能登路をゆっくりと。大型バイクにはない魅力がある

今回の被写体はホンダCB400SF。ネイキッドのスーパーフォア。『ゴーグル』で当時行なっていた、ホンダCBでゆくツーリングインプレの連載で、舞台は能登だった。

CB400SFは中型免許取得の時に教習車としてお世話になるバイク。たぶん日本のライダーに最も多く乗られているバイクだろう。

この上なく乗りやすく、ツーリングにもぴったり。名車の多いCBシリーズの中でも、CB1300SFと共に最も長く生産されている。

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ロングセラーゆえにカラーバリエーションも数え切れないほど。白赤がお馴染みだが、撮影車は2016年に追加されたチタニウムブレードメタリック。

色が変わっても、見る角度を変えてもスタイルが崩れない「これぞCB」という車体デザインは、さすが。

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あまり土地勘のない能登エリアでの撮影だったが、ツーリングはおおむね好天に恵まれてサクサク進み、ライダー役の編集者もゆったりと金沢や能登島でCBを走らせた。

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ほど良い距離にマッチする排気量と車体。個人的に日本の道はミドルクラスの方が合っていると思う。

一般道でも積極的にアクセルを開けて走れるCB400SFはビッグバイクとは別の楽しさを持っている。

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三方五湖レインボーラインではちょうど桜の満開時期に重なり、良い写真が撮れた。

桜のヘアピンコーナーが俺のお気に入り。CBを停めて海を眺めるには最高の場所だ。いつか自分でもバイクに乗って訪れてみたい。

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能登といえば、日本で唯一の砂浜を走れる千里浜なぎさドライブウェイ。

そこでもCB400SFで走ってもらった。なぎさドライブウェイは砂浜だが湿った砂が硬く締まっていて、普通のロードバイクでも走行できる。

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ここからは私ごとの話である。今でこそ世界中の名車という名車を撮影しまくってる身だが、自分が原付少年の頃には400ccに乗っている同級生がヒーローだった。

そして初めて400ccに乗ったのは故郷の海水浴での駐車場。同級生のCB400TホークIIの後輪を砂に埋めてしまった苦い思い出。

実際には数メートル走っただけでスタックしたので、もはや乗ったとは言えない。それでも「いつかは俺も400を買うぞ」大興奮したのを覚えている。

なぎさドライブウェイも海から離れた側の白い砂の上はふかふかでタイヤが埋まる。その後も撮影で何度か訪れているが、なぜか一度もバイクで走ったことがない。

写真・文:柴田直行

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【カメラマン 柴田直行/俺の写真で振り返る平成の名車】

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