※試乗車はフルパワー仕様車のため、追記して訂正していたしました。
国内仕様は残念ながら販売終了…。
ホンダ自慢のモトクロッサー・CRF450R直系のメカニズムを持ちながら、公道走行もできてしまうというハイスペックトレールがCRF450L。オフロードを本格的に楽しむこともできる一方で、公道も走行可能なのでトランポがなくとも移動に手間どらないというスゴいマシンでしたが、残念ながら国内仕様はすでに販売終了。
ならば! ということで、ファンのリクエストに応えるかたちで、逆輸入車でおなじみの「パッセージ」が、台数こそわずかですが、CRF450Lを緊急輸入、この年末に日本上陸を果たしました。ということで、上陸したての1号車を早速撮ってきましたよ!
国内仕様との違いはシート、足回り、フルパワー
ここで国内仕様との違いを見比べてみましょう。目を凝らしてよーく見ていると分かるのですが、国内仕様の方がシートが低く、なんとなーくですがお尻が下がっているように見えますね。
比べてみると、今回撮影した欧州仕様は、シートの形状(肉厚)がまず違います。サスペンションはパーツとしては同一なのですが、フロントフォークは突き出し量が違っています。キャスター角は国内29° 30′に対して欧州28.5°、トレール量は国内127mmに対して欧州122mmとなっています。
シート高は国内895mmに対し欧州940mm、最低地上高は国内299mmに対して欧州315mm。簡単にに言うと、欧州仕様はキャスターがちょっと立って車高がアップしている、ということになります。
気になるユニカムエンジンのパワーですが、国内仕様の24PSに対して、欧州仕様は18.5kW(約25PS)。スペック上はほぼ同一と言っていいかもしれません。32N・mという最大トルクは同じです。
これに対して、スペックは公表されていませんが、北米仕様はフルパワーと言われており、そのパワーはおよそ40PSぐらい、と言われています。ちなみに、この試乗車はフルパワー仕様で、国内仕様とは吸排気系のダクトやコネクティングチューブ、ECUが異なるとか。
ちなみに、このグラフは試乗後に行われた試乗車のパワーチェックグラフ。青い線が今回の試乗車、赤い線が国内仕様。パワー、トルクとも全域で上回っているのが分かります。パワーは後軸計測で37.87PS。エンジン単体で考えたらおおよそ40PSぐらいでしょうか。
LEDヘッドライト、デジタルメーターといった装備関連は国内仕様と同じと言っていいでしょう。ただ、本格的にオフロードを楽しみたい、という人向けのマシンだけに、CRF450R譲りの、ローダウンしていない足回りは貴重。何より、国内仕様が販売終了しているいま、手に入るチャンスが非常に限られていることを考えると、欲しい人は急いだ方がいいかもしれませんね。
今回入荷はわずか5台。欲しい人は急ぐべし!
CRF450R、というと、上級者でないと手に負えない猛獣のような先入観がありますが、公道走行可能な「L」は、上手に調教されたスムーズなパワー感と、Rよりホイールベースを伸ばしたことによる安定感で、想像以上に間口の広いモデルです。
しかも、それに加えて、ローダウンではない本来の足回りも加わっているということで、この欧州仕様はオフロードファンには気になる存在と言えるでしょう。ただ、残念ながら、パッセージが輸入した台数はわずか5台。
しかも、年末の時点で問い合わせも来ているそうなので、欲しい人は急いだ方が…と言っても、パッセージの2020年の営業開始は1月7日(火)からだそうなので、年明け早々に問い合わせた方がいいですよ! ちなみに価格は148万5000円(税込み、登録諸費用は別途)、発売開始は2019年12月29日からとなっています。
この欧州仕様で、本誌取材班はただいま年の瀬の林道を走り回っております。気になるインプレッションは月刊オートバイ3月号にてご紹介しますので、そちらもお楽しみに!
文:松本正雅/写真:柴田直行
ホンダ「CRF450L」欧州仕様の主なスペック
全長×全幅×全高:2280×825×1260mm
ホイールベース:1500mm
最低地上高:315mm
シート高:940mm
車両重量:130.8kg
エンジン形式:水冷4ストOHC(ユニカム)4バルブ単気筒
総排気量:449cc
ボア×ストローク:96×62.1mm
圧縮比:12.0
最高出力:18.5kW(約25PS)
最大トルク:32Nm(約3.3kg-m)
燃料タンク容量:7.6L
変速機形式:6速リターン
キャスター角:28.5゜
トレール量:122mm
タイヤサイズ(前・後):80/100-21・120/80-18
ブレーキ形式(前・後):ディスク・ディスク