カワサキのユニットをビモータが磨き上げる
カワサキとのコラボレーションで誕生した「テージH2」。
カワサキ側がエンジンなどのコンポーネンツを提供して、ビモータ側が開発した車体にそれを搭載する、という生産スタイルをとることもあり、スタイリングはオリジナリティあふれるものとなっている。

テージH2の場合、フロントのセンターハブステア機構が見る者に大きなインパクトを与えているが、ボディデザインもそれに負けない斬新なものとなっている。
ヘッドライトやミラーはH2のパーツを使っているが、鋭い形に開いたエアインテークダクトや、ヘッドライトユニットの独特なマウント方式、何より大きく張り出したカーボンウイングの採用で、フロントマスクにH2の面影はない。
カワサキのパーツを巧みに使用しながらも「走る宝石」と呼ばれたビモータの個性は保たれているのだ。
スタイリングをチェック!
フロントのセンターハブステア機構が独特の存在感を醸し出すテージだが、ボディデザインや各部パーツにも独特の世界観が息づいている。しかも、よく見ると、H2のコンポーネントも巧みに活用されているのだ!

独創的なメカニズムむき出しとも言えるフォルム。レッドとホワイトのボディカラーはビモータ伝統のグラフィックだ。

H2パーツを多用するが、フロントの印象は大きく異なる。ウインカーをビルトインしたミラーはウイング断面で、これもH2譲り。

全体的に大柄なボディだが、ライダーの着座部分はしっかり絞り込まれている。H2譲りのサイレンサーが個性を主張する。

ナンバーステーとウインカーはヨーロッパで主流のスイングアームマウント方式に。高めのテールを持つ車種にはポピュラーな手法。

エッジの効いたボディパーツを多用してはいるが、タンクやシートの造形をこのアングルから見ると、どことなくH2の面影も。

LEDプロジェクターヘッドライト、その下で牙を剥く様に並ぶポジションランプはH2からの流用。大きなカーボンウイングが印象的だ。

高く上がったテールカウルは後部をとがらせたコンパクトなデザイン。LEDのテールランプは、ヘッドライト同様H2のパーツを使用する。

メーターやオーリンズのステアリングダンパー、左右スイッチボックスはH2のパーツを流用している。ハンドルバーやカウル類は全てカーボン製となっている。

スーパーチャージャーのインテークチャンバーなどがエンジン上にマウントされるので、タンクの背は高めに見える。

タンデムステップは装備しておらず、このテージH2はモノポスト(1人乗り)。シートクッションはやや薄めの印象だ。