それまでの流れでは、2年ほどで生産が打ち切られニューモデルに完全移行するのが一般的であったが、この頃から国内市場のカタナの相場が120万円前後まで下がり、逆輸入台数が増加。
87年までこのまま生産が続けられた。
1990 GSX1100S KATANA (SL)
SAE、SBEを最後の生産が打ち切られるが、日本における中古車価格の急騰とファンの熱望を受け、スズキ創業70周年記念モデルとして1000台を限定生産。
日本市場への逆輸入を前提としてシートベルトが装着され、発表時から119万円の価格が付けられていた。基本的にはSAEと共通だが、ブレーキホースの一部がステンメッシュ化され、マスターシリンダーのメーカーをアイシンからニッシンに変更。
ブレーキパッドが焼結メタルとなり、ブレーキレバーがアジャスタブルになるなど、細かな変更が加えられた。
70周年記念モデルは当初SM型と呼ばれたが、1000台完売後もタンク上に記念ステッカーのつかない仕様をSL型として継続販売。後にまとめてSL型と分類された。
1994 GSX1100S KATANA (SR)
衰えることのない国内におけるカタナ人気とオーバー750解禁の流れを受け、衝撃のデビューから13年の時を経て、ついに国内仕様が登場した。
1994年3月に当時価格89万9000円で販売が開始された。
最高出力は95馬力に削られたが、ANDFの廃止や、リザーバータンク付きリアショックの採用、デジタル点火やオイルクーラー、400㏄並みのレバー操作力を実現する電動パワーアシストクラッチ、サイドスタンド格納忘れ防止機能、常時点灯式ヘッドライトなどの装備によって、ハンドリングや操作性などが洗練されている。
2000 GSX1100S KATANA (SY)Final Edition
衝撃のデビューから20年という、大型モデルとしては稀有なロングセラーを続けてきたGSX1100Sカタナもついにファイナルモデルが登場した。
2000年3月に、排気量にちなんで1100台が当時価格99万円で市販された。
ボディカラーに輝光感の高い2コートクリア仕上げのソニックシルバーメタリックを採用し、ブラック仕上げのエンジンや前後ホイールとの組み合わせで高級感を演出。
切削加工が施されたトップブリッジ上面には、シリアルナンバー入りプレートが貼り付けられた。フレーム各部に補強が加えられ、φ300㎜フローティングディスク+トキコ製対向4ピストンキャリパー、チューブレスタイヤ、ゴールドチェーン、ボルトオン式ステップブラケットなどを採用。
外観だけでなく、性能や整備性の面でも高いクオリティが与えられた。
”最後のカタナ”ということで、程度の良い個体は250〜300万円ほどのプレミア価格となっている。