平嶋夏海「小柄なライダーに大切な、安心感があって乗りやすかったです」
私にとって、足つき性はとても大事です。
お仕事でいろいろなバイクに乗せていただきますが、試乗する機種が決まったら、いつも最初にシート高をチェックして、それに合わせて履くブーツを決めたり、場合によってはインソールを調整したりしています。
足つきに困らないライダーさんにはわからないと思いますが、信号で止まるときや、発進前にギアを入れるために左右の足を踏みかえるとき、バイクを傾けて乗り降りするときなど、足がつかないとヒヤッとすることが多いのです。
せめて片足だけでも、踏ん張れるくらいには足が着いてほしいのです。
今回試乗したCB1100RSのロースタイルは、スタンダードより22mmシート高が低い仕様。通常785mmのシート高が763mmまで下がっています。
実際にまたがると、両足はさすがに難しいですが、片足なら親指の付け根あたりまで接地する感じ。身長154㎝の私でも、これなら不安感も少なそうです。走り出してみても、重心が下の方にあるので、安心感があって私好みです。
ナイトロンのリアサスがしっかり動いてくれて、ギャップを超えたときの違和感もなし。タンデムもしましたが、シートの座面も広く、飛ばしても不安がないのも気に入りました。
好きなバイクなら、足つきに困っても、ローダウンしてでも乗りたいと思うもの。純正のローダウン仕様は少ないので、こういうモデルは大歓迎です。
大型モデル全機種にこういう仕様があったらいいのに!
平嶋夏海がライディングポジションと足つき性をチェック!
身長:154㎝
写真では両足を極力均等におろした状態ですが、右足をブレーキペダルに乗せた状態であれば、左足は親指の付け根あたりまで接地します。
ローダウン化で車体姿勢が変わったこともあり、上半身の前傾はやや強めとなります。
月刊『オートバイ』テスター太田安治の、ひとくちインプレッション
このロースタイルは、日本有数のサスペンション専門ショップ『テクニクス』がセットアップしたとあって、ローダウンに付きもののハンドリングバランスの崩れや乗り心地の悪化は感じられない。
リアに合わせてフロントフォークの突き出し量が7mm増やされているが、車体姿勢はわずかに後ろ下がり。
キャスター角が立ったことによるハンドリングの神経質さはなく、自然な旋回性を見せる。
唯一のネガ要素はローダウン化によってバンク角が減っていること。
ただ、ステップが可倒式なのでバンクセンサーが接地しても車体が弾かれることはないし、CB1100RSはコーナーをフルバンクで攻めるキャラクターではないから、気にするユーザーはほとんどいないだろう。
タンデムではリアの沈み込み量が増えるが、深いバンク角のままギャップを通過しない限りは不安なし。タンデム頻度が多いなら、リアのプリロードを増やし、ダンパーも少し硬めにセットするといい。
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PHOTO:南 孝幸 TEXT:平嶋夏海、太田安治、月刊オートバイ編集部