実際に使ってみたからわかるリアルで実用的なインプレッションで、そのアイテムの魅力に迫ります!
「本物のオートバイを自分で組み立てる」という貴重な楽しさを味わえるのがキットバイクの仔猿。
連載1回目で組み立ての概略を、2回目でナンバー取得までを紹介したが、今回は檻から出して公道を走らせてみた。
仔猿はホンダ製4サイクル31㏄または35㏄の汎用エンジンを使っている。
エンジンの始動は約700㏄容量の燃料タンクにガソリンを入れ、キャブレターに付いている手押しポンプを指で何度か押してガソリンをキャブレターに送ってからスターターレバーを引き、エンジン右側にあるリコイルスターターを手で引っ張るという手順。
ガソリンさえ入っていれば10秒ほどで始動できる。
自動遠心クラッチ+単速ギアなので発進/加速はスロットルの開閉だけ。
前後ブレーキはスクーターと同じ左右レバーだから運転は簡単だが、前後ホイールが4インチと小さいうえにホイールベースも570㎜しかないので直進安定性は決して良くない。
特に走り出しはフラフラして怖いと感じるだろう。
駐車場などで発進・停止とUターンを練習して超小型バイク独特の操縦性を体で覚えることが仔猿と付き合う第一歩だ。
最高速は原付の法定速度である30㎞/hを軽く超えるが、交通量の多い幹線道路を走るには相応の覚悟が必要になる。
操縦安定性がギリギリだし、車体が小さいので他車からの被視認性も低い。まさに仔猿が猛獣だらけのジャングルに迷い込んだ状態になってしまう。
それよりも自動車に積んでいって、目的地で降ろして散策するような使い方が現実的。
乗用車のトランクはもちろん、助手席にも乗せられる。
仔猿ユーザーの中にはガソリンを抜いて大きめのバッグに入れて電車で移動する人も居る。
低い速度で景色を楽しみ、周囲の注目を浴びながらのんびりと走れば、他のオートバイでは絶対に感じることができない世界に浸れるはず。
それも『仔猿ワールド』のひとつだ。