ホンダCB400スーパーボルドール/ツーリング能力の真価をキャンプ旅で問う!
8月最後の日、キャンプツーリングに出かけてきました。
月刊『オートバイ』のほうも校了直後で、1カ月で一番リラックスしているタイミング。というわけで、キャンプ好きメンバーで「編集部キャンプ」をすることに。
基本的に現地集合、現地解散。プライベートのキャンプツーリングはこれが一番楽です、はい。仲が悪いわけじゃないですよ。
僕は今回、愛車ではなく、ホンダCB400SBで向かうことに。
まず感じたことは、さすが歴史あるバイク、大きなバッグを積みやすい!
CB400SBの誕生は、2005年です。CB400SFになると、1992年までさかのぼります。
2005年以降、大きなモデルチェンジは3回。現行型のこのモデルは2017年に排ガス規制に対応するのと同時に、ブラッシュアップされました。
歴史あるバイクが荷物を積みやすいというのは、いい意味で元々の設計が古いから。
最新のスポーツバイクはリアシートが狭いですからね。CB400SB/SFは、座面が広く、大きなバッグも載せやすくなっています。
アドベンチャーモデルや、ツアラーに積むようなボリューミーな積載も楽々でした。
ただ、ストレッチコードを使う積載の場合は、荷掛フックの形状と位置がちょっと微妙です。今回のシートバッグはベルト4点留めのタイプ。シート下に取り付けベルトをくぐらせるタイプのバッグは相性がいいでしょう。
船に乗ったり、海沿いを走ったりしながら、目的地の千葉県館山市を目指します。
400cc・4気筒ならではの高回転走行が楽しい。「HYPER VTEC Revo」の魅力
CB400SB/SFは、バルブ制御システム「HYPER VTEC Revo」が搭載されています。
1気筒あたりの作動バルブ数を回転数に応じて2バルブ/4バルブと切り換える機構。その回転数は1~5速の場合、6,300~6,750rpm。6速の場合は、6,750rpmです。
この回転数に到達すると、エンジン音が太くなり、力強さを増します。
分かりにくいとは思いますが、キュイーン!と軽快に走っていたのが、ギュイーン!って図太くなる感じです。
ただ、6,750回転は、4気筒に慣れていないと、意識しなければ回さない回転数かもしれません。僕もそうでした。
250ccとちがい、400ccの余裕は大きく、低回転でも普通に走っちゃいます。ボケーっとあごを上げて走っていると、だいたい5,000~6,000回転でした。
また、2バルブ状態は低・中回転域で扱いやすく、頼もしいトルク感もあります。そのため、のんびり走っていてもストレスがたまらず、「このままでいっか」とも思えてきます。
ただ、ひとたび「よし、加速するぞ!」と上体を伏せてカウルの中に入り込んだ時、あっという間に6500、7000、8000……と回転数を上げていきます。
例えば、高速の合流や追い越しのとき。このときの加速感・爽快感は、400cc・4気筒ならでは。もっと言えばCB400SB/SFならでは、です。
最高出力41kW(56PS)は11,000rpm、最大トルク39N・m(4.0kgf・m)は9,500rpmで発揮。ここまで引っ張るのは、慣れていないとけっこう大変でしょう。
しかし、全力を出すまでもなく、充分に満足できるバイクだとも言い換えられます。
高校生の頃、CB400SFに乗る先輩の後ろに乗せてもらったことが、僕がバイクに乗りたいと強く思ったきっかけのひとつでした。
これまでの人生で経験したことない異次元の加速、身体が置いていかれる感覚。まるでスタートから一気に飛び出すジェットコースターのよう、いや、それ以上に気持ちいい!
アクセルをガバッと開くたび、このときの思い出が蘇ります。
荷物は約15kg、僕の体重は75kg、合わせて約90kgを載せているのに、ものともしない力強さ。
高速道路での100km/h走行は、5速で「HYPER VTEC Revo」が作動するかしないかの6,400~6,700rpmでした。
6速では6,000~6,300rpmほど。常に2バルブ状態、神経を使わないクルージング感覚で、長距離走行も快適です。
回転数により、乗り味が豹変する様は、まるで別のバイクに変わったかのよう。気持ちのスイッチを入れたとき、回転数を上げて、真の力を発揮します。
これがなんていうか、アニメのキャラがパワーアップするときみたいで、ワクワクするんですよ。
「CB400SF ver.R」で走った北海道
CB400シリーズの思い出は、最初が高校の先輩の後ろ、次に教習所(これ同じ人多いですよね?)、その次が北海道ツーリングでした。
2007年8月、20歳の頃、ひとりで向かった北海道、愛車はヤマハSR400。函館から入り、北海道もここからが本番という札幌で、電装系のトラブルが発生。
レッドバロン札幌に駆け込み、「修理の間使ってくださっていいですよ」と渡されたのが、このCB400Super FourバージョンRでした。
代車で、宗谷岬へ、さらに知床、富良野へ、と北海道の中でもおいしい部分を旅しました。
そのときの感想は、「速い! なんて快適なんだ!」です。
序盤でだらだらしすぎて、途中から急ぎ足で回らなければならなかった北海道一周の旅。
道北・道東は目的地から次の目的地まで移動距離が長く、愛車には申し訳ないけど「これはちょうどよかったかもしれない」なんて思いも。
SR400でのんびりトコトコも楽しいですが、一日でより長い距離を走りたい、といった状況ではCB400SF/SBに分があります。