AMA王者の血統にふさわしい充実した内容とパフォーマンス
インディアンとしては初の本格的なスポーツモデルとして登場したのがこのFTR1200。
その車名から分かるように、AMAを制したワークスマシン、FTR750の流れを汲んだ本気のトラッカーだ。
排気量こそ1200ccだが、各部の造りや構成パーツは最新のトレンドに沿ったもの。
デザインもワークスマシンのフォルムを極力忠実に市販車に落とし込んだもので、全体的にまとまりがよく、スポーティでバランスのいい美しさを見せる。
インターモトのプレスデー前日にワールドプレミアを開催、会場にはポラリス本社の経営陣も姿を見せたほか、オープニングではAMAチャンピオンのジャレッド・ミーズ選手が自らFTR1200で登場、派手なバーンナウトをステージで決めるなど、インディアンの並々ならぬ意欲が感じられる発表会となった。
その理由は「インディアンをもっと世界的なブランドにしたい」という、発表会の席上でのインディアン側のコメントに集約されている。
単なるスポーツモデルではなく、AMAのチャンピオンマシンの血統。
「ホンモノのトラッカー」としての勲章も添えて登場したFTRは、インディアンの野望を乗せた世界戦略車なのである。
SPECIFICATION
全長 2287mm
ホイールベース 1524㎜
シート高 805㎜
最低地上高 NA
車両重量 222㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
総排気量 1203㏄
ボア×ストローク 102×73.6㎜
圧縮比 12.5
最高出力 120HP/8250rpm
最大トルク 115Nm/6000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 13L
レイク角/トレール 26.3度/130mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ320㎜ダブルディスク・φ265㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70R19・150/80R18
コンパクトなボディに積むのは120HPのDOHCツイン!
このマシンの母体となるのはインディアンがAMAフラットトラック選手権に投入するワークスマシン、FTR750。
ハイチューンなワークスレーサーのピュアレプリカを造るのではなく、多くのライダーにトラッカーを楽しんでもらえるよう、扱いやすさも考慮して、エンジンは新設計の60度Vツイン、1203cc・DOHC4バルブユニットを採用。
トルキーで扱いやすさに優れるとはいえ、それでもパワーは120HPと十分異常なスペックを確保している。
これに組み合わされる車体は鋼管トレリスフレーム。
倒立フォークにブレンボキャリパー、フルアジャスタブルのリアショックと、足回りも豪華な上、上級グレードのSにはIMUを装備、コーナリングABSやパワーモードまで備えている。
そのほかの装備も豪華だ。
Sにはタッチスクリーン式のメーターを採用、最新のスポーツバイクのトレンドに沿った仕様としているほか、ヘッドライト、ウインカー、テールランプはオールLED。
しかも、全車にクルーズコントロールを標準採用、日常での使い勝手にも配慮している。
スタイリッシュでスポーティ、しかもAMA王者の「血統書」つき。
世界的な大ヒットは確実なFTR1200、早く日本国内でも乗ってみたい1台だ。
DETAILS
水冷の1203cc・60度Vツインはインディアンの人気クルーザー、スカウトと同じDOHC4バルブ。
120HPというパワーは、トラッカーとしては非常にパワフルなもので、同時に大排気量らしくトルクも豊か。
マフラーは右2本出し。
サイレンサーエンドの四角い形状が印象的だ。
LEDテールランプはシートエンドのラインとつながったユニークな形状で、リアセクションの美しさに大きく貢献。
テールカウルをスパッと切り落としたかのようなデザインだが、テールランプの絶妙な形状のおかげで違和感はない。
シートは肉厚でホールド性に優れたものを採用している。
車体右サイドにマウントされるリアショックはザックス製のフルアジャスタブル。
上級グレードのSにはゴールドのリザーバータンクも備えたハイグレードユニットを採用している。