この週末は、九州・大分県はオートポリスサーキットで、全日本ロードレース第7戦が行なわれています。すでに昨日も申し上げましたが、この週末はオートポリスらしからぬ(笑)好天が続いて、きょう日曜も絶好のレースコンディション! でも、実は早朝のうちに雨が降って、各クラスの朝ウォームアップランのころには霧も立ち込めていたんです。でも決勝レースはだいじょうぶ! J-GP3クラスの頃には気温もあまり上がらずに肌寒いくらいでしたが、お昼のピットウォークあたりから天候は回復し、昨日と同じような、暑いほどの好天に恵まれました。
昨日のレース1は中須賀克行(ヤマハファクトリー)が完勝したJSBクラスですが、今日はレース2。朝のウォームアップのタイムは、コンディションが違いすぎて参考になりませんでしたが、きょうのレースも昨日のトップ4、つまり今の国内のトップ4がレースを引っ張ることが予想される中、レースはほぼその通りの展開となっていきました。
スタートで前に出たのは水野 涼(ハルクプロホンダ)。折り重なるように中須賀克行(ヤマハファクトリー)、野左根航汰(ヤマハファクトリー)、高橋
巧(TeamHRC)、渡辺一馬(カワサキTeamGREEN)、渡辺一樹(ヨシムラスズキ)が続き、2周目に入る頃には高橋が野左根を逆転、さらに一樹も前に出て、5周目あたりには水野→中須賀→野左根→一樹→高橋といったオーダー。少し離れて岩戸亮介と一馬のカワサキデュオが続きます。
3~4周ほど一樹を先行させていた高橋ですが
「一樹君は抜きにくいライダーだから早めに前に出ておこうと思って」(高橋)と4番手に浮上。
これで、昨日のレース1と同じメンバーが、ちょっと順位を変えながらトップ4を占めることになります。ただしレース1と違うのは、水野が前を走り続けていること。昨日は前を走って、最後の最後にペースを落としてしまった水野ですから、ペースを変えて、タイヤの使い方を変えての戦略だったのでしょう。
このオーダーがしばらく続き、次の動きは野左根。レースが中盤を過ぎたころ、中須賀と水野をかわしてトップに立ちます。野左根も、昨日はトップで逃げて、最後は売り切れてしまったことを踏まえての、中盤までのタイヤ温存だったのでしょう。
「昨日は前に出て最後にやられたので、今日はポジションを変えてペースを作ってみました。本当はトップを誰かに逃がして、その後ろくらいにいるのが理想だったんですが、中須賀さんを挟んでの3番手走行だったので、そこは思い通りにいかなかったところですね」(野左根)
しかし、水野も譲らずに野左根を再逆転すると、いよいよレースは終盤へ。となると、昨日のレース1で中須賀がトップに立ったタイミングです。
中須賀は、まず野左根をかわして2番手に浮上すると、次の周には水野もパス! この終盤でのスパートこそ中須賀の真骨頂! タイヤを温存してペースをためて、最後の最後に料理するという、やられるほうが一番いやなパッシングなんです。
結局、このまま中須賀は野左根を引き離してフィニッシュ! 2番手に野左根、3番手は最終ラップで水野をかわした高橋が入りました。
「中須賀さんが優勝すると、3位が最低ラインだってわかってはいたので、ひとまず最低限の仕事だけはできたと思います。もちろん勝ちたかったけど、そこまでマシンを仕上げきれなかった」とは2レース連続で3位表彰台に上がった高橋。
中須賀優勝、2位野左根、3位高橋と、順位は昨日のレース1と同じ。オートポリスまで「21」あった高橋と中須賀のポイントギャップは、1レースで5ポイントずつ削られ、最終戦を前に「11」となりました。
「とにかく僕の逆転チャンピオンへは優勝だけ。そう考えてオートポリス入りしたので、思ってたレースはできました。これで最終戦、巧くんの得意な鈴鹿で決戦になるので、巧くんは絶対の自信を持っているだろうけど、その鈴鹿でやっつけたいです」と中須賀。
これで中須賀5勝、高橋4勝、野左根1勝ポイントギャップは、ランキングトップの高橋を基準に、2位中須賀までが11ポイント、3位野左根までが23ポイント。これで最終戦・MFJグランプリ・鈴鹿大会を迎えることになります。
MFJグランプリはボーナスポイントとして3ポイントが加算されますが、これポイント獲得の全員に与えられるので、ポイントギャップの縮まりとかには関係ありません……なんだかよくわかんないシステムなのです。
高橋には申し訳ないけど、最終戦鈴鹿がものすごい楽しみになってきたオートポリスでありました!
写真・文責/中村浩史