあってもいいように感じて、どこを狙ったバイクなのか、混乱したんですね。特に自分の場合は、アタマの中に1200のツアラーとしての感覚があったので、それと比較してしまったのもありました。
でも、高速道路で使うスピードレンジになると印象が一変したんですよ。高速レンジになった時に、足まわりもちょうど良くなるんです。スピードが乗ると、サスペンションが滑らかにショックを吸収していくのがわかる。ミッションのタッチも、ブレーキの効きやタッチも良くなったように感じました。エンジンも、5000回転以上になった時が、非常にいいフィーリングなんです。ハイパーVテックに入らなくても、5000回転以上がとても良い。余計な振動やストレスもなく、常用できる回転数がそれくらいなんでしょうね。高速での直進安定性もいいです。今日は横風がすごく強かったですけど、全然不安がなかったし、外乱にも強い印象です。
こうした高速レンジでのマシン特性や、ブレーキレスポンスの良さを考えると、つまりは、ホントにスーパースポーツなんですよ(笑)。そうと解れば全部に納得がいくというか、前述したRC45からの流れを感じるバイクなんだなって。だから、パッと乗って街中だけだとちょっと勘違いするかもしれないけど、少し飛ばし始めた時にこのバイクでしか味わえない、運動性能の高さが分かる。タンデムもできるツアラーのルックスだけど、スーパースポーツ並みの走りが楽しめるバイクですね。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2140×750×1210㎜
ホイールベース 1460㎜
シート高 809/789㎜
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
総排気量 781㏄
ボア×ストローク 72.0 × 48.0㎜
圧縮比 11.8
最高出力 105PS/10250rpm
最大トルク 7.6㎏-m/8500rpm
燃料タンク容量 21ℓ
変速機形式 6速リターン
キャスター角 25゜ 30′
トレール量 95㎜
タイヤサイズ(前・後) 120/70ZR17・180/55ZR17
ブレーキ形式(前・後) φ310㎜ダブルディスク・φ256ディスク
カラーバリエーション ヴィクトリーレッド、
ダークネスブラックメタリック、
パールグレアホワイト