冬季テストではマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)有利、そこにマルク・マルケス(ホンダ)、アンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)がどう絡むか、同じく冬季テストで好調だったアレックス・リンス(スズキ)は? ホルヘ・ロレンソ(ホンダ)のけがの回復は――が焦点となっていたMotoGP開幕戦カタールGP。土曜ほどの風は吹いていなかったものの、ナイトレースということもあって、気温18℃/路面温度19℃というコンディションで決勝レースが行なわれました。ライダーたちが開始時刻を早めるようにアピールしたのがよくわかりますね。
現地時刻午後16時前に行なわれたウォームアップ走行では、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)→マルケス→リンス→ビニャーレス→フランコ・モルビデリ(ヤマハ)→中上貴晶(ホンダ)の順でTOP6。この時点では気温25℃/路面温度33℃だと記録されているんですね。MotoGPの決勝レース開始はそれから4時間後、現地時刻20時です。

画像: 記念すべき開幕戦のスタート! 最初のホールショットはドビツィオーゾ!

記念すべき開幕戦のスタート! 最初のホールショットはドビツィオーゾ!

 決勝レース、好スタートを切ってホールショットを奪ったのはドビツィオーゾ。ジャック・ミラー(ドゥカティ)が並びかけるように1コーナーに進入し、マルケス、カル・クラッチロウ(ホンダ)の後方に、なんと3列目9番グリッドスタートからジャンプアップした中上がつけます! その後方にビニャーレス、そしてスズキのルーキー、ジョアン・ミル!
 レースはポジションが落ち着くまで、ドビツィオーゾの番手争い。ミラー、マルケス、クラッチロウがドビツィオーゾの後方につき、さらに4列目スタートのリンスがポジションアップ。この中からミラーが「スポンジトラブルでシートを取り外さなくてはならず」(プラマックドゥカティ)スローダウンして脱落、かわってリンスが先頭争いに加わります。シートスポンジトラブルってなんだ??

画像: 序盤、好スタートでリンスより前でレースしたミル 徐々に下がりましたが、開幕戦ルーキー最上位!

序盤、好スタートでリンスより前でレースしたミル 徐々に下がりましたが、開幕戦ルーキー最上位!

 ここからレースは動きます。展開としては、路面温度が低いために各ライダーともソフトタイヤを選ばなくてはならず、そのためにタイヤ消耗をセーブしながらの、そう速くないペースだったようですが、その中でリンスが活発に動き回ります。5周目にドビツィオーゾ、マルケスの後方につくと、そのままマルケス、ドビツィオーゾをかわしてトップに浮上! 4列目10番手スタートでこの走りはスゴい! ただ、タイヤそんなに使って大丈夫?と思うくらいペースを落とすことなく、ばんばん先行車をかわしていきます。ただ、インフィールドで速いリンスも、最終コーナーで前に出て、そのままストレートで抜き返される、という展開。トップスピードはやはりドゥカティで、ホンダも今シーズンはそこに迫っていますが、スズキはやっぱりまだまだトップスピードが足りないようです。

画像: レースが後半に入るころ リンスは今日のエンターテインナーでした!

レースが後半に入るころ リンスは今日のエンターテインナーでした!

 レース中盤、トップグループは、リンス→ドビツィオーゾ→マルケスあたりが順位を変えながら、その後方にクラッチロウ、ミル、ペトルッチ、その後方にビニャーレス、ロッシという展開。14番手スタートのロッシが、トップ集団の最後尾に食らいつき始めました。
 レースが後半に入ると、ペトルッチが一時2番手あたりまで浮上しますが、これは続かずに少しずつ後退。依然としてリンス、ドビツィオーゾ、マルケスという3メーカーのマシンがトップを争います。誰が抜け出すでもなく、ドビツィオーゾが集団を引っ張って、マルケスは前に出られないのか、出ないのか。リンスは前に出たがってるけど、今ひとつ抜け出せません。
 そんな展開で、いよいよレース終盤。何度もアタックを繰り返すリンスが、ストレートでギリギリまでブレーキングを我慢したすえにオーバーラン! ストレートスピードを補おうと、ギリギリまでブレーキングを我慢したら、もうタイヤが残っていなかった――そんなシーンにも見えました。しかしリンスはオーバーランしすぎずにうまくラインに戻り、これで順位はドビツィオーゾ→マルケス→クラッチロウ→リンス。この4台が抜け出し、ついにペトルッチをかわしたロッシが5番手に浮上!

画像: マルケスがトップを走ったのはほんの数度 ドビツィオーゾにしてやられました

マルケスがトップを走ったのはほんの数度 ドビツィオーゾにしてやられました

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