350ccのマッハⅡを基にボアダウンしたマッハの末っ子

画像1: 350ccのマッハⅡを基にボアダウンしたマッハの末っ子

1969年に北米市場で販売を開始した、498.8㏄(60×58.8㏄)空冷2サイクル並列3気筒を搭載するマッハⅢ(H1)は、販売において大成功を収め、これを受けてカワサキは3気筒シリーズを構築することを決意。250㏄、350㏄、750㏄の排気量を加え、マッハⅠ/Ⅱ/Ⅳの愛称を与えた。

250㏄はS1、350㏄はS2の型式名を持ち、H1とは異なるフレームを新たに設計。また250㏄/マッハⅠは、350cc/マッハⅡをベースに排気量を縮小、車体や各部の装備はほぼ同じだとされた。

排気量でいえば、250SSはA1、350SSはA7の後継機種ともいえるが、これら並列2気筒モデルはA1がまず登場、A1が基のレーサー、A1Rの技術を投入しつつ排気量を拡大してA7が生まれたという生い立ちとは異なっており、350SSと同格の車体を持ちながら排気量を縮小した250SSはスポーティさに欠けるとの評価を受けざるを得なかった。

1974年型では外観を一新、車体寸法やエンジン性能を改める変更を実施。1975年型が最終型となり、1976年にはKH250がデビューした。

画像2: 350ccのマッハⅡを基にボアダウンしたマッハの末っ子

1972年2月に21万8000円で発売された初代マッハⅠで、正式な車名は250SS、型式名はS1となる。ただし、当時の資料やカタログには、250-SSとハイフンを入れたものもある。

曲線を基調とした燃料タンクやサイドカバー、アンバランスにさえ見える長いシートと大きなテールカウルなどは350SS/マッハⅡと共通、全長/全幅/全高:2010/800/1095㎜、軸距:1330㎜なども同一。

空車重量は149.5㎏に対し148㎏とわずかに軽量だ。しかし、並列3気筒は52.3㎜のストロークを変えずにボアを53→45㎜に縮小、346.2→249.5㏄へと排気量を引き下げており、エンジン性能は45ps/8000rpm、4.25kg-m/7000rpm→32ps/8000rpm、3.00㎏-m/7000rpmに低下。エンジンが車体に負けている印象は否めなかった。

1974 250SS MACH Ⅰ(S1B)

画像1: 1974 250SS MACH Ⅰ(S1B)

250SSは、1974年型/S1Bでモデルチェンジを実施した。ホイールベースは+45㎜の1375㎜に伸ばされ、最高出力は28ps、最大トルクは2.7㎏-mに減少。空車重量は154㎏に増えた。外観も異なり、燃料タンクは細長く、テールカウルは小型になる。

画像2: 1974 250SS MACH Ⅰ(S1B)

1975 250SS MACH Ⅰ(S1C)

画像1: 1975 250SS MACH Ⅰ(S1C)
画像2: 1975 250SS MACH Ⅰ(S1C)

1975年デビューのS1Cで、これが250SSの最終モデルとなる。カラーリングと燃料タンク側面にあるラインのデザイン変更のみで、スペックに変化はない。この後、2サイクル並列3気筒の250㏄モデルは、KH250へと名称を変更してラインアップに残り続けた。

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