メカニズムをチェック!
ユニークなのはスタイリングだけではない。テージの名の通り、このバイクは世界でも例のないユニークな機構に満ちた1台なのだ。そして、この独創のシャシーに搭載されるのは、あのH2の過給エンジンなのだ!
センターハブステア
テージシリーズのアイデンティティでもあるユニークなステアリング機構。ブレーキング時のノーズダイブによるステアリング特性の変化を抑えられるメリットがある。
フロントウイング
大きく左右に張り出したウイングレットはカーボン製。走行時のフロントリフトを抑えるのが主目的で、ドゥカティのパニガーレや新型ファイアーブレードにも採用されている。
エンジン
ニンジャH2譲りのスーパーチャージャーつきエンジンを採用。外観は現行型H2用そのものだが、テージ向けにリファインされる可能性もありそう。パワーは200PSと思われる。
スーパーチャージャー
フロントからエンジン背面のボックスまで直接新気を送り込む、長い吸気ダクト。車体左側に備えているのはH2と同じだが、テージのダクトはカーボン製。
サスペンション
2本並んだショックユニットはオーリンズ製。左がフロントスイングアーム用、右がリアのスイングアーム用のようだ。隣には、車高調整機構用のエキセントリックカムが見える。
マフラー
サイレンサーはH2用そのもの。エキゾーストパイプの形状や触媒の位置を見る限り、排気系はH2用をそのまま採用している可能性が高そう。
スイングアーム
左右非対称のアルミ製スイングアームは剛性の高そうなデザイン。展示車両の装着タイヤはブリヂストンのRS11で、これはニンジャH2用の標準装着タイヤと同じ。サイズも同じものとなっていた。
【歴史解説】世界を震撼させたセンターハブステア
TESI 1D(1990年)
「論文」という名前のテージは、ビモータの高い技術を世界中に知らしめた1台。
独創的なセンターハブステア機構を採用し、初代モデルはエンジンにドゥカティ851用を搭載した。日本向けには400㏄版も存在する。
レポート:オートバイ編集部