HONDA VFR800F 2019年カラー
2019モデルはカラーバリエーションを変更するとともに、ETC2.0車載器を標準装備。
1980年代に米国のレースシーンで活躍した「VFR750F インターセプター」を想起させるカラーリングのパールグレアホワイトを新たに採用。 サイドカウルに「INTERCEPTOR」ロゴを配するとともに、フレームにシルバー、ホイールにはパールホワイトの塗装を施すことで、スポーティーなイメージに。
スポーティで爽快な走りはVFRの真骨頂!
VFR1200Fは高速クルージングを得意とする長距離ツアラー的な性格。
では数年ぶりにフルチェンジされ、日本市場に投入された800の狙いは何か?
幅の狭いV型4気筒エンジンとアルミツインチューブのメインフレームなどは94年に発売されたかつてのSSモデル、RVF/RC45の流れを汲むものだが、外装から前後ホイール・サスペンションに至るまで、すべてが刷新された。
引き締まったスタイルにまとめられ、落ち着いたツアラーというよりも品の良いスポーツモデルという印象を受ける。
車体は同程度の排気量を持つライバル車の中でもコンパクトな方だが、やや高めのハンドルと着座位置によってポジションに余裕があり、スポーツライディングと高速クルージングでの快適性を両立している。
慣熟走行で5000回転以下で走ってみると、想像していたよりもおとなしい反応。
6速・50㎞/hからでも加速するが、力強さは希薄でダラ〜ッと速度を増す。
しかしタコメーターを見ずに感覚だけで走らせると様相が一変。
威勢のいい排気音に変わったのを合図に、8000回転程度からトップエンドの1万1000回転まで鋭く吹け上がる。
ハイパーVTECの、2バルブから4バルブへの切り替えは注意していても気づかないほどスムーズだが、加速力の上乗せは明確に体感できる。
このSSのような爽快さを持つエンジンが新型VFRの魅力の核になっている。
6速・100㎞/hでは約4300回転だが、振動が少なくて吸排気音も静かなのでそれほど回っている感じがしない。
ウインドプロテクション性能が見た目以上に高いこともあり、高速クルージングはSSモデルやネイキッドとは比べ物にならないほど快適だ。
ハンドリングもスポーツ性が確保されていて、加減速でのピッチングモーションが抑えられ、旋回中の姿勢も安定している。
旧型は前後連動ブレーキを採用していたが、これを廃止したことでワインディング走行でのリズムも格段に取りやすくなった。
ただし、スポーティなサスペンションセッティングによって、ソロで乗っていると市街地ではやや硬く感じる。
調整範囲の広い前後サスペンションを積極的に活用するといいだろう。
全体に速度レンジの高いヨーロッパに合った性格で、国内では一般道路ののんびりツーリングよりも、高速道路と峠道を多く走るルートで真価を発揮するはずだ。
SPECIFICATION
●全長×全幅×全高:2140×750×1210㎜
●ホイールベース:1460㎜
●シート高:789/809㎜
●車両重量:242㎏
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
●総排気量:781㏄
●ボア×ストローク:72×48㎜
●圧縮比:11.8
●最高出力:105PS/10250rpm
●最大トルク:7.6㎏-m/8500rpm
●燃料供給方式:PGM-FI
●燃料タンク容量:21ℓ
●キャスター角/トレール:25度30分/95㎜
●変速機形式:6速リターン
●ブレーキ形式 前・後:φ310㎜ダブルディスク・φ256㎜ディスク
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17**
RIDING POSITION ●身長:176㎝ ●体重:60㎏
SSのハンドルを高くしたようなポジション。
上体は前傾だが、高速走行では風圧とバランスするので疲れない。
シート高は固定位置を変更すれば20㎜下げられるが、ハンドリングの良さがスポイルされるから、できるだけ高い方の位置で乗ったほうがいい。
DETAILS
タンデムシート下のスペースには、主にツアラー的な用途を想定したモデルだけに、高速道路の走行に便利なETC車載器を搭載する。
シャープなエッジを組み合わせて構成された軽快感を感じさせるフロントカウル。
VFR1200Fから受け継がれるX形状のLEDヘッドライトを装着、精悍な表情が印象的だ。
工具を使わずリアサスのイニシャルを調整できるアジャスターも装備。
タンデム時や重量物を搭載した場合でも簡単にセッティング変更できる。
新開発のインナーチューブ径Φ43㎜のカートリッジタイプ正立フロントフォーク。
アルマイト仕上げのアウターチューブが高級感を感じさせる。